認定NPO法人
全国こども食堂支援センター・むすびえ

【ご報告】和歌山県にて「こども食堂エピソード大会」・ 「和歌山こども食堂つながるWAとなる展」が開催されました


2026年1月26日(月)、県民交流プラザ和歌山ビッグ愛にて、「和歌山県こども食堂応援ネットワーク エピソード大会」が開催されました。当日は、県内のこども食堂運営者、支援企業、関係機関などが集まり、それぞれの活動の裏側にある「想い」や実践から得られた知恵を共有しました。むすびえも進行・コーディネートとして関わり、現場の声が交差する温かな場となりました。

企業と地域がともに担うこども食堂

大会冒頭では、企業の関わり方の変化について共有がありました。CSRの枠を超え、「地域の当事者」として関わることで、担当者自身の意識が変わり、自分の家族を連れて行きたいと思える場所としてこども食堂を捉えるようになったという声が印象的でした。

また、生協による定期的な物資支援や文化的な子育て支援の取り組みが紹介され、和歌山ならではの「お裾分けの精神」による支え合いの文化がネットワークの強みとして語られました。

一方で、全国で1万カ所を超えたこども食堂が社会的な期待を背負う中、安全・衛生管理やセーフガーディングの重要性も議論されました。行政による一律の評価ではなく、現場に足を運び関係性を築く「ファンづくり」が信頼につながるという視点が共有されました。

4つのエピソードに見る、地域の物語

大会の中心となったのは、4つの実践エピソードです。むすびえのコーディネートのもと、登壇者が現場での経験を語りました。

高齢者の役割が心身を再生させる

長年続く高齢者体操教室から生まれたこども食堂では、調理を担う役割を得た高齢者が生き生きと変化。子どもたちに「おいしい」と言ってもらう喜びが、介護予防にもつながる実践として紹介されました。

企業の歴史を受け継ぐ地域への想い

創業者の地域支援の精神を継いだ運送会社の取り組みでは、食品ロスを地域に還元する仕組みづくりや、「いただきます」「ごちそうさま」を大切にする経営哲学が語られました。

「一番良いもの」を届ける

旬の農産物の提供をきっかけに広がった支援の輪や、地域の生産・流通に関わる皆さまからから「子どもたちには一番良いものを」と新鮮な食材が無償提供されたエピソードが紹介され、支援の質に対する強い想いが共有されました。

支援の形に悩む企業と現場のリアル

「こども食堂とどのように関わればよいか」を模索する企業の葛藤や、訪問や会話といった何気ない関わりが運営者の支えになるという現場の声が語られました。エピソードの共有を通じた対話によって、支援する側とされる側という境界線を超えて地域の人と人とのつながりが紡がれていく様子を肌で感じる場となりました。

現場の知恵が集まるディスカッション

後半では、日々の運営に関するリアルな課題と工夫が共有されました。

メニューによる参加者数の変化、野菜嫌い克服の事例、不登校支援との連動、学校給食レベルの衛生意識を目指す取り組みなど、実践的な知恵が次々に紹介され、参加された皆さん同士の学び合いの時間となりました。

フロアからは、地元企業との関係づくりや支援の継続性についての意見も寄せられ、企業側からも今後の関わり方を模索していきたいとの声が上がりました。

「和歌山モデル」が示すこども食堂の可能性

最後に、「こども食堂は子どもを支えるだけの場所ではない」ということが参加者全員で確認されました。高齢者の活躍の場であり、企業の学びの場であり、親にとっても大切な場にもなる多面的な地域の拠点。そして、これらの動きが制度によって牽引されているのではなく、地域の方々の子どもたちへの温かい眼差しから発し、その思いや共感が所属する組織等の枠を超えて広がっている。そのことをこれからも大事にしていくことが、「和歌山モデル」なのだとまとめられました。

同時に開催された和歌山こども食堂「つながるWAとなる展」は、こども食堂と支援する企業が「ありがとう」を伝え合うことで、地域全体にありがとうの循環が生まれることを目指した取り組みで、子どもたちから企業への「ありがとう」を表現した絵やメッセージカードが、壁一面に張り出されました。

むすびえでは、今後も各地のネットワークと連携しながら、こども食堂の取り組みを応援していきます。


<概要>
テーマ :こども食堂エピソード大会
同時開催:展示イベント「つながるWAとなる展」
日 時 :2026年1月26日(月)13:30~16:00
会 場 :県民交流プラザ和歌山ビッグ愛 1階 展示ホール(和歌山県和歌山市)
主 催 :和歌山県こども食堂応援ネットワーク事務局
協 力 :認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
参加者 :企業・団体関係者、自治体職員、こども食堂運営者など