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【お知らせ】2023年度の活動報告書を作成しました

長らく猛威を奮っていた新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類へ移行され、また、令和6年能登半島地震が発災するなど、私たちを取り巻く環境が大きく変化した2023年度。全国それぞれの現場で奮闘されるこども食堂の皆さん、各地でこども食堂を支える地域ネットワーク団体の皆さん、ご支援くださった全国の皆さまのあたたかい気持ちに励まされた1年となりました。
皆さまのお気持ちをぎゅっと詰め込んだ、2023年度の活動報告書をお届けします。今後ともお力添えを頂けますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2023年度の活動報告書はこちらからダウンロードできます

むすびえ理事長、湯浅から皆さまへ

少し前に、北陸地方のある地域の住民ワークショップを見学しました。

世帯数500のその地区には、地区の中央を通る県道に面して保育園・小学校・住民交流センターといった地域のコミュニティ機能が集約された一角があり、住民ワークショップはその中の住民交流センターで開かれていました。その地区で起こっていたのは、少子化による地域コミュニティ機能の衰退でした。保育園は3年前に閉園、小学校はその年に閉校という事態を受けて、危機感をもった住民がこれからの地区のありかたについて意見交換をしていました。

ワークショップの終盤、いくつかに分かれたグループそれぞれから、地区のために自分たちにできることが提言されましたが、女性たちのグループから出たのは「食堂・カフェの運営」でした。保育園も小学校もなくなってしまい、地域は一段とさみしくなるので、人が集う場をつくって、つながりをなんとか維持したい…そんな思いから行われた提言でした。

この食堂・カフェが本当に開催にこぎつけるのか、こぎつけたとして「こども食堂」として名乗るのか、それはわかりません。でも私は、その住民さんの思いに全国でこども食堂が広がっていく「源泉」を見たと感じました。人と人のつながりが薄くなっていく中で、自分たちにできることを考え、まったく儲からないし、誰かに指示されたわけでもないのに、自分が必要だと思ったことを自分の責任で実施しようとする――住民自治の原点、民主主義の原点です。

その食堂・カフェが「こども食堂」と名乗るかどうかは、副次的な事柄です。大切なのは、誰かから指示されるのを待っているのではなく、自ら自分のできることを探し、見つけ、取り組もうとする人たちがいて、またそれをさまざまな形で応援することで自らも参加しようとする人たちがいる、ということです。私はそこに社会の希望を見ています。

こども食堂は2023年度、9,132箇所が確認され、ほぼ全国の公立中学校数と並ぶ数になりました。しかしその周囲にはこども食堂と名乗らないが、同じ思いで自ら立ち上がっている多くの人たちとその取組みがあるのだと思います。私たちはその人たちとも、ともにありたい。

むすびえが、こども食堂と名乗る・名乗らないにかかわらず、日々奮闘されている方たちから見て「自分たちと同じ思いを持って、ともに歩んでいる団体」だと認めてもらえるかどうか、日々問うていければと思います。

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