2020年度は、コロナにはじまり、コロナに翻弄されながらも、現場で奮闘するこども食堂の皆さん、ご支援者の皆様からのあたたかいお気持ちに励まされながら、私たちも活動をすることができた一年となりました。日々、悩みながらの活動ではありましたが、それでもこうやって無事に活動のご報告することができますこと、皆様に感謝申し上げます。
2020年度活動報告・決算はこちらからダウンロードができます。
むすびえ理事長・湯浅から、皆様へ。
こども食堂およびむすびえの活動にご理解・ご協力いただいている皆様、いつも本当にありがとうございます。
ここに「むすびえ活動レポート2020」をお届けします。
2020年は世界史に残る一年となりましたが、むすびえにとっても大きな変化の一年でした。新型ウイルスは、お互いに距離をとるよう人々に強い圧力をかけましたが、その力は同時に「だからこそ、つながりたい」と人々の気持ちを奮い立たせることにもなりました。それを行動で示した代表格が、こども食堂の人たちだったと私たちは受け止めています。約半数のこども食堂が、活動形態を変えてでも人々とつながろうと尽力されました。
むすびえは、そのこども食堂の人たちの奮闘を応援すべく、活動してきました。居場所の再開、物資の仲介、資金の支援、感染症対策のノウハウ伝授……大規模に展開するプロジェクトから、参加者の気持ちを大切にする小規模のミーティングまで、力不足は明らかだったものの、あらゆるテーマや手法について私たちの考えつくかぎりでのサポートをすべて行ってきました。本レポートは、その軌跡を記しています。
コロナ禍に向き合う私たちの基本姿勢は「今日をしのぐ、明日をひらく」でした。厳しい中でもこども食堂の灯火が細らないよう今できることを行いつつ、それが同時に明日(未来)を切り開くタネとなるよう、意識してきました。実際、コロナ禍を契機につながった企業や行政との連携・協力関係は今後に生きるでしょうし、生かしていかなければなりません。
万が一5年後にまた大規模災害があったとして、そのとき自治会も高齢者の居場所も、お寺もコンビニも、ふだん「つながり」を重視している人たちが、今回のこども食堂のように食材・弁当配布を行ったら……私たちの社会はきっともっと「大変なときにはみんなで支え合おう」という雰囲気に満ちたあたたかくてやさしい社会になるのではないか――そんな未来をみなさんと一緒に思い描けることを願っています。