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こども食堂の数、全国の公立中学校数とほぼ並ぶ「9,131箇所」に増加 ~2023年度こども食堂全国箇所数調査結果を発表~(2023年12月速報値)

こども食堂の支援を通じて、誰もとりこぼさない社会の実現を目指して活動する「認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ(以下、むすびえ)」(東京都渋谷区、理事長:湯浅誠)は、2018年から調査を開始した「こども食堂全国箇所数調査」について2023年度速報値を発表しました。
調査の実施にあたっては全国各地でこども食堂を支える地域ネットワーク団体等の協力を得て進めました。

2023年度の調査では、全国のこども食堂が昨年度から1,768箇所増え、「9,131箇所」となり、全国の公立中学校と義務教育学校の数を合わせた9,296箇所※1とほぼ並ぶ結果となりました。2018年度の調査開始以降において、最も多い増加数になります。

※1 文部科学省「令和5年度学校基本調査(速報値)」より

<グラフ1>こども食堂の箇所数と、全国の小学校/中学校数の推移

●2018年以降は認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえおよび地域ネットワーク団体調べ、2016年は朝日新聞調べ
●小学校数、中学校数は文部科学省「令和5年度学校基本調査(速報値)」の公立小学校/中学校数および公立の義務教育学校数の合算による。

<グラフ2>こども食堂の箇所数の推移

むすびえは「こども食堂が全国のどこにでもあり、みんなが安心して行ける場所となるよう環境を整える」ことをミッションとしており、2025年には、全小学校区※2に対して1つ以上のこども食堂がある状態を目指しています。本調査は、その実現のための調査研究事業として、2018年度より毎年行なっています。
本調査は、むすびえが全国のこども食堂地域ネットワーク団体、県庁、県社会福祉協議会など、こども食堂に関わるあらゆる関係者にご協力いただいて実施したものです。
ただし、こども食堂は自治体等への届出を要しない民間活動であることから、すべてを網羅できていない可能性は残ります。
その意味で「少なくともここまでは確認できた」という数字になります。

※2 2023年5月現在18,869校。文部科学省「令和5年度学校基本調査(速報値)」より

こども食堂は2022年度より1,768箇所増え、「9,131箇所」に。
コロナ前を含めても過去最大の増加数となり、

全国の公立中学校数とほぼ並ぶ箇所数となりました。

【調査概要】
期間:2023年9月〜2023年11月
方法:調査票への記入回答の他、電話での確認
対象:県庁、県社会福祉協議会など、こども食堂に関わるあらゆる関係者
協力:地域ネットワーク団体
※一部むすびえが個々の市町村・社協に電話かけを実施(都道府県ごとの回答者は別表1参照)。
※先述の通り、こども食堂は自治体等への届出を要しない民間活動であることから全てを網羅できていない可能性は残る。その意味で少なくともここまでは確認できた」という数字であることに留意。


結果のポイント

  • 2023年度調査では、1,768箇所の増加となり、コロナ前を含めても過去最大の増加数となりました。
    総数では9,131箇所となり、全国の公立中学校と義務教育学校の数を合わせた9,296箇所とほぼ並ぶ箇所数となりました。
  • 増加の要因として考えられることは、以下の3点。 
    1)コロナが2023年5月8日に「5類感染症」へ移行したことによる、コロナ対策の緩和の動きが影響。長引くコロナ禍を経験した人々の、こども食堂を通じて地域のつながりを取り戻していこうという、「困難をしなやかに乗り越え回復する力」が過去最大の増加数をもたらしたといえます。
    2)2023年4月にはこども家庭庁が創設され、こどもの居場所に関する指針が閣議決定される(予定)など、国や自治体による子どもの居場所づくりへの関心が高まっていること。
    3)企業が運営するこども食堂も広がっていること。
  • 箇所数最多は「東京都」1,009箇所(初の1,000箇所超え)、2位「大阪府」757箇所、3位「兵庫県」521箇所。
    上位2都府は2022年と変わらず、上位3番目は「神奈川県」から「兵庫県」になりました。一方で、もっとも箇所数が少ないのは、「秋田県」38箇所、「福井県」41箇所、「長崎県」48箇所でした。
  • 増加数最多は「東京都」170箇所、次いで「大阪府」「兵庫県」ともに144箇所。増加率では「石川県」91.30%、「岡山県」54.84%、「徳島県」54.17%が上位3県となりました。
  • 小学校区に対する充足率(校区実施率)の全国平均は30.56%で、初めて30%を超えました
    上位は「沖縄県」56.70%、「鳥取県」54.62%、「東京都」51.26%となり、上位3都県はすべて50%を超える結果となりました。一方、充足率が低いのは、「長崎県」13.10%、「秋田県」15.34%、「福井県」(17.89%)でした。
  • さらに、充足率(校区実施率)は重要な指標であるものの、他方で小学校の統廃合が進んでいる都道府県ほど充足率が見かけ上高く出るという不都合も生じかねないため、人口比指標(人口10万人あたりのこども食堂数)も併せて発表しています。人口比は、「沖縄県」(21.27箇所)、次いで「徳島県」(15.44箇所)、「鳥取県」(15.19箇所)が上位となりました。一方、人口比が少なかったのは、「長崎県」(3.68箇所)、「秋田県」(4.04箇所)、「千葉県」(4.61箇所)でした。

「こども食堂全国箇所数調査2023」結果のポイント詳細は、「資料1」をご確認ください。
地域の受け止めコメントは、「資料3」をご覧ください。

【調査資料】
資料1:こども食堂全国箇所数調査2023結果のポイント
資料2:都道府県別箇所数・充足率等一覧
資料3:各県からのコメント
別表1:都道府県別 回答主体および充足率・人口比内訳
別表2:調査指標別 都道府県順位

【その他:2023年12月14日発表時の資料】
「本日、もっともお伝えしたいこと」(2023年12月14日 むすびえ理事長 湯浅誠)


2023年度、増加率で1位だった石川県は、箇所数調査の結果を受けて、次のようにコメントしました。

県内の子ども食堂は、2022年度末で約70箇所(市町調べ)となっています。一方で、5つの市町で設置されていない状況でした。
そこで、県では、まず全ての市町での設置に向けて、今年度から、初期の開催費用を補助する「開設準備支援」、子ども食堂運営者がノウハウを伝授する「アドバイザー派遣」、そして食材供給などを行うサポート企業との「マッチング支援」の3つのパッケージで、子ども食堂を立ち上げようとする民間団体に支援をしています。
今後とも、県では、子ども食堂が県下全域の身近な地域に設置されるよう、地域と一体となって取り組んでまいりたいと考えております。
(石川県健康福祉部少子化対策監室子育て支援課)

また、石川県の地域ネットワーク団体の代表者は、次のようにコメントしています。

当倶楽部は、2017年広がれこども食堂の輪全国ツアーを石川県で開催した頃から「小学校区に1箇所こども食堂!」をスローガンに猪突猛進。頂き物・食品ロス食材を石川県内のこども食堂へ分配、寄付&助成金などの情報共有化、コロナ禍でのこども食堂1面新聞広告、出張こども食堂開催など実施。いくつかのこども食堂は食の提供だけでなく、学びや子育ての黄色信号に気づく場となり、これを支援する行政も増えてきました。そのことがこども食堂の認知を広めることにつながりました。これからも、各こども食堂が定期開催しやすいように、そして身銭を切らない&偏見の目が向けられないように支援の工夫をしてまいります。
(かなざわっ子nikoniko倶楽部 喜成 清恵)

【こども食堂とは 】
地域食堂、みんなの家などという名称にかかわらず、子どもが一人でも安心して来られる無料または低額の食堂。「子どもの貧困対策」と「地域交流拠点」の2つの大きな軸がある。
・わたしたちが大事にしていること https://musubie.org/precious/

【認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ について】
代表者 : 理事長 湯浅 誠(社会活動家、東京大学先端科学技術研究センター 特任教授、経済同友会会員、こども家庭庁「こども家庭審議会 こどもの居場所部会」委員)
所在地 : 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-27-5 リンクスクエア新宿16F
設立:2018年12月(2021年5月認定NPO法人取得、同年10月グッドガバナンス認証取得)
むすびえは、ビジョンである「こども食堂の支援を通じて、誰も取りこぼさない社会をつくる。」ために、こども食堂が全国のどこにでもあり、みんなが安心して行ける場所となるよう環境を整え、こども食堂を通じて、多くの人たちが未来をつくる社会活動に参加できるように活動している。具体的には、こども食堂の実態を明らかにし普及・啓発する調査研究、各地域のこども食堂ネットワークを支援する地域ネットワーク支援事業、企業・団体とこども食堂支援を行う企業・団体との連携事業を行っている。2022年度は、のべ1,302団体に約5.2億円の助成を行った他、のべ11,052団体に対し約5.3億円(売価計算)の物資等支援を仲介した。

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【お問い合わせ先】
認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
ホームページ:www.musubie.org
問い合わせメール:pr@musubie.org  (広報)

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