むすびえでは、こども食堂で出会ったエピソードを共有する公開ワークショップの開催を通して、「こども食堂で起きていること」を各地の地域ネットワーク団体と共に発信してきました。
3年間に渡り全国各地で開催した公開ワークショップの総括として、今回、これまで発信されてきたエピソードをとりまとめ、全体像を分析しました。個々のエピソードを重ね合わせることで浮かび上がったこども食堂での変化のパターンを抽出した結果、こども食堂を通じた変化は子どもだけではなく大人にも生じていること、こども食堂での変化を通して「次の一歩」を支える場になっていることなどが分かりました。
具体的なエピソードの詳細はこちらをご覧ください。
公開ワークショップ「話そう!広めよう!食べるだけじゃない!?こども食堂で起きていること」3ヶ年の開催レポート
https://musubie.org/news/11853/
エピソード分析で対象としているのは、全国各地のこども食堂でのエピソードの内、3年間の公開ワークショップでシェアされた、119のエピソードと、そこで見られた144の変化です。全体を捉えるにはほんの一部ですが、こども食堂で起きている変化の概要を捉えることを目指しました。
◎ こども食堂でであった変化のエピソードは、子どもだけではなく、大人や、こども食堂に参加していない地域の人々についても語られている
エピソードから見られた変化について、変化の主体別にみると、子どもについての変化と、参加者の保護者や高齢者、運営スタッフなどの大人についての変化がほぼ同数となりました。また、こども食堂の参加者に限らず、運営者やボランティア、地域の人々など、こども食堂に参加していない周囲の人々の変化についても語られており、こども食堂を通じた変化が地域の中で生じていることが示されました。

◎こども食堂はみんなの居場所・安心して他の人とつながれる場となっており、そこでの支援する/支援されるという関係は固定的ではなく、誰もが主役になりえる場となっている。
変化のエピソードの9割以上で、安心できる居場所ができた、いろんな人とつながることができたという「居場所・交流の創出」について語られていました。

◎こども食堂でのつながりを通じて、次の一歩、新たな一歩を踏み出すという変化も起こっている。
変化のエピソードで語られたこども食堂は、「みんながつながれる居場所」であり、そこには「助け合える関係」がありました。また、そこでの「支援する」「支援される」が固定的でない関係は、得意なことを生かす活躍の場や進みたい道を発見するという「次の一歩」につながっていることが伺えました。

エピソード分析の詳細はこちらをご覧ください。
【2022‐2024年度エピソード分析報告資料】
※「エピソードワークショップ」の実施ガイド作成のお知らせ
こども食堂で出会ったエピソードを共有するワークショップについて、実施したい地域ネットワーク団体の方向けに、ワークショップ開催についての実施ガイドを作成しました。詳しくはこちらをご覧ください。
【エピソードワークショップの実施ガイドについてはこちら】
※「こども食堂への参加者の変化を捉える定量調査」について
また、こども食堂に参加した子どもたち自身はどう感じているのかでしょうか。むすびえでは、エピソード分析に加えて、こども食堂に参加する子どもや保護者等へのアンケート調査も実施しました。「こども食堂への参加者の変化を捉える定量調査」では「こども食堂で起きていること」を数字で示すことを試みました。詳しくはこちらをご覧ください。
【「こども食堂への参加者の変化を捉える定量調査」の調査報告はこちら】
【本件問合せ先】
認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
エピソードワークショップ担当
E-mail:episode_ws@musubie.org