わたしの遺贈寄付ジャーニー
「誰かの役にたちたい。今は微力のため、せめてこの世を去った後に何か貢献できることがあれば……」
と遺贈寄付を選択された、中村まさえ様の想いをご紹介していきます。
私は幼少期、当時は治療法がない難病に罹患したことがあり、そんな経験からか若い時から遺言書的な自分の意志を残すものを書いていました。
病弱だった幼少期
私の家族のことも、遺贈寄付を考えることになった大きなきっかけです。
家族に事情があって、周囲に相談ができる環境ではありませんでした。もし当時、近所にこども食堂があったら自分も行っていたかもしれない。
そんな環境を大きく変えたくて、大学への進学をきっかけに家を出ました。
23年前に母が亡くなり、毎週地方の実家に帰って遺品整理や相続の手続きをしたんですけど、本当に大変だったんです。どこに銀行口座を持っているかわからず、相続の手続きをするために銀行を何か所も回らなければなりませんでした。それに加えて家の遺品整理も大変で、結局3か月ほどかかってしまい、自分の時は絶対にこんなのはダメだと思いました。その後、父も亡くなりましたが、やはり1か月半くらい仕事を休み、遺品整理や相続の手続きをしました。
そのような経験から、私に何かあった時には妹がやることになるだろうけど、妹にはそのような大変な思いをさせたくない、自分のことは早いうちから準備をしたいと思うようになりました。
会社勤めをしていた頃
2020年にコロナ禍で多くの方が亡くなりましたが「明日死ぬかもしれない」という危機感がいよいよ現実的になり、これではダメだと思って具体的な身辺整理について調べ始めました。
少しコロナ禍が緩和されてきた時に、知り合いの弁護士に「遺贈寄付を考えてるんだけど、できないかな?」と聞いてみたら、業務でやっているというので、実際に行動に移すことになりました。相談後はスムーズに手続きをしてくれて、その寄付先候補の一つが「むすびえ」だったんです。
その時は知りませんでしたが、私が「寄付します」と紙面に書いているだけではダメで、受け取る側も許諾しないといけないんですね。こういったことも手続きを進める中で知って、勉強になりました。
コロナ禍がきっかけで遺言書を作成した、
と語る中村様
私が作成したのは自筆証書遺言なんですけど、何かあったら家庭裁判所に認めてもらわないといけないし、信頼できる弁護士と進められて本当に良かったなと思います。
コロナ禍自体は世の中にとって良くないことだったけど、それによって危機感を感じたこと、知人に弁護士がいて相談できたことが、行動に移すきっかけになったと思います。
寄付先は、子どもにかかわる団体に寄付したいと考えていたため、「子ども 寄付 遺贈」といったキーワードで検索して調べました。いくつかの団体のホームページを見て、書かれている内容をしっかり読んで、内容に共感できるところに寄付を決めました。
「むすびえ」への寄付は、「食材」に活用して欲しいと思っています。深い理由は無いけど、直接子どもたちに届くものが良いなと思い、「食材」だったら直接「彼・彼女たち」に届くから。お菓子や子どもたちのおもちゃとかでも良いと思います。
また、「むすびえ」の担当者からお誘いを受けたことがきっかけになり、こども食堂でお手伝いをさせてもらったり、フードパントリーでボランティアをすることができました。子どもたちがいっぱい来るんですけど、本当にすごいかわいいんです。
さのだい子ども食堂キリンの家にてボランティアを体験。前列左から1番目が中村様
私のような独り身の方は、自分の意思を残しておくことがとても大切だと思います。特に遺産を寄付したいと思っていらっしゃるのなら、「むすびえ」への寄付でなくても、何かしら残しておくべきです。
本当に独りの人と、家族と疎遠になって独りになっている人がいると思うんですが、没後の遺品整理や相続の手続きは親族しかできないから、疎遠であっても最終的にはその人たちに連絡が行きます。
私はそういった迷惑を親族にかけたくないと思い、行動しました。
普段は自分の死後のことを考えることもないと思うし、若い人はなおさらわからないでしょう。でも最期が近くなればなるほど、こういった想いや考え方がわかってくるかもしれません。
私はコロナ禍で大物お笑いタレントの訃報を聞いて、自分も明日死んでしまうかもしれない、なんとかしないといけないという思いが強くなりました。何かあった時に自分の意思とは関係ないところに遺産がいってしまうのは嫌だなと思っていたので、遺贈寄付の遺言書を作成したことで不安が減り、今は本当にすっきりとした気持ちです。
丁寧に言葉を選びながらインタビューに応じてくださいました
遺贈寄付専用ダイヤル
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