こども食堂の支援を通じて、誰もとりこぼさない社会の実現を目指している「認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ(以下、むすびえ)」(東京都新宿区、理事長:湯浅誠)は2022年12月15日、2022年度 こども食堂 全国箇所数調査(2022年12月 速報値)および第7回「こども食堂の現状&困りごとアンケート」 についての発表会を開催いたしました。
各調査結果についてはそれぞれ下記をご覧ください
▼2022年度 こども食堂 全国箇所数調査(2022年12月 速報値)について
https://musubie.org/news/6022/
▼第7回「こども食堂の現状&困りごとアンケート」について
https://musubie.org/news/6026/
▼クラウドファンディング実施について
https://musubie.org/news/6033/
記者発表は、東京都内の会議室でのリアルの発表とオンラインでの発表を組み合わせた形で開催され、東京のみならず各地域の報道機関の記者の皆さんが参加して活発な質疑応答が交わされました。冒頭、理事長の湯浅から「こども食堂の箇所数は、コロナ禍最大の増加が確認されました。人々は自らの地域を良くするために動きたがっています」との報告があり、続いて全国箇所数調査結果と困りごとアンケート調査結果、クラウドファンディングの実施について、担当者が発表しました。
東京会場での発表とオンライン発表に参加した記者からはそれぞれ、「昨今の物価上昇をどのように乗り越えていくのか」「こども食堂が増えている地域の理由は何か」などと質問が相次ぎました。「問題を抱えている家庭とつながっている具体的な例を教えてほしい」という質問に対し、記者発表にご参加くださったこども食堂サポートセンター・とちぎ(栃木県)の荻野友香里さんから「学校の先生と連携を取り、学校ではなく、こども食堂で先生と子どもと会ったり連絡物を渡したりする事例があります。連携するには、お互いが知ることが重要です」との話があり、かごしまこども食堂・地域食堂ネットワーク(鹿児島県)の園田愛美さんからは「連携に必要なことは、関係者の皆さんが前のめりになって手をつなぐことです。好事例があると、それが線となり、面になっていきます」という力強い言葉がありました。
続いて行われた一般向けのオンライン発表会には、こども食堂関係者や、こども食堂の活動を支援してくださっている個人や企業の皆さん、行政関係者など約80人が参加されました。理事長の湯浅からは「こども食堂の皆さんはたくましい。町内会やお寺、コンビニエンスストア、保育園なども『困ったときはお互い様』で動くと、地域に居場所が増える」との話がありました。
オンラインで参加してくださった皆さんからは「本当に必要としている人への支援がなかなかできないとの困りごとがありました。行政ができることには、どんなことがあるでしょうか」との質問があり、湯浅は「こども食堂が『どなたでもどうぞ』と言っているから、来られる子どももいます。行政の方がそれぞれお持ちのルートを活用し、『こういう場所もあるよ』と周知広報をしていただくのは大きなことです」と話しました。外国籍のお子さんへの食事提供方法や、日本語が読めない方がこども食堂を開く際に良い資料はあるかなどの質問もあり、オンライン参加者を交えてそれぞれの経験が共有されました。
発表会の最後には、園田さんから「たくさんの触れ合いが生まれていることに嬉しく思いました。7,331箇所の仲間が頑張っています。子どもの幸せに向けて歯を食いしばって頑張っている仲間のみんなに『ありがとう』と言いたいです」との言葉があり、湯浅からの「コロナ禍3年目で、これだけこども食堂を始めてくれる人がいるのは、社会の底力だと思います。皆さんに感謝しつつ、これからも進んでいきましょう」との言葉で、閉会となりました。