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【研修会実践報告】大人も子どもも、安心を感じられる場をつくるための研修会

大人も子どもも安心できる場をつくるためには、どんな方法があるのでしょう?渋谷区社会福祉協議会が区内のこどもテーブル登録団体向けに開催した、第三の居場所に関わる人の心の持ち方や声のかけ方、聴き方などを学ぶ講演と研修会の様子をご紹介します。

「私たちの地域でも、こうした研修を開催してみたい」。そんなご要望がありましたら、
ibashonoanzen@musubie.orgまで、ぜひご連絡ください!
※むすびえ研修実施サポート費用、研修ファシリテーター料金(外部講師の場合含む)は、無償です。

<概要>
テーマ:地域の力で見守ろう、支え合おう〜小さなSOSにも気づける取り組み〜
日 時:2023年7月10日(月)13:00~15:00
会 場:渋谷区商工会館(東京都渋谷区)
主 催:渋谷区社会福祉協議会
協 力: 認定NPO法人CAPセンターJAPAN 、認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
講 師:認定NPO法人CAPセンターJAPAN 重松和枝さん
参加者:渋谷区こどもテーブルに関わるこども食堂運営者等 29名

<内容>
子どもの小さなSOSに気づくための大きなポイントは、子どもの「安心」。安心をつくるための具体的なポイントについて、グループワークも交えながら重松さんにお話しいただきました。

◼️こどもに関わるおとなが、自分と仲間を大事にする
こどもが出すSOSはとても小さく表現もそれぞれなので、サポートする立場の人が積極的にキャッチすることが重要です。そのために、まずはおとなが心身の健康を大事にし、お互いをいたわり合い安心できる関係性を持つことが、「もしかしたら?」と小さなSOSのサインに気づくことにつながります。

グループワークでは、ご自身の気持ちをシェアしたり、ねぎらいの言葉をかけ合ったりと、照れながらも参加者同士が打ち解ける様子がありました。重松さんからは「本業を持ちながら、こども食堂やフードバンクを運営している方もいらっしゃると思います。さまざまな生き方がある姿をこどもに見せ、『ここだよ!』と旗を立てて活動している皆さんは、とてもすごいです」という言葉がけがありました。

◼️こどもに豊かさや安心を提供することに注力する
こどもの世界は狭く、見えているものが全てです。周りから見て驚くような環境にいても、それが日常ならこどもにとっては普通のこと。家庭や学校以外の場で、あたたかい人間関係を目にする、一緒に考え力になろうとするおとなの存在を知る、あの人が笑顔で待っていてくれる…といった安心をたっぷりと味わうことで、こどもが「自分の安心」はどれかを知り、自身が置かれている現状に対して「なんか嫌だな、変かも?」というSOSセンサーの感度が磨かれます。安心とは何かをこども自身が獲得するという意味で、第三の居場所が不要なこどもはいないというお話でした。

子どもにとって特別に大切な3つの権利である「安心・自信・自由」を体で表現。同じ場にいる人同士が一緒にやることで、自分も周りもその権利を持っていることを肌で感じます。

◼️「力の不均衡」を念頭に
「力の不均衡」とは、人間関係において必ず生まれる、力関係のつり合いが取れない状況のこと。こども食堂にも「おとな」と「こども」という人間関係が存在していること、こどもは無意識に心や体を支配されがちであることを、おとな側が認識して気をつける必要があります。「ここは安全だ」と思える場所でこそ、こどもはSOSを出すことができます。こどもが本来の力を発揮できるよう、不安やモヤモヤを、安心や自信へとつなぐ調節のサポートをするという気持ちで関わります。

◼️話を聴く時のポイント
SOSは言葉や行動などさまざまな表現がありますが、こどもが何か話そうとした時は、以下のようなポイントで聴いてみます。

  • こどもが気兼ねなく話せるような安心できる場所で聴く
  • しゃがむなどして、なるべくこどもと目線を合わせる
  • 終始冷静に話を聴く(ひそやかな喋り方や驚いた顔は、こどもが悪いことをしたように本人や周囲が感じてしまうので控える)
  • こどもの気持ちに共感しながら、話を遮らずに最後まで聴く
  • SOSとは思えない内容でも、気になったら「もう少し詳しく教えて」と尋ねてみる
  • 感謝を言葉にして伝える(「話してくれてありがとう」)

「SOSではなく勘違いかも?自分1人では受け止めきれない」と感じることがあるかもしれません。気づきを無かったことにしないためにも、普段から地域の仲間のほか、自治体や社会福祉協議会といった社会資源などと、相談し合えるつながりを持っておくことが大事です。地域の中でつながりながら活動を続けることで、まち全体がこどもにとっての安全基地になるというお話でした。

<参加者からの声>

  • 子どもが幸せになるには、大人が幸せである必要があるという点が印象に残りました。
  • 子どもにとって、生きていくために特に大事となる安心・自信・自由が、私自身の中に、そして大人同士の関係性の中に必要だとわかった。
  • 支援しているという構図があると、さらに力の不均衡が起こるという内容がぐさっと刺さった。支援する立場に立つ側がより意識して不均衡が起きないようにしないといけない。現場を運営していると今日のお話は理想的に感じてしまうが、理想をどう現実にしていくかを、自分だけでなく、この場に参加した皆さんと一緒に考えていきたい。

研修会を実施してみたいという地域ネットワーク団体およびこども食堂運営者の皆さまは、ぜひ以下よりお問い合わせください。

ibashonoanzen@musubie.org(担当:鈴木・出原・中谷・光田・森谷) 

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