認定NPO法人
全国こども食堂支援センター・むすびえ
むすびえは公益財団法人日本非営利組織評価センター(略称:JCNE、以下「JCNE」)が運営する第三者認証制度グッドギビングマークを取得し、認証書授与式にて理事長の三島理恵が受領いたしました。
同日、JCNE理事長 佐藤大吾氏と、三島による対談が行われ、NPOにとっての「信頼」や「第三者評価」の意義について率直な議論が交わされました。
▼ 対談の全編動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=_b1qQtIxDRo&t=3s
対談 ~NPOの信頼は、どうすれば社会に伝わるのか~

公益財団法人 日本非営利組織評価センター理事長 佐藤 大吾氏

むすびえ理事長 三島理恵
グッドギビングマーク取得の意義
「信頼の証」が、関わる人への安心につながるように
佐藤氏:
「グッドギビングマーク」取得のきっかけは何だったのでしょうか?
三島:
むすびえは12月に7歳になったばかり。スタートアップではないですが、歴史があるわけでもない段階です。第三者評価機関から適切なガバナンスを行っているという認証をいただくことは、むすびえと関わる方々に安心して活動いただくためにも、重要なことだと考えました。
佐藤氏:
NPOへの期待が高まる一方で、「どの団体を信じていいのか分からない」という声も根強くあります。活動の良し悪し以前に、組織として健全に運営されているかどうかを、社会が判断できる材料が不足しています。そこに第三者評価の役割があると考えています。
三島:
適切な運営をしていると自分たちで思っていても、より多くの方々に知っていただくためには、また、全国のこども食堂や各地域でこども食堂を支える地域ネットワーク団体の皆さんがその地域で信頼を得ながら活動をいただけるようになっていくためには、共通の土台としてグッドギビングマークがあることは大きいと思います。
NPOも、認証制度も、共に育つ
評価する側・される側の垣根を越えて対話を続ける
三島:
助成団体や企業に安心して関わっていただくためにも、この制度がしっかりと継続されることが大事だと思います。そして、団体にとっては運営が健全であるかをチェックしていただく重要な機会になります。
佐藤氏:
グッドギビングマークを取得した団体を助成団体や企業の方々に広く伝えること、そしてこの制度を継続することを大切に考えています。グッドギビングマークに期待することはありますか?
三島:
NPOやチャリティといった活動が裾野を広げていくためには、こういった制度がもっと普及して、社会の皆さんからもっと安心して信頼されるものになることが、社会全体にとって大事だと思っています。認証いただいている立場ではありますが、対話を続けながら制度を一緒に育て、文化醸成にも取り組めるパートナーであれたら嬉しいです。
佐藤氏:
世の中で起こりうるトラブルや不正は日々変化し、すべての事象を団体だけで収集することには限界があります。行政や捜査機関等からも情報を得ていますが、最前線にいるNPOの皆さんに、事例をたくさん共有いただくことで具体的なケースが積み上がり、健全な運営に向けた改善・解決策につなげられると思います。この制度を育てることで、助成団体や企業が安心して支援・寄付できるような環境づくりに力を貸していただきたいと思っています。
三島:
相談できるようなパートナーでいてくださるというのがとても心強いですし、NPOを育ててくださる団体・機関が増えてくれることが本当に嬉しいです。

むすびえ理事長になって ~NPOの経営とは~
佐藤氏:
理事長に着任して6カ月。いかがですか?
三島:
前職(日本ファンドレイジング協会)でも、むすびえでも「トップを走る人と一緒に走る」という立場で活動してきました。NPOでのキャリアは10年以上になりますが、自分がトップになるのは初めてで想像したこともなかったので、最初は葛藤もありました。組織の最終責任者であるということの重みを実感する半年間でした。
佐藤氏:
新たな経営体制についてはどのように考えたのですか?
三島:
創業時から内部で実務も行うメンバーが中心で経営も担ってきましたが、むすびえの組織規模の拡大や、全国でこども食堂が広がるなか、より中立な立場で多角的な視点での経営を重視し、今年度から初めて外部の方に役員に入っていただきました。
いまの組織に必要な専門性や経験、私自身の強みと弱みがあるなかで弱みを補完いただけるチームを作ろうと思い、皆さんに相談して理事会を構成しました。
佐藤氏:
こども食堂や全国の皆さんの反応はいかがでしたか?
三島:
支援者の方には、もしかするとがっかりされるのではないか、という心配がなかったわけではないですが、結果としていろいろな方に関心を持っていただけるようになったことを実感できています。
前任の湯浅さんとの関係性が深かった方はもしかしたら不安もあったと思いますが、こども食堂の現場の皆さんからは、お電話をいただいたり、出張時には懇親会に誘っていただいたり、励ましの声をたくさんいただいています。こども食堂は子育て支援の文脈が強いこともあり、また運営者は女性が中心で活躍していることが多いので、「自分たちと距離感の近い方がなってくれて嬉しい」というお電話をいただいて、そのように受け止めていただけたことも嬉しかったですね。

これからのむすびえ ~より開かれた、創発的に発展できる豊かな活動へ~
佐藤氏:
非営利組織の事業承継は株式会社の事業承継よりも難しいといわれるなか、とてもスムーズに承継できているようにみえますが、いかがですか?
三島:
むすびえがしっかりと社会的な信頼を得て活動を広げ、こども食堂がもっと豊かに広がっていったらいいなと願っているので、しっかりと支えられる組織になっていかなければいけない、まだまだ積み重ねていかなければならないことは多いと思っています。
佐藤氏:
新たな発表などはありますか?
三島:
何かを新しく打ち出すというよりは、組織のなかで心理的安全性が確保され、むすびえで働くひとりひとりが自分の仕事に自信と自負と価値を見出して働けることと、外とのつながりもしっかりと評価していきたいです。
むすびえ自体がこども食堂という現場を持っているわけではないので、自分たちの活動が内向きになってしまうと、あっという間にむすびえという団体の価値がなくなってしまうと思っています。自分たちが閉じたエコシステムにならないよう、しっかりと開いていく。その方が活動が豊かになって、人的交流や組織を超えた、このセクターだからこその支えあい、活動が創発的に発展できると思います。
対談の様子を公益財団法人 日本非営利組織評価センター(JCNE)のHPでもご紹介いただきました
https://goodgiving.jcne.or.jp/news/1479/

グッドギビングマーク制度 について
グッドギビングマーク制度は、高い専門性と豊富な経験をもとにNPOの評価・認証事業に取り組んできた日本非営利組織評価センター(JCNE)が、適切なガバナンスを行っている組織であると認めた「信頼性の証」を示すマークです。
NPOが、認証機関の認証を得ることによって、ステークホルダーからのいっそうの信頼を高め、ミッションの実現にまい進していくことは、世界的な潮流となっています。
2025年12月17日時点で、グッドギビングマーク認証団体は、全国に25団体誕生しました。
https://goodgiving.jcne.or.jp/about/

公益財団法人 日本非営利組織評価センター について
公益財団法人日本非営利組織評価センター(JCNE)は、国内全地域・全分野を対象とした民間唯一のNPO評価認証機関です。2016年の設立以来、1,500件以上の団体を評価・認証し、その知見と経験を活かしてNPOのガバナンス強化を支援しています。2025年には「グッドギビングマーク制度」を開始し、基準を満たした団体に認証を付与。信頼の可視化と寄付・協働の促進を後押ししています。
https://goodgiving.jcne.or.jp