「自称『子ども食堂』で中学3年生に缶酎ハイを飲ませる」との容疑で運営の男を逮捕という報道を受けて、大変驚くとともに、強い憤りを感じています。
報道によれば、那覇署には「制服を着た子どもたちにたばこを吸わせている場所がある」との通報もあったとのことですが、飲酒のみならず喫煙も事実だったとしたら、さらに許せません。
むすびえは、こども食堂の運営者のみなさんが、子どもたちをあたたかい眼差しで見守り、健やかな育ちを応援し、地域みんなのつながりの拠点として活動をしておられることを知っています。また、その活動を応援している方も、同じ思いを持って活動に参画されています。
同時に、自発的に始める民間活動のため、どこかへの登録や許認可が必要なわけではなく、誰でも「こども食堂」を名乗ることができます。今回も、その敷居の低さが悪用された可能性があります。那覇市の委託を受けて那覇市社会福祉協議会(子どもと地域をつなぐサポートセンター糸)が運営する「なは子どもの居場所ネットワーク」にも加入していませんでした。
私たちは、こども食堂の、民間活動ゆえの自発性と多様性、柔軟性と創意工夫を最大限尊重したいと考えています。そういった場所だからこそ、コロナ禍で学校が一斉休校になったときにも弁当配布や食材配布を続け、子どもたちとつながり続けようとしました。各地で災害が起きたときにも、運営者同士で励まし合い、物資の支援などを届けるなどの活動を、「困ったときはおたがいさま」の精神で進めてこられています。だからこそ、この自発性と多様性を逆手にとって悪用するような事案には、深い憤りを禁じ得ません。
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私たちは、こども食堂が始まってから10年を迎える今年、こども食堂の運営者やこども食堂地域ネットワーク団体有志の方たちと一緒に、「こども食堂が大事にしていること/これからも大事にしていきたいこと」を発表しました。
こうした想いを軸に、こども食堂のみなさんが地域の方たちとつながり、また地域の方たちがこども食堂のみなさんとつながっていただくことで、地域みんなの見守りの中で、子どもの健全な育ちが応援されていくことを願ってやみません。
全国に広がるこども食堂は、
子どもたちをあたたかくやさしく見守りたいという想いで
運営されています。
運営者の想いがぎゅうぎゅうにつまったそれぞれの活動は、
社会を彩るように多様で、
それでいて、みんなを包み込む場所です。
そんなこども食堂が大事にしていることを、
これからも守り、
そしてやさしい活動が、
さらに広がっていくようにと願いを込めて、
こども食堂が大事にしていること、大事にしていきたいことを
5つにまとめました。
私たちの社会が、やさしい社会になるように。
あたたかいつながりが実感できる社会が続くように。
#みんなで食べるとおいしいね
違いを認めあい(多様性)
「やりたいのは自分」の気持ちで(自発性)
分け隔てなく誰にでも(インクルーシブ)
みんなのために(非営利)
地域をつなげ、笑顔をつなげる(地域性)
(「こども食堂が大事にしていること/これからも大事にしていきたいこと」https://musubie.org/news/5031/)
認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
理事長 湯浅誠