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こども食堂に参加する子どもたちの変化を“見える化”! むすびえ初「こども食堂への参加者の変化を捉える定量調査」分析結果

むすびえは2023年度、「こども食堂への参加者の変化を捉える定量調査」を、初めて実施しました。
これは、「こども食堂がそこに訪れる子どもたちや保護者の方々に、どのような影響をもたらしているのか」を、数字で示すことを目指したものです。

私たちはこれまで、こども食堂に訪れた方々の変化のエピソードを発信するワークショップの開催などを通して、「食べるだけじゃない」こども食堂で起きていることを発信してきました。

加えて今回は初めて、こども食堂に訪れる子ども・保護者の変化を、数字で(定量的に)捉える調査にチャレンジしました。「こども食堂から距離のある方たちの中には、数字を伝えることでこども食堂への理解を深めてくれる方々がいる」と考えたためです。

そこで、昨年度はその第一歩として、限定的な地域(沖縄県・大阪府堺市)のこども食堂さんに協力をいただき、参加者へのアンケートを実施しました。その結果、延べ約1,700人の回答を得ることができ、主に以下のことが明らかになりました。

◎こども食堂への参加回数の多さ・参加期間の長さと、こども食堂への安心感の高さ・他者への信頼感の高さが有意に相関

こども食堂への参加回数が6回以上だったり、参加期間が1年以上だったりすることと、こども食堂への安心感の高さ・他者への信頼感の高さとの間に、統計的に有意な相関関係が見られました。
具体的には、こども食堂への参加回数が6回以上の場合、「こども食堂は安心できる場所」「こども食堂に本音を話せる人がいる」と感じる子どもは相対的に多いという結果になりました。また参加期間が1年以上の場合は、「こども食堂に悩みを相談できる人がいる」「こども食堂に困った時に助けてくれる人がいる」「こども食堂に本音を話せる人がいる」「他人もある程度信頼できると感じる」という子どもが相対的に多くなり、保護者の回答でもほぼ同様の傾向が見て取れました。

※表の数字や記号の説明については、最終報告書(P14-15、P73)をご参照ください。

◎こども食堂への参加回数の多さ・参加期間の長さと、子ども・保護者の社会性の高さが有意に相関

こども食堂への参加回数や参加期間と、「自分は誰とでもすぐに仲良くなれる方だと思う」という回答への肯定度の高さの間に統計的に有意な相関関係が見られました。この背景には、参加者自身が他者とのコミュニケーションを積極的にとれる、あるいは他者に積極的に働きかけられる、交流できる自負・自認のあることが伺えます。それを「社会性の高さ」と表現しました。

◎こども食堂に通うことで、つながりが増える

調査では、同じこども食堂で二度調査を行い、第1回と第2回の回答者を紐づけ、変化を追えるようにしました。回答を紐づけられた子どもについて、「こども食堂がきっかけで話すようになった人」の数を 第1回調査と第2回調査で比較したところ、第1回調査時点よりも、第2回目調査時点で「話すようになった」人数が増えた子どもは、「同じ学校・同じ学年」の場合は44%に上るなど、つながりが増えていることがわかりました。

◎こども食堂への信頼感はおしなべて高い

こども食堂が、ほっとしたり安心できたりする場所かどうかを尋ねたところ、「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」と肯定的な回答をした子どもが第1回、第2回ともに89%にのぼるなど、こども食堂への信頼感は高くなっています。

詳しい調査結果などは、以下の資料をご参照ください。
※最終報告書(概要版・全9ページ)
※最終報告書(全88ページ)


関連調査:アーティスト派遣報告書

今回の調査に関連して、こども食堂へアーティストが訪問し、子どもたちがいろいろな音に触れたり自分で音を表現する体験プログラムを実施しました。また、上記と同じアンケートを実施した他、当日のプログラム内容やそれに対する子どもたちの様子から考察されることを以下の通りまとめました。合わせてご参照ください。
※アーティスト派遣報告書

以下は、アンケートの自由欄に寄せられた子どもたちのイラストです。
子どもたちにとっての「こども食堂」を知るヒントになるかもしれません。
※(おまけ)子どもたちのイラスト集


「こども食堂への参加者の変化を捉える定量調査」にご協力いただけるこども食堂様を募集します。

2024年度は、同様の調査を全国のこども食堂を対象に実施する予定です。
つきましては、こども・保護者へのアンケートを実施してくださるこども食堂様を募集いたします。

以下のリンクより、ぜひ詳細をご覧ください。
https://musubie.org/news/9202/


【本件問合せ先】
認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
「こども食堂への参加者の変化を捉える定量調査」窓口
E-mail:QR_kodomo@musubie.org

 

 

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