認定NPO法人
全国こども食堂支援センター・むすびえ

【開催報告】2023年度 休眠預金事業(通常枠)実行団体 山口せわやきネットワークが、居場所のインパクト調査 報告会を実施


むすびえは、2023年度 休眠預金事業(通常枠)「居場所のインパクト可視化を通じた地域活性化事業-居場所と地域のエコシステムの同時強化-」に取り組んでいます。(詳細は、プロジェクト紹介ページをご参照ください)

実行団体の一つである認定NPO法人山口せわやきネットワーク(代表:児玉 頼幸)が、(一社)持続可能な地域社会総合研究所(所長:藤山浩)に委託し実施した、こども食堂などの居場所の価値の可視化する調査について報告会を開催しました。
山口県内のこども食堂16カ所を対象にした3回のワークショップを通じて、こども食堂が活動を通じて地域の様々な機関や団体、個人などとつながり、地域にどのような効果(インパクト)をもたらしているかを調査したもので、結びつきの濃淡や広がりを視覚的に明らかにしました。さらにこども食堂の運営者同士が、他のこども食堂の様子を見て、互いに気づき、学び合う場にもなりました。

報告会では、持続可能な地域総合研究所の藤山所長より、山口県の現状からワークショップを通じて明らかになった以下のポイントについて説明がありました。

  • 地域の機関や法人、団体の一つ一つが地域社会の構成者で、生態系を形作っている
  • 今回のワークショップや調査を通じて、その広がりが見える化された
  • こども食堂には、他の既存の組織団体にないつながりがあることが分かった
  • 具体的には、幅広い分野(子育て・教育、コミュニティ、福祉・医療、農林漁業、防災 ※図の横軸)、広範囲の地域(自治会、地区、市内、市外 ※図の縦軸)、多くの年代(乳幼児から高齢者)への波及効果がある
  • 個人レベルでは数名のキーパーソンがハブとなり、地域の隅々まで関係を広げている
  • 人間には心地の良いサードプレイスが必要
  • しんどい方をサポートするだけでなく、活躍の場を作ることが大事で、そうした場になっている
  • 小さな力を紡ぐ「コンマXの社会技術」(小さな底力をつなぎ、活かす)の開発と実装が必要
  • こども食堂はその一部を担っており、こうした地域の事務局機能を支えることで、地域が活性化する


また、周南市鹿野でこども食堂「鹿野ふらっと食堂」を運営する岡崎麻衣 氏が、周南市を中心に地域の看護師「やまのナース」として、地域の高齢者への訪問や見守りを通じて新たな訪問型の居場所づくり「おでかけえんがわ」を行った取り組み報告も行われました。

おでかけえんがわとは

  • 月に1~2回、拠点と対象の方に合わせて1.5~3時間で開催
  • 隣近所が顔を合わせて情報交換ができるお茶会
  • 多職種(看護師・保健師・地域包括・社協・医師学生など)と地域が混ざり合う場所
  • 健康や子育ての不安も気軽に相談できる場所
  • 見守る方も見守られる方もふら~っと来れる場所
  • 安心できる多世代交流の居場所が「いつもの場所」に


5カ所での取り組み事例が紹介されたほか、今後の計画が報告されました。計画では、こうした活動を広げるために県内3カ所でコーディネーター・サポーターの養成講座を開催すること、さらに活動の検証として参加者アンケートの実施が紹介されました。

2024年度のワークショップ等を通じた調査に続き、2025年度はさらに特徴のあるこども食堂の追加調査、昨年調査したこども食堂のフォローアップなど、こども食堂の地域におけるインパクトの可視化を目指した取り組みを進めていきます。


本件に関するお問い合わせは以下までお願いいたします。

認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
2023年度休眠預金事業(通常枠)事務局
E-mail: kyumin2023@musubie.org