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「未来を担う子どもたちと酪農家を繋ぐ」~JA全農(全国農業協同組合連合会)酪農部~

―― プロジェクトの概要

JA全農(全国農業協同組合連合会)酪農部のこども食堂への支援は、2020年5月に関東エリアのこども食堂、フードバンク、厚生連病院に10万本の牛乳を提供したことから始まりました。その後、回を重ねるごとに規模を大きくしながら、2022年3月には4回目の支援を実施。関東だけでなく東北も含めた15都道府県へと対象エリアも広がりました。また、内容も牛乳だけでなくコーヒーミルクが加わり、合計で約30万本をこども食堂に提供。同年3月には、オンライン牧場体験ツアーを実施し、新しい支援活動も始まっています。

当プロジェクトの主管部署である、酪農部生乳課生乳流通対策室の戸川美子さんにお話を伺いました。

―― 支援しようと思ったきっかけを教えてください。

もともとは2020年3月から5月にかけて、全国でコロナ禍による一斉休校が起こったことがきっかけです。学校給食は国内の飲用牛乳の10%以上を占める大切な需要であり、休校になることで、生乳が廃棄されることが心配されました。当時は家庭需要が伸びることで、そのような事態にはなりませんでしたが、一方で給食がないために、家庭で十分に栄養をとれていない子どもたちがいることをニュースで知りました。学校給食に牛乳を届けることは、大きな需要先であることと同時に、将来を担う子どもたちの身体づくりを支える大切な役割だと考えています。ニュースを見て、何かできることはないかと考え、こども食堂への牛乳の無償提供を決めました。その後、休校の期間だけではなくて、冬休みと春休みにもやってみようということで、過去4回実施しています。むすびえさんとは2回目の無償提供から協同するようになりました。それまでは、個別にこども食堂へ連絡して手配をしていたので大変でしたが、今はむすびえさんがこども食堂の取りまとめをしてくださっているので、とても助かっています。

―― 支援に対しての想いや、実際支援している中で感じていること、具体的なエピソードなどを教えてください

実施してみると、これまで牛乳の提供はあまりなかったようで、大変喜んでいただけました。私たちは普段、消費者の声を直接聞く機会があまりないのですが、提供後、メールや手紙で子どもたちの反応をお知らせいただくことも多く、支援の励みになっています。2022年3月に初めて実施した「オンライン牧場体験ツアー」では、画面上ではありますが、子どもたちの顔を直接見ることができて嬉しかったですね。少しでもリアルな牧場を感じてもらおうと、事前に牧草や乳牛の糞が原料である堆肥を送り、牧場のにおいや空気を感じてもらえるような工夫をしたところ、「実際に牧場に行きたくなった」「初めて機械で乳しぼりをするところを見た」など多くの感想をいただくことができました。子どもたちと酪農家が直接繋がることができ、とても意義のある経験となったと思います。

―― 今後こども食堂やむすびえとどのようにかかわっていこうと考えていらっしゃいますか。

「オンライン牧場体験ツアー」は、継続的に夏休みや冬休みなどで開催していきたいと考えています。また、全農では牛乳に限らず、様々な食材を取り扱っているため、フードロスの問題への対応も含め、全農として貢献できることはまだまだあると感じています。さらに、支援に対して私たち宛てに感謝の声をいただくことが多いのですが、後継者問題や需要の低下等で苦労している酪農家の方たちにその声を届けることで、この活動を酪農の未来にも繋げていきたいと考えています。

―― むすびえメンバーより

「こども食堂からのお礼を酪農家の方々に伝えたい」という全農さんのお話には目から鱗でしたが、目の前の食品の背景にある生産者の想いを子どもたちに伝えていくことは、食を通じて人と人とが繋がる点でとてもこども食堂らしい活動のように思えます。ぜひ一緒に取り組んでいきたいですね。

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