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こども食堂の価値を「見える化」 こども食堂 価値調査分析レポートを発表

~ こども食堂の多世代交流を実現する「居場所そのもの」が、地域活性化やこどもの貧困対策、孤食対策など、さまざまな価値・機能の源泉となっていることが明らかに~

むすびえは、2019年度から3年にわたり、こども食堂の価値を「見える化」するための調査、通称「さくらプロジェクト」を実施してきました。

調査の結果、こども食堂は「にぎわいづくり・地域活性化」「貧困の連鎖を断ち切る」「孤食対応」「子育て支援・虐待防止」「高齢者の健康づくり」といった5つの価値に加え、多世代交流を実現する「居場所そのもの」が、さまざまな価値・機能の源泉となっていることが明らかになりました。

■さくらプロジェクトの目的

本プロジェクトの目的は、こども食堂の複合的な価値を捉え、可視化することで、その意義や効果の普及を行うことにあります。こども食堂は全国的な関心の高まりの中で、子どもの貧困対策の一環の取り組みとして捉えられがちですが、しかし実際は地域の子どもからお年寄りまでが集うその多くが全世代型の「多世代交流拠点」として機能しており、包括的・複合的な価値を地域に提供し、その効果も多岐にわたっています。
私たちは、このような潜在力をもつこども食堂を全国に広げることが日本の多様な社会課題解決の指針を示すことになりえると考え、今後もこども食堂の普及啓発を推進して参ります。

■「さくらプロジェクト」調査結果サマリー

  • こども食堂は、主に「にぎわいづくり・地域活性化」「貧困の連鎖を断ち切る」「孤食対応」「子育て支援・虐待防止」の5つの価値を持つ。
  • 5つの価値以外にも「地域課題を地域住民が発見すること」、「地域の防災・防犯に役立つこと」、「女性の活躍の場になる」などの価値が見出された。
  • 5つの価値の中心には、多世代交流の地域の「居場所」としてのこども食堂があり、この「場」そのものが価値の源泉であることが調査より明らかになった。具体的には、多世代が集まり交流できること、利用者同士が知り合い地域の顔見知りが増えることにより、さまざまな地域課題の発生予防にもつながっていた。また地域課題が発生した際にサポートしあえる場所としてこども食堂が機能していた。
  • 上記のように、多くのこども食堂は運営者が意図して課題解決に取り組んでいたもの以外に(「意図的な価値」)、結果として課題解決につながっていた(「結果としての価値」)といったことの方が多く、多様な価値が生み出されていることが分かった。

こども食堂の価値を「見える化」する「さくらプロジェクト」報告書本文(PDF)
同報告書サマリー版(PDF)

■調査概要
期間:2019年度~2022年度の3年間
調査方法:
以下2つのツールキットを開発し、定性・定量の両面から評価。

  1. MSC(Most Significant Change)ツールキット
    ワークショップを通じてこども食堂の「もっとも重大な変化の物語」を抽出する。
  2. さくらの花びらサポートキット
    「5つの価値」に照らしてこども食堂のタイプを診断。診断されたタイプごとの指標を選定し、こども食堂の運営者がデータを収集する。

調査対象:9都府県の「こども食堂の地域ネットワーク」と「こども食堂」70団体
実施主体:認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
協力/支援:三菱商事株式会社、株式会社ブルー・マーブル・ジャパン

【本件に関するお問合せ先】
認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
広報担当
Email : pr@musubie.org

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