★2021年2月9日、2023年12月14日に一部数値の訂正を行いました。確定値につきましては、下記をご覧ください。
2019年に3,718箇所に達していたこども食堂が、2020年、少なくとも5,086箇所に達していることが確認できました。コロナ禍(2020年2月以降)でも増えていました。
人々のつながる力の強さを感じます。
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発表資料
(資料1)こども食堂全国箇所数調査2020結果のポイント
(資料2)都道府県別箇所数・充足率一覧
(資料3)コロナ禍の影響に関する各県コメント
(別表1)都道府県別回答団体・調査対象期間一覧
(別表2)都道府県別真の充足率内訳と主たる増加市町村
※むすびえ調査研究ページにも掲載してあります。
【ポイント】
[箇所数]
・こども食堂の箇所数は5,088箇所。
・前回発表時(2019年6月26日)より、1,356箇所増。
・コロナ禍(2020年2月以降)も、少なくとも184箇所の新設が確認。
・2018〜2019年の1,423箇所増(過去最高)に次ぐ増加数。
[都道府県別箇所数]
・箇所数最多は東京都616箇所(2020年3月時点)。2位神奈川県418箇所(10月)、3位大阪府357箇所(10月)。
・最下位は島根県18箇所(7月)、46位富山県22箇所(10月)、45位秋田県23箇所(10月)。
・昨年比では、上位1〜3位は変わらず(昨年は東京、大阪、神奈川の順)。下位47〜45位は島根が入り、青森・山梨は脱出(昨年は秋田、富山、青森・山梨)。
[増加数・増加率]
・45都道府県で増加。減少は岐阜(10箇所減)、島根(3箇所減)の2県。
・増加数トップは神奈川県165箇所(2019.4-2020.10)、2位東京都128箇所(2019.5-2020.3)、3位埼玉県81箇所(2019.2-2020.8)。
・増加率トップは青森県243%増(2019.3-2020.10)。2位愛媛県144%増(2018.7-2020.11)。3位山口県127%増(2019.4-2020.10)。
・3倍以上増は青森県のみ。2倍以上増は岩手、秋田、山口、愛媛の4県。
[真の充足率]
・真の充足率トップは沖縄県48.13%。2位は滋賀県43.64%、3位鳥取県38.14%。
・真の充足率最下位は徳島県7.89%、46位島根県8.00%、45位長崎県8.26%
・全国平均は19.18%。
・真の充足率33.3%以上(3つの小学校区に1つはこども食堂がある)は4県(上位3県+東京都)、25.0%以上は11県(上位4県+長野、大阪、京都、神奈川、香川、宮崎、高知)、20.0%以上は19県、10.0%以上は43県。10.0%未満は4県(下位3県+岐阜県)。
[まとめ]
コロナ禍で、多くのこども食堂は一堂に会する形での居場所を開けなくなった(むすびえの9月(9月20〜28日実施)アンケートで24.0%)。
https://musubie.org/wp/wp-content/uploads/2020/10/musubie_Q3_sheet_1020_02.pdf
しかし多くのこども食堂が食材配布・弁当配布などに形を変えて活動を継続した(同調査で各51.2%、52.0%(複数回答可))。つながりつづける意思を優先させたためである。
ここまではわかっていたが、箇所数そのものが2019年と比べてどう推移しているかはわからなかった。今回、コロナ禍以前の期間を含むものの、1,356箇所増と判明した。コロナ禍(2020年2月以降)でも少なくとも184箇所の増加が確認された。
居場所を求める人たち、地域の交流を求める人たち、それに応えようとする人たちの動きは止まっていない。
フィジカル・ディスタンスが唱えられる中でも、人々はつながろうとし、意欲だけでなく実践している。私たちの社会には、そのような復元力(レジリエンス)がある。
この人々の底力が、アフターコロナにおいてさらに力強く、撓んだバネが力強く跳ね返るごとく開花するように、むすびえとして今後も、あらゆる分野の人たちと協働して、引き続きコロナ禍におけるこども食堂の活動を支援する。
同時に、政府を含むすべての人々が、こども食堂や居場所をつくる取組みに現れた人々の意思と行動力に寄り添ってくれることを求める。
今日をしのぎ、明日をひらくために。