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【「Gaccom・むすびえ こども食堂マップ」先行リリース】  全国すべての小学校区でこども食堂の「ある/なし」が一目でわかるマップを作成 〜地域の人たちが「うちの学区」を点検できるために〜

このたび、むすびえでは、学校教育情報サイト「ガッコム」などを展開されている(株)ガッコム様と共同で、以下のサイトを開発し、本日先行リリースしました。

ガッコム・むすびえ こども食堂マップ
https://kodomoshokudo.gaccom.jp/

マップの利用イメージ
例)北海道札幌市中央区の状況
・線引きされているのが小学校区
・お茶碗にごはんの図柄が、その学区内のこども食堂数
・図柄にカーソルを合わせると、小学校名が表示される
・資生館小学校区には1つのこども食堂のあることが示されている。

先行リリースしたのは、以下の10県です。
北海道、秋田県、埼玉県、石川県、長野県、奈良県、広島県、香川県、鹿児島県、沖縄県

以下、
・先行リリースに際しての趣旨説明
・使用上のご注意

を載せます。

【先行リリースに際しての趣旨説明】

こども食堂は、全国に4000箇所以上あり、多くの人に子どもの居場所、地域の居場所として知られています。他方、行ったことのある人はまだまだ少なく、地域に十分根付いているとは言えない状態でもあります。

むすびえは、こうした居場所がすべての子ども・地域住民がアクセスできるところにある状態の実現を目指してきました。子どもから高齢者までが集う地域の居場所は、子どもの健全な育ちに資するだけでなく、保護者の交流の場でもあり、高齢者の生きがいづくり・健康づくりの場でもある、また孤食・子どもの貧困・虐待といった社会課題を予防する場でもあり、さらには平時のつながり・見守り合う関係づくりを通じて「災害に強い地域づくり」に資する場でもあるからです。

そのため、2018年2019年と全国唯一の全国箇所数調査を行い、都道府県別の箇所数を明らかにするとともに、各県ごとの充足率(こども食堂数÷小学校数×100)を算出してきました(https://musubie.org/project/research/)。

しかし、たとえば「東京都のこども食堂数は488箇所」と聞いても、多くの都民にとっては遠い数字にすぎないでしょう。地域の方たちがより身近な課題として感じ、考えてくれるためには「わが街、わが学区」に「ある」のか「ない」のか、それを明確にする必要があります。

そこでこのたび、全国の学区情報や学校情報を集積している株式会社ガッコムと共同で、全国のすべての小学校区ごとに、こども食堂の有無を色分け表示するマップを作りました。

コロナ禍でオンライン空間が拡充する一方、私たちの暮らしの範囲はよりコンパクトになっています。そのため、歩いていける範囲の地域への目線は、多くの人にとってよりきめ細やかになっているでしょう。自分の暮らす地域が、誰かとつながりたいと思ったときにそのための場がある地域なのか、いざとなったら支えてくれる人のいる、安心して暮らせる地域なのか……コロナ禍という非常事態は、私たちに平時の暮らしのあり方を見つめ直す機会を与えました。本マップは、暮らしのあり方、地域のあり方を見つめようとする視線の先に、一つの素材を提供するものです。

なお、今回調査の対象は、地域の居場所の中でも「こども食堂」に限定していますが、それは純粋に私たちの力量の限界にすぎません。言うまでもなく、地域の居場所はこども食堂に限らず、高齢者サロンもあれば、子育てひろばもあります。誰にでも開かれ、そこで人々の交流と支え合いが花開くような場は、こども食堂以外にも、地域の中に多種多様に存在するはずです。しかし全国という単位で、それらすべての情報を集積し可視化することは、私たちの現在の力量を超えています。それがこども食堂に限定した理由です。

そのため、私たちは全国のみなさん、とりわけ自治体のみなさんに呼びかけます。地域に暮らすみなさん、自治体のみなさんであれば、わが街・わが地域のどこにどんな居場所があるか、その情報を集め、包括的な居場所マップとして、地域の人たちに見えるように示すことができるはずです。それをやりませんか。こども食堂が多くても、他の居場所が少なく、トータルで見ると、まだまだそうした場が必要だ、そう感じられる地域があるでしょう。その逆の場合もあるでしょう。何をもって「居場所」と呼ぶのか、それ自体が議論の対象になってもいいでしょう。

大切なことは、人々がふと「自分の周りにそうした安心できる場所があるのか」と思ったときに、調べられる情報があることです。そして実際に、思い立った人がそうした場を作れる環境があること、そうした場が実際に増えていくことです。

飲食店でもホテルでも、不動産でも車でも、すでに情報は整えられています。誰もが、ふと思いついたときに、近くに今食べられるところがあるのか、買えるところがあるのか、調べることができます。しかし、そうした情報は必ずしも暮らしに必須ではないと、なくても生きていかれると、私たちはコロナ禍で知ってしまいました。逆にないと生きていけないエッセンシャル(本質的)なものは、医療機関であり、保育であり、スーパーであり、公園であり、ちょっとした散歩道であり、そして暮らしを支えてくれる福祉やこども食堂のような地域の居場所でした。しかしその情報の整備は、驚くほど遅れています。

みんなが情報を持ち寄って、知恵を出し合って、自治体ごとの包括的な居場所マップを整えていく。それが飲食店やホテルのように全国規模でプラットフォーム化され、誰もが、ふと思い立ったときに検索し、ふらっと立ち寄り、地域の人たちと出会い、交流することができる。住む場所を探すときに、近くに学校やスーパーがあるのかを調べられるような手軽さで、近くに地域の居場所があるかを調べることができるーーそんなことが「あたりまえ」になった世の中は、きっと今よりも暮らしやすく、安心感がある。私たちはそう考えています。それが同時に、次の厄災に対する備えともなるはずです。

コロナ禍は私たちの暮らしに大きな影響を与えています。それは招かれざるもの、歓迎すべからざるものです。こんなことは起こって欲しくなかった。しかし起こってしまった。起こってしまった以上、そこから過去と現在を見直し、将来をつくっていくのが、本当の意味で新型ウィルスに一矢報いる方法だ、と私たちは考えています。それは、単に「一席開けて座る」ということに止まらない、もっと深いところでの行動変容、考え方の変容を私たちに求めています。それに応える地域と社会を一緒につくっていきませんか?

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【使用上の注意】

・今回の「Gaccom・むすびえ こども食堂MAP」は、小学校区ごとにこども食堂の有無を表示しています。こども食堂名や住所等は掲載していません。より詳しい情報をお知りになりたい方は、当該ページに掲載している役所やこども食堂の地域ネットワーク団体へお問合せください。

・掲載している情報は、むすびえが、関係する全国のこども食堂地域ネットワーク団体や県庁などの協力を得て集めたもので、全数を網羅しているとは限りません。こども食堂の定義は、それぞれの地域の定義にしたがっており、データ収集時期も地域によって異なります(地図に記載)。新たに誕生している/すでになくなっている/活動しているのに掲載されていない、などの更新・修正情報がありましたら、ぜひむすびえまでお寄せください。みなさんの情報を集めて、より正確で充実したMAPにしていければと願っています。

・地域の居場所はこども食堂にかぎりません。ぜひ自治体ごとに地域の居場所を包括する居場所MAPを作成していただくことを願っています。そうした情報の可視化と提供が、自治体による基本的な住民サービスの一つとなる日が早く来ることを、私たちは願っています。包括的な居場所MAPを作成している自治体がありましたら、ご紹介させていただきたいので、ぜひ情報をお寄せください。

・その他、お気づきの点がありましたら、下記までご連絡ください。

【連絡先】
NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
kodomo@musubie.org(担当:湯浅)

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