認定NPO法人
全国こども食堂支援センター・むすびえ

防災プロジェクトチームは2024年度もさまざまな活動をさせていただき、全国のたくさんの方々と防災について、地域について考えてきました。
今年度の防災PJの活動を皆さまと一緒に振り返りたいと思います。
今回は、【こども食堂防災シンポジウム】について振り返ります!
【防災シンポジウムって?】
こども食堂防災シンポジウムとは、こども食堂運営者をはじめ、行政関係者、地域の企業などを対象とし、災害時における食と栄養、地域連携について考えるイベントです。
当日は、午前中に4~5名の講師をお呼びし、災害時の食と地域連携を考え、実際の取り組みについて学びます。午後は、フェーズフリーの考え方をもとにしたワークショップを行い、より深い学びに繋げていくプログラムになっています。
シンポジウムの中では、講演やワークショップなどを通して、3つのポイントに触れていきます。1つ目は、「災害時の食と栄養」です。災害時の栄養バランスの崩れは、命に関わる問題であることや、災害時の食支援の脆弱性の改善のために、官民連携の必要性があることに触れます。2つ目は、「もしも」と「いつも」の関係です。「いつも」の活動が「もしも」につながるというフェーズフリーの実践事例を学び、また、近くの席の方と一緒に、自分ができるフェーズフリーについて考えるワークショップもプログラムされています。3つ目は、共助と公助を繋ぐことです。防災PJが行っている防災研修は、自助と共助をつなぐことを目的としていますが、シンポジウムでは、こども食堂と行政の連携など、地域のセクターを繋ぎ、共助と公助の連携のきっかけづくりを目的としています。そのため、参加者としてこども食堂運営者以外にも地域の企業や行政職員などもいらっしゃいます。
より地域の防災力を高めていくために、福祉の枠を超え、地域のセクターと協定を結ぶことを見据えた視点での働きかけをしたいと考えています。
2024年度は、埼玉県と鳥取県で開催しました。
その様子をレポートします。
ー7月9日 埼玉県ー
2024年7月9日(火)に「こども食堂防災シンポジウムin埼玉県〜災害時における食と栄養と地域連携〜」が武蔵野銀行フリースペースMsスクエアで開催されました。
当日は、こども食堂運営者の方や、自治体職員、企業の方など48名の方が集まりました。
食と防災についてやこども食堂で取り組まれた防災の活動の事例紹介など4人の講師にお話しいただき、防災食の試食やワークショップなど防災について考え、体験できる充実した会になりました。
【講師とタイトル】
- 公益財団法人 味の素ファンデーション 原裕樹
- いざという時どうする?あなたの食と栄養
~災害時の食・栄養支援 官民連携の仕組み作りに向けて~
- 認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ 森谷哲
- こども食堂と防災について
- 特定非営利活動法人U.grandmaJapan 松島陽子
- わがまちうわじまの防災協働社会へのつながりづくり
- さいたま子ども食堂 本間香
- 臨時子ども食堂in能登を開催して
【シンポジウムを行って】
主催者:東海林さん(埼玉県子ども食堂ネットワーク)
こども食堂が防災にどのように関わっているのかという事例を今日たくさん聞けて、みんながちょっと目の色が変わったのが素晴らしかったと思います。まずは、自分の地域に持って帰って、次どうするかなというところまでいくといいなと思っています。こども食堂と防災がどのように繋がるのかというのをイメージできたのは大きな一歩ではないかと思います。
理想をいえば、もっと市町村の自治体の方が来てくれたらと思います。それは、次のステップかなと思います。次は、地域にフォーカスしていきたいです。自分ごと化していくために、自分の市のなかで防災について考えられる会を開いていけたらと思います。
協力:武蔵野銀行
こどもの支援、こどもの成長の支援などをしているので、むすびえやこども食堂ネットワークさんと一緒に活動をさせていただくことが多く、今回の会でもご一緒させて頂きました。今回の会で防災とこども食堂の親和性などを理解することができました。日常の取り組みが災害に役立つという視点に気がつくことができました。何かをやっていく中に防災の要素を入れていきたいなと思います。今後も地域共創スペースが「何かがうまれる場」になればと思っています。
【アンケートコメント一部抜粋】
- 様々な切口からフェーズフリーを考えたいです。ご近所から行政まで、幅広くコミュニケーションが大事だと感じました。
- 市で開催予定の子どもの居場所と防災を考えるイベントに活かしたいと思います。
- 小学校区にもう一つ子ども食堂をふやし、横の連携を作りたいと思います。
- 地方議員としても行政(福祉だけでなく危機管理)ともっと連携できる形を作れないか働きかけたい。
【イベント概要】
開催日時:2024年7月9日(火)13:00~ 16:30
開催場所:武蔵野銀行本店 2階 M’s SOUARE
講師:原 裕樹(公益財団法人素ファンデーション)
松島 陽子(特定非営利活動法人U.grandam Japan 宇和島グランマ代表理事)
森谷 哲(防災士・むすびえこども食堂防災拠点化プロジェクト)
本間 香(さいたま市子ども食堂ネットワーク代表)
内容:災害時における食(栄養)と地域の絆 子ども食堂防災シンポジウム in 埼玉
主催:一般社団法人埼玉県子ども食堂ネットワーク
共催:認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
協力:公益財団法人味の素ファンデーション・特定非営利活動法人U.grandma Japan・武蔵野銀行
後援:埼玉県
協賛:ダイドードリンコ株式会社
ー3月5日 鳥取県鳥取市ー
2025年3月5日に鳥取県鳥取市で「こども食堂防災シンポジウム~「もしも」に備える「いつも」の食とつながり~」が鳥取市民交流センターで、麒麟のまち地域食堂ネットワーク主催で開催されました。
当日は、鳥取市や米子市、また他県などから、こども食堂運営者、自治体職員、社協職員など、参加者があつまりました。
【講師とタイトル】
- 公益財団法人 味の素ファンデーション 原裕樹氏
- いざという時どうする?あなたの食と栄養
~災害時の食・栄養支援 官民連携の仕組み作りに向けて~
- 認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ 森谷哲氏
- こども食堂と防災について
- 特定非営利活動法人U.grandmaJapan 松島陽子氏
- わがまちうわじまの防災協働社会へのつながりづくり
- 佐治人権福祉センター 所長 栗谷 真由美 氏
- 食を通じてできた人と人のつながり〜2023年8月15日台風災害後の活動〜
【シンポジウムを行って】
主催者:麒麟のまち地域食堂ネットワーク 共同代表 佃 亜紀
今回は、こども食堂関係者だけではなく行政、社会福祉協議会、県栄養士会、企業、防災士など様々な立場の方にも参加していただくことができました。
参加者からは、「今回の研修によってこども食堂を開催する時、もしもの事を意識するようになった。」「普段、家庭で食事を作る時ももしもの事を意識するようになった。」などの感想を聞くことができました。また、食堂運営者から「人と人をつなぐことが、いざというときに大きな力になる。
食堂は人と人をつなげる場である」「ネットワーク団体で防災イベントを企画・開催することによって食堂団体が互いに防災知識を学ぶ機会になる、他団体を互いに知ることで実際被災した際のネットワークの協力体制が整う」「食堂を利用する若い世代に防災を楽しく考えてもらう機会になり、地域全体として防災意識を高め災害時の支援の円滑にも繋がる」という意見もありました。
大きな災害が、いつどこで起きるか分からない今、このような研修を継続して開催して、「いつも」「もしも」が意識できるようになったらと思います。
【アンケート一部抜粋】
講演の内容やワークショップに対しての声が多く寄せられました。
- フェーズフリーという言葉を初めて聞きましたが、とても良い言葉だと思いました。こども食堂と防災がこんなに関係があると知りませんでした。
- 色々な団体との交流ができ、色々な意見が聞けて良かったです。
- 味の素ファンデーションの話では単なる炊き出しではなく、一緒に作るというところが印象的だった。地域食堂の話では、平時のつながりづくりのために、もっと地域に根差した食堂を目指していくことが必要だと思った。
- 人のつながりが大切であると思いました。
他には、危機感を持った声も一部ありました。
- 全国の情報には満足しましたが、鳥取市はこれでいいの?
【イベント概要】
開催日時:2025年3月5日(水)13:00~ 17:00
開催場所:鳥取市役所交流センター 麒麟スクエア多目的ホール1
講師:原 裕樹(公益財団法人素ファンデーション)
森谷 哲(防災士・むすびえこども食堂防災拠点化プロジェクト)
松島 陽子(特定非営利活動法人U.grandam Japan 宇和島グランマ代表理事)
栗谷 真由美(佐治人権福祉センター 所長)
主催:麒麟のまち地域食堂ネットワーク
協力:公益財団法人味の素ファンデーション・特定非営利活動法人U.grandma Japan・認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
後援:鳥取市
本年度も以下の地域で共助と公助をつなぐ活動のサポートをさせていただきます!
・日時:2025年9月21日(日)
・タイトル:ふくしま県会津圏域こども食堂防災シンポジウム
・会場:道の駅 あいづ 湯川・会津坂下(福島県河沼郡湯川村佐野目五丁ノ目78−1)
・主催:ふくしまこども食堂ネットワーク
・協力:公益財団法人味の素ファンデーション
認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ /ほか
参加をご希望の方は、主催団体のふくしまこども食堂ネットワークにご連絡ください。
https://peraichi.com/landing_pages/view/gi5qo
【「こども食堂防災拠点化プロジェクト」とは?】
そこに集う人々の安全確保はもちろん、通常時だけでなく、有事の際にも地域の安心、安全な場として存在できるように、こども食堂の防災力を高めることを目的としています。
また、こども食堂の主体的な防災活動につながるよう、それぞれのこども食堂に「私たちに出来る防災」「地域みんなの防災」について考え・備える機会として防災研修や、さまざまな防災活動の支援提供をしています。
この活動を通して、地域における交流拠点(こども食堂)の認知向上と、つながりを再確認する機会の創出にも寄与しています。
こども食堂での防災研修、訓練をお考えの際は、是非ご相談ください。
bousai@musubie.org(担当:和泉、佐甲)