2021年度 むすびえ・こども食堂基金(冬募集)の採択結果につきまして、以下の通り発表いたします。
今回の助成事業につきましては、全国18都県のこども食堂ネットワーク団体より38件の応募をいただきました。長引くコロナ禍の中、こども食堂からの多様なニーズへのご対応や支援の仲介に奮闘されていることと存じます。このような状況下での申請書作成は大変なご負担だったことと思います。全国各地で、多くの方が思いをもって活動をされているご様子に、選考委員・事務局は大変感銘を受けました。ご応募下さいました皆様に、心より敬意を表します。
この度、こども食堂基金として初めて地域ネットワーク団体を対象とした助成事業を実施しました。むすびえのビジョンでもある「こども食堂の支援を通じて、誰も取りこぼさない社会をつくる」という思いを共有し、こども食堂への包括的な支援に取り組む地域ネットワーク団体の皆様のお力に少しでもなれたらとの思いからです。
選考委員の皆様と慎重に検討させていただき、予算の増額もしましたが、不採択とさせていただいた団体様もあります。ご期待に沿えず、大変申し訳ございません。
むすびえでは、今後とも助成事業含め、厳しい状況の中でもこども食堂の継続・発展にご尽力されるネットワーク団体の皆様の支援に取り組んでまいります。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
なお、本助成事業は、むすびえから寄せられている個人・法人皆様からのご支援を受けて実施しております。こども食堂及び地域ネットワーク団体の活動に関心をお寄せいただき、ご支援いただけましたこと心より感謝申し上げます。
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むすびえ・こども食堂基金選考会委員 清原委員長からのメッセージ
長引くコロナ禍にあっても、全国の「こども食堂」の数は増えてきています。こどもたちや地域コミュニティが直面する逆境を乗り越えるために、「地域の居場所づくり」に努力されている「こども食堂」の活動に関わるすべての皆様に感謝いたします。
この間、「こども食堂」に関わる皆様は、感染症対策の為に、こどもたちや大人たちが集う事業の継続については、特に緊急事態宣言やまんえん防止特別措置等が発令されている状況において、大いなる困難に直面されてきていると思います。
そうした中、【むすびえ・こども食堂基金】においては、個々の「こども食堂」の活動支援に加えて、この冬募集では「こども食堂地域ネットワーク」の取組みを対象にした初めての助成事業を行いました。
私は可能な限り県域や市町村域での「こども食堂」のネットワークができることによって、地域の複数の「こども食堂」が直面する課題が共有され、解決に向けた協議等により創意工夫の力が増強される機会が増すと思っています。
そこで、この助成の活用によって、地域の「こども食堂」関係者の目標の一致、それぞれが直面する課題に関する相互理解、課題解決や活動の持続可能性を増すための協力関係、「こども食堂」とそれ以外の団体、機関や自治体等との連携を構築するプラットフォームづくりが期待されます。
ただ、その中間支援的な取り組みには、試行錯誤のご努力が想定されますので、活動の過程において、むすびえの事務局との対話をしていただくことも期待しています。
清原慶子(杏林大学客員教授、ルーテル学院大学客員教授、前・東京都三鷹市長、前・全国市長会少子化施策担当副会長、他)
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選考委員からのメッセージ
コロナ禍でありながらも、こども食堂は全国で増え続けています。
今後は、こども食堂が様々な困難を乗り越えながら持続可能な地域のインフラとして地域にしっかりと根付いていく必要がありますが、そのために重要なのは地域の力を結集する仕組づくりです。
この課題に取り組もうと、各地でネットワーク団体が次々に立ち上がっており、大変心強く感じています。
今回の助成を受けるネットワーク団体の皆さんをはじめ、地域のネットワーク化に取り組むすべての皆さんにおかれましては、ぜひ、地域の様々なステークホルダーとつながり、顔の見える関係づくりをしていただき、人、金、物、場所、ノウハウ、情報などの社会資源が自然と集まってくる仕組をぜひ構築していただきたいと思います。
それさえできれば、こども食堂は地域のインフラとして根付くことができると思います。
頑張ってください。応援しています。
内田貴之(戸田市副市長、前 埼玉県福祉部企画幹)
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ひとつのこども食堂への助成ではなく、地域でのこども食堂ネットワークへの助成というこの制度そのものが、こども食堂の大きな進化・深化だと感じています。
多くのこども食堂運営者の方々は、フルタイムの有給スタッフではないにも関わらず、それぞれの運営に日々尽力され、さらに地域全体でこども食堂の発展の必要性を痛感し奮闘されており、子ども支援のキーパーソンです。
一方で、みなさんの実践を後押しし、ネットワーク化を着実にすすめるのは、単年度では難しく、継続した助成制度なども必要ではないかと選考に関わって感じました。ぜひ、今後のお取り組みの成果と課題などを教えていただければと願っています。
小河光治(公益財団法人あすのば代表理事)
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今回はこども食堂を地域でネットワークしている団体に、最大で1団体400万円までの助成金をだしました。
こども食堂は誰でも始められます。さまざまな形があります。大人もこどもも、いろいろな人が来る地域のハブになりつつあり、困っている人だけが来る場所でもありません。
しかしその中には待ったなしの「課題」を抱えた人もきます。役所の窓口には来なくても、こども食堂にはくるんです。こども食堂をやっている人たちも多様で、専門家ではない人のほうが多いでしょう。
そんな方達にぽろりと漏らされる「課題」、そして炙り出される長期の課題。迅速に支援に繋げるには、「つながり」が必要です。そのつながりを作っていくのがネットワーク団体です。多くの団体がお申し込みいただき、「点」であったこども食堂が確実に「面」に進化して地域を包み込む、そんな未来を感じる選考でした。
白河桃子(相模女子大学 特任教授、昭和女子大学 客員教授、東京大学 大学院情報学環客員研究員、ジャーナリスト)
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むすびえ理事長 湯浅誠からのメッセージ
こども食堂の地域ネットワーク団体のみなさんを対象に、助成金額の幅もかなり広めにとるという、いくつかの点でむすびえにとってもチャレンジングな「こども食堂基金」となりました。応募してくださったみなさん、ありがとうございました。
都道府県域、市町村域、圏域と、ネットワーク団体にもさまざまな範囲の違いがあり、「○○県ネットワークと△△市ネットワーク」というように、範囲の重なるネットワーク団体もあります。
こども食堂が万能でないように、地域ネットワーク団体も万能でない以上、複数のネットワーク団体が同じ地域を対象に活動することは基本的に望ましいこと、と私たちは考えています。
その上で、こども食堂同士と同じように、できることならそれぞれの違いを認めた上で、互いにリスペクトしあえる関係を結べることを願っていますし、むすびえとしてもそのためにできるかぎりのお手伝いをしたいと考えています(全国団体も2つあり、私たち自身の課題でもあります)。
そのような観点から見た場合、今回の取り組みから、むすびえとしても多くの教訓を学びました。これを今後に活かして、直接支援と変わらない重要性を持ちながらも、なかなか支援を受けにくいネットワーク団体の取り組みを応援していきたいと思います。引き続き、よろしくお願いします。
湯浅誠(認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ)
採択団体の皆様におかれましては、契約書の締結や口座情報のお伺いに関するご連絡を別途差し上げます。手続き完了次第(3月中旬予定)、順次お振込みを開始いたします。お手数をおかけしますが、ご対応の程よろしくお願いいたします。
3月5日(土)に採択団体の皆様に向けてオンラインの説明会を開催しました。当日の録画は採択団体の皆様にメールにて共有しております。助成金の受領や事業の実施に当たり、重要なご案内がございますので、お手すきの際にご確認下さいますようお願いいたします。
問合せ先:2021thirdgrant@musubie.org