認定NPO法人
全国こども食堂支援センター・むすびえ

むすびえ寄付法人アンケート結果(2025年)の概要発表


むすびえは、これまでむすびえへご寄付いただいている法人の皆さまへアンケートを実施しました。2024年に引き続き2回目となります。

 多くの寄付法人の皆さまのご協力のおかげで、大変参考になる示唆をいただきましたので、アンケート結果から一部を抜粋してここに紹介いたします。

1.アンケート実施概要

◆実施主体 :むすびえ
◆実施対象 :これまでむすびえへご寄付いただいている法人のうち約760社
◆実施時期 :2025年11月~12月
◆実施方法 :オンラインアンケート(マクロミル社Questantによる)
◆回答数  :166法人(回答率22%)
◆実施目的 :①寄付法人の声をむすびえの活動へ活かす
       ②むすびえの企業・団体との協働事業の社会インパクトを測る
       ③むすびえの活動による法人の変容を社会に知らせて、こども食堂支援の輪を広げる

2.寄付法人アンケート結果の摘要

(1)むすびえ寄付法人によるこども食堂の認知経路は、テレビ、ウェブサイトにならんで勤務先・仕事での情報入手も大きい

*グラフ作成:Questant。以下同様。

こども食堂を知った認知経路として、「テレビ」48.8%と「新聞」20.8%を合わせると、いわゆる伝統的メディア経由が69.6%でした。次いで多かった「ウェブサイト」42.9%と「SNS」10.1%を合わせると、インターネット経由が63.0%でした。「勤務先・仕事を通じて」42.9%も同様に多く、こども食堂を認知する経路として、法人内での情報交換も大きいことが分かりました。「家族・友人・知人等から」6.0%と「実際に近所等で見かけて」4.2%も合わせると53.1%と、口コミや見聞きによってこども食堂を知った法人担当者も少なからずいました。

 これらの傾向は概ね昨年実施したアンケート調査の結果と同様でしたが、「勤務先・仕事を通じて」が昨年調査の20.0%から42.9%へと倍増していました。法人内での支援先検討の際に、こども食堂の名が挙がるケースが増えているのかもしれません。

 なお、むすびえが実施した個人向けアンケート「2025年度こども食堂に関する認知調査」では、個人の方がこども食堂を知った認知経路は、「テレビ」と「新聞」あわせて94.2%と圧倒的に多く、「ウェブサイト」と「SNS」あわせて23.5%と相対的に低い比率でした。*

*個人向けアンケートは、回答者の支援の有無を問わない。また設問が「あてはまるものを全て選択してください」であり単純比較はできない。

(2)こども食堂の利用者イメージは、「誰でも」6割:「特定の人たち」4割。「どなたでもどうぞ」の認知が法人担当者に広がっている

こども食堂のイメージについて、「子ども・保護者・大人・高齢者など、誰もが利用し食事ができる場所」48.2%、「経済状態に関わらず利用し食事ができる場所」10.7%と、利用者を特定しない「どなたでもどうぞ」のイメージを持つ法人担当者が6割弱でした。一方で、「子どもだけ」10.7%、「生活困窮者世帯だけ」7.1%、「主にひとり親世帯」23.2%といった特定の人たちが利用する場所というイメージも4割強ありました。これらの傾向は概ね昨年同様でした。

なお前掲のむすびえが実施した個人向けアンケートでは、「どなたでもどうぞ」が4割強、「特定の人が利用するところ」が6割弱でした。ちなみに、むすびえが実施した「こども食堂の実態・困りごと調査2025」において、こども食堂運営者にこども食堂の参加条件を聞いたところ、「年齢や属性による参加制限を設けていない」が72.1%と「どなたでもどうぞ」が7割強でした。法人支援者では多世代が集まる地域の居場所という理解が進んでいることが分かりました。

(3)むすびえを通じてこども食堂を支援した理由は、子どもや社会や未来への投資および目の前の社会課題への支援

むすびえに寄付・支援した理由は、「子どもを支援したいと思ったため」68.5%、「日本社会や子どもたちの未来に向けた支援(投資)をしたかったため」56.5%と、子どもや社会や未来への投資を理由とする回答が多くありました。法人として子どもや社会や未来への投資を通じた経済的な長期リターンも合理的に見通している可能性も考えられます。ちなみに、日本ファンドレイジング協会編の『寄付白書2025』によると、「寄付は未来の社会への投資だと思う」「どちらかといえばそう思う」と考える人の割合が前回調査比7.1ポイント増加して58.9%まで上昇し、「寄付は未来の社会への投資」という意識が確実に高まっているとされています。

一方で、「生活の苦しい子どもやその親を支援したいと思ったため」41.7%、「地域の居場所づくりの支援をしたいと思ったため」32.1%と、目の前の課題への支援を理由とする法人も少なくありませんでした。喫緊の課題解決と長期的社会変容の両方を見据えながら、こども食堂とむすびえに寄付・支援いただいたものと考えられます。

(4)8割超の法人が、「こども食堂への理解」「社会課題への理解」や「社会課題の解決に向けた事業・活動意欲」が高まったと回答

むすびえは、ミッションとして「こども食堂を通じて、多くの人たちが未来をつくる社会活動に参加できるようにします」を掲げており、寄付・支援法人が、こども食堂を支援することに加えて、こども食堂を通じて未来をつくる社会活動に参加しながら、法人自らも変容することで、その先に社会変容が起こることも目指しています。

寄付・支援法人のこども食堂への支援・参加を通じた社会課題に対する認識・行動の変容を聞いたところ、以下のことが分かりました。

「こども食堂への理解」は、「非常に高まった」35.7%と「高まった」50.6%を合わせて86.3%と、8割台半ばの法人が「こども食堂への理解」を高めていました。

「社会課題に関する理解」は、「非常に高まった」29.8%と「高まった」50.6%を合わせて80.4%と、8割の法人が「社会課題に関する理解」を高めていました。ちなみに、「理解が高まった社会課題」として最もあてはまるものを5つまで聞いたところ、「こどもの居場所や地域の居場所の減少」67.3%が最も多く、「こどもの貧困問題」66.7%、「地域のつながりの喪失」45.8%、「ひとり親家庭子育て支援」45.2%が続きました。地域の居場所・つながり・貧困・ひとり親問題といった社会課題への理解が高まっていました。

設問.こども食堂への支援・参加を通じて、「理解が高まった社会課題」として最もあてはまるものを5つまで選んでください。

「社会課題の解決に向けた事業・活動意欲」は、「非常に高まった」32.1%と「高まった」48.8%を合わせて80.9%と、8割超の法人が「社会課題の解決に向けた事業・活動意欲」を高めていました。

社会全体としてのこども食堂への支援の増加によって、「地域の社会関係資本*が増加し継続・拡大」していると思うかについては、「大きく増加し継続・拡大した」11.9%と「増加し継続・拡大した」63.1%を合わせて75.0%と、社会関係資本の拡大という社会変容については、これから進むであろう伸びしろも見ていることが分かりました。

*社会関係資本(ソーシャルキャピタル)の例:つながり、にぎわい、安心、共助等

また、むすびえは、自らの活動による社会インパクトを測って活動を改善するために、インパクト・マネジメント(IMM:Impact Measurement & Management)を取り入れた運営を行っています。その一環として、事業・領域ごとやプロジェクトごとにロジック・モデルを作成して、むすびえの活動から生みだすアウトプットを通して、どのようなアウトカム(社会や受益者の変容)を産み出したいかを可視化しています。「企業・団体との協働事業」のロジックモデルにおいては、私たちの活動を通して、「法人によるこども食堂支援が増加する」ことだけでなく、その先に「地域においてヒト・モノ・カネ・情報の直接資源の寄付・支援の量が増える」こと、さらに「企業・団体のこども食堂や社会課題解決に対する理解・支援意欲・活動意欲が高まる」ことや「地域の社会関係資本が増える」ことをアウトカムとして設定しています。引き続き、法人の皆さまと協働させていただくことで、社会課題解決が進むよう努めてまいります。

(5)5割の法人が、むすびえの他にもこども食堂やこどもの居場所などへ寄付・支援

「むすびえの他に寄付・支援をしている」50.0%、「むすびえの他に寄付・支援をしていない」50.0%と半々でした。昨年の結果は、「している」42.4%、「していない」57.6%でしたので、むすびえ以外を通したこども食堂への支援が拡大していることがうかがえます。地域のこども食堂や子どもの居場所を含む、むすびえ以外への寄付が増えて、多様な社会活動アクターへ寄付が広がり、日本に寄付文化が広がる起点の一つにむすびえがなっていれば幸いです。

ちなみに、むすびえの2024年度のこども食堂支援は、資金支援先件数3,914団体、助成金額合計6億9,600万円。物資支援先件数10,532団体、物資支援売価換算4.7億円相当でした(「むすびえ2024年度活動報告書」より)。

(6)「むすびえの活動全般への満足度」9割超

むすびえの活動全般については、「非常に満足」39.3%、「満足」51.8%を合わせて91.1%であった一方、「どちらでもない」が8.3%でした。

コメントとしては、「応援しています。利用者の喜ぶ姿が見られればうれしいです。」「支援の手が現場の子ども食堂に届く様にお願いします。」「今後も弊社社員の支援者を増やせるよう努力して参りたいと思います。」「こどもの貧困問題の対策について、政治家に直接、或いはメディアを通じて間接的に働きかけることもできたら良いなと思います。」「こども食堂は一般の方々にとって、最も信頼できるこども支援活動との認知が高まっていると思います。今後も、さらに活動を活発化してください。」などの声をいただきました。
なお、昨年調査では、「非常に満足」41.2%、「満足」47.1%と合わせて88.3%、「どちらでもない」11.8%でした。
できることを少しずつではありますが、法人支援者の皆さまとの協働の質と量を改善することで、満足度をさらに上げていくよう引き続き精進してまいります。むすびえのビジョン「こども食堂の支援を通じて、誰も取りこぼさない社会をつくる」の実現に向けて引き続き協働させていただく中で、忌憚のないご意見をいただければ幸いです。

アンケート回答にご協力いただいた寄付・支援法人の皆さま、およびすべての支援者の皆さまにあらためて感謝いたします。
アンケート結果から得られた示唆をむすびえの今後の活動に活かしながら、こども食堂を通じたビジョンとミッションの達成に向けて、皆さまと一緒に引き続き歩んで参ります。

お問い合わせ先:企業・団体との協働事業 法人アンケート担当
pj@musubie.org