10/21、「令和元年度子ども食堂実践者研修会・交流会」が開催されました。
当日は、こども食堂運営者の方、ネットワーク団体、自治体、ロータリークラブ、
企業と多様な方々、95名が参加。
講演とシンポジウムの後に現状の共有などを行う交流会が行われました。
研修会のスタートは、「子ども食堂と地域のつながり」と題し、
むすびえ理事長の湯浅誠よりお話をさせていただきました。
「多世代交流拠点として広がるこども食堂。子どもたちの笑顔を生み出すだけでなく、
『にぎわいづくり・地域活性化』、『孤食対応』、『子育て支援』、
『高齢者の健康づくり』、『貧困の連鎖をたちきる』という5つの効果を地域に生み出している。
この真ん中に位置するのが多世代交流拠点である『こども食堂』。」
と、こども食堂の多岐にわたる機能と広がる可能性についてお話しました。
続いてシンポジウム。
名古屋市南区「ほんわか食堂」の松土敏子さん、
知立市「ちりゅっ子かふぇ magocoro」の石橋裕子さん、がシンポジストとしてご登壇。
コメンテーターとして、あいち子ども食堂ネットワーク 共同代表の杉崎伊津子さん、
コーディネーターとして、湯浅が登壇しました。
名古屋市南区「ほんわか食堂」は、約8年前から地域の高齢者向けのたまり場づくりとして、
「お食事サロン」を開催されています。
子育て世代のたまり場「ゆめっこ広場」も同様に月1回開催されていました。
そんな中、一人で食事をしている子がいることを知り、
2016/12/27に子どもだけで入ることができる食堂「ほんわか食堂」がオープンしました。
会場は、名南病院。
院内の医師と一緒に勉強する学習支援も合わせて行われているそうです。
夏休みには、宿題をしながら、お昼ご飯を食べてみんなでわいわい過ごす、
「ほんわかパーク」を5回開催されたとのこと。
近くの小学校では、チラシの掲示の許可もいただき、
地域の方々も協力的に取り組みを進められているそうです。
続いて、「ちりゅっ子かふぇ magocoro」は、
「子ども食堂って知立市には、無いよね?」、
「私達でもやれるのかな?」というお話を石橋さんがポツっとされたことがきっかけで動き出したそう。
何をどこから始めようか…と思っていたとき、たまたま石橋さんがお勤めになる会社で、
「“こども食堂の輪!全国ツアー”公式パンフレット/活動ガイドブック」を発見されたとのこと!
「こども食堂のつくり方講座 基礎編」を読みながら、目に止まったのは、
「こどもに関わるあらゆる人に相談してみてはいかがでしょうか」という言葉。
すぐに石橋さんは、動き出し、市役所、社会福祉協議会、保健所に足を運び、
あいち子ども食堂ネットワーク共同代表の杉崎さんに辿り着きました!
杉崎さんは知立市にて勉強会を開催してくださり、
「やるしかない!」、「自分たちで始めるしかない!」と強い意志のもと、動き出しました。
石橋さんの熱意に賛同され、地元の自治会長さんもご協力くださっているとのこと。
今後も「気づきの受け皿となれるように」と、運営の継続とさらなる発展を目指されています。
あいち子ども食堂ネットワークには、140カ所の子ども食堂のうち70カ所が登録。
「松土さんや石橋さんが取り組まれているように、
地元団体や学校機関の協力を得ながら今後も活動を推進していきたい」
と、杉崎さんはお話されました。
その後、交流会が行われ、参加者が7グループに分かれてディスカッション。
運営者の方、社会福祉協議会、自治体、ロータリークラブ、
企業の方など多様な団体が一つのテーブルを囲み、こども食堂の今後について話し合いました。
企業の方からは、
「正直、こども食堂は子どものためだけだと思っていた。
こんなにも多世代の人にとっていい空間なんだということをもっともっと発信していきたい。
大人が『こども食堂』のことを知る機会をつくっていきたいですね」という発言がありました。
ロータリークラブの方からは、
「私たちにどんどん声をかけてください。できることを一緒にできればと思っています」
と心強いお言葉をいただきました。
運営者の方の想いから様々な機関や人のつながりで広がっていくこども食堂の活動。
「連携」、「つながり」がどうやって生まれるのか。
それは、やはり日々の積み重ね。
顔を合わせて、会話をして、お互いにできることを出し合い、話し合うこと。
「これに尽きる…。」と改めて実感する時間となりました。
そのためには集まる機会がなければならない。
そしてそのような機会に足を運んでみないと始まらない。
愛知県の方々のパワーとこども食堂への熱い想いを感じる日。
「令和元年度子ども食堂実践者研修会・交流会」のご報告でした。
むすびえ 葛西 優香