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こども食堂防災拠点化プロジェクト ~自助・共助・公助のつながり~ 開催レポート

私たち「むすびえ」では、こども食堂への地域ネットワーク団体を通じた支援の一つとして、防災についての取組「こども食堂防災拠点化プロジェクト」を行っています。

こども食堂の機能・魅力の一つは、地域の方々が互いに助け合う「共助」です。
この共助の力が
・有事にも活かせますよ!
・「いつも」の活動が「もしも」でも活きます!

ということを、こども食堂の運営者のみなさんへお伝えして、「フェーズフリー」※1と「つながりづくり」でこども食堂の防災力アップに力を入れてきました。一方、私たち「むすびえ」では、こども食堂と企業や行政をつなげる活動もしています。
これは、自助共助と公助をつなぐ活動と言えます。

災害時は、自助だけ、共助だけ、はたまた公助に頼るだけでは成り立ちませんので、それぞれがつながる活動へも当プロジェクトは力を入れていきたいと考えています。
その第一歩として、今年度は、地域で活動されている愛媛県宇和島市と福井県敦賀市のこども食堂を通じた防災シンポジウムで、「もしも」に備える、自助、共助、公助のつながりづくりに参加いたしました。

つながる自助・共助・公助のイメージ図

愛媛県宇和島市でのシンポジウム

2023年1月19日(木)に第一回、翌年となる今年、2024年1月19日(金)に第二回と、「災害時の食と栄養を学ぶ」をテーマに、愛媛県宇和島市でシンポジウムが開催されました。

【第一回】2023年1月19日(木)
テーマは「いつも」が「もしも」に生きる「フェーズフリー」
味の素ファンデーションさんから「いざという時どうする?〜あなたの食と栄養〜」についてお話があり、「いつも」が「もしも」に生かせる事例として、特定非営利活動法人U.grandmaJapanより、キッチンカーによるこども食堂を通じた地域のつながりづくりのお話がありました。

むすびえからは、全国のこども食堂運営者を対象に行っている、こども食堂防災研修が地域のつながりづくりの一助になっている例や、各地の災害時におけるこども食堂の活動事例をお話しいたしました。

2023年1月19日(木)の1回目の様子

【第二回】2024年1月19日(金)
テーマは「もしも」に生きる「いつも」の材料
味の素ファンデーションさんから「いざという時どうする?〜あなたの食と栄養〜」(自助)をお話しいただき、「もしも」に生きる「いつも」の事例(共助)として、宇和島市消防団第三方面隊の方の普段から意識している防災についてもお話をいただきました。

また、特定非営利活動法人U.grandmaJapanでは、こども食堂の話に加え、炊き出し訓練(ぱくパーク)の様子をビデオ編集し、むすびえと協働でこども食堂運営者向け教材として公開していることもお話しいただき、2019年の宇和島豪雨災害以降のつながりから継続した活動になっているとの事例もお聞きできました。

むすびえは、前回同様、全国のこども食堂運営者へのこども食堂防災研修が地域のつながりづくりの一助になっている例や、1月1日に発生した能登半島地震後のこども食堂運営者の連携や全国でつながった事例をお話しいたしました。

2024年1月19日(金)の2回目の様子

多角的にそれぞれのセクターが得意とする分野や専門性のお話は、食と栄養について
「日常時」と「非常時」という2つのフェーズをフリーにする
つながりの第一歩だと実感しました。

また、このシンポジウムは、全員参加のワークショップと防災食を食べる実体験もあります。全員で「いつも」と「もしも」を想像し、行政の方や普段つながれないセクターの方々とも意見交換を通じてつながるキッカケになりました。

ワークショップの様子
栄養士監修の災害時の献立メニュー(日替わり弁当)の実例

宇和島市では、災害時の献立(7日分)を栄養士が計画し書面で保管していたそうです。その献立(7日分)をこども食堂が実際に料理し、みんなで実食する機会としても活用されました。

行政の備えをこども食堂が料理し、みんなで食べる。そして、官民連携してブラッシュアップする。 (Plan計画)→(Do実行)→(Check確認)→(Action対策)サイクルが動いていました。

福井県敦賀市でのシンポジウム

2023年10月22日(日)に「平時のつながりの大切さ」をテーマに、福井県敦賀市でシンポジウムが開催されました。
敦賀市でのテーマは 「もしも」のときに「いつも」のこども食堂だからできること。

宇和島市同様に、味の素ファンデーションさんから「いざという時どうする?〜あなたの食と栄養〜」について自助のお話の後、敦賀市の危機管理対策課より「敦賀市での災害」、敦賀市栄養士会より「避難所での要配慮者への食について」のお話がありました。

続いて、むすびえから、全国のこども食堂運営者へ行っている、こども食堂防災研修が地域のつながりづくりの一助になっている例や、各地の災害時におけるこども食堂の活動事例を紹介しました。
また、「いつも」が「もしも」に活かせる事例として、特定非営利活動法人U.grandmaJapanより、キッチンカーによるこども食堂を通じた地域のつながりづくりのお話がありました。

敦賀市でも全員参加のワークショップは大好評です。 日常の「いつも」を「もしも」に置き換えるリフレームワークで、フェーズフリーを身近に、ジブンゴトとして捉えていただきました。

2023年10月22日(日)の様子
行政(危機管理対策課)より地域防災取り組みの紹介
ワークショップ発表の様子

私たちの生活をフェーズフリー※1で考えたとき、ゆるぎなく必要な営みは、「食」「寝」「排泄」「居」そして「つながり」ではないでしょうか。

この必要な営みを継続するには、自助、共助、公助の相互連携が必要です。
今後も「官民連携の地域」をめざして、つながり作りを推進していきます。

※1 フェーズフリーとは
身のまわりにあるモノやサービスを、日常時はもちろん、非常時にも役立つようにデザインしようという考え方です。
※一般社団法人フェーズフリー協会より

===イベント詳細=====

日時:2024年1月19日(金) 
場所:愛媛県宇和島市
主催:宇和島市こども食堂連絡協議会
登壇機関:公益財団法人味の素ファンデーション
     愛媛県宇和島市危機災害対策課
     宇和島市こども食堂連絡協議会
     愛媛県女性防災リーダー育成会
     認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ 

日時:2023年10月22日(土) 
場所:福井県敦賀市
主催:つるがこども食堂ネットワーク
登壇機関:公益財団法人味の素ファンデーション
     福井県敦賀市危機災害対策課
     公益社団法人福井県栄養士会
     特定非営利活動法人U.guranmaJapan
     認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ

日時:2023年1月19日(木) 
場所:愛媛県宇和島市
主催:宇和島市こども食堂連絡協議会
登壇機関:公益財団法人味の素ファンデーション
     愛媛県宇和島市危機災害対策課
     宇和島市こども食堂連絡協議会
     愛媛県女性防災リーダー育成会
     認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ 

「こども食堂防災拠点化プロジェクト」とは?

こども食堂が地域の多世代交流拠点として機能し、地域で大切な防災の側面からも必要とされる社会を作ることを目的として、2019年より継続して実施しているプロジェクトです。
そこに集う人々の安全確保はもちろん、平時だけでなく、有事の際にも地域の安心、安全な場として存在できるように、こども食堂の防災力を高めることをコンセプトに活動を続けています。また、こども食堂の主体的な防災活動につながるよう、それぞれのこども食堂に「私たちに出来る防災」「地域みんなの防災」について考え・備える機会として防災研修や、さまざまな防災活動のご支援をしています。
これらの活動を通して、こども食堂という地域の交流拠点をより多くの方に知っていただくと同時に、つながりの大切さを再確認する場づくりに貢献しています。

こども食堂での防災研修、訓練をお考えの際は、是非ご相談ください。

プロジェクトページ
https://musubie.org/pickupproject/bousai/

本件に関するお問合せは、下記メールアドレスまでお願いします。
bousai@musubie.org(担当:森谷、松島、久保井、和泉)

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