認定NPO法人
全国こども食堂支援センター・むすびえ

【イベント報告】6/7(土)大阪・関西万博でステージ発表「世界とごちそうでつながろう ーJICA留学生と考えるこども食堂と多文化共生ー」


2025年6月7日(土)、2025年日本国際博覧会(略称「大阪・関西万博」)のフューチャー・ライフ・エクスペリエンス(FLE)にて、「世界とごちそうでつながろう ーJICA留学生と考えるこども食堂と多文化共生ー」と題したステージ発表を行い、約140名の方がご来場くださいました。

エチオピア、ガーナ、コートジボワール、シリア、バングラデシュ、ブラジル、ベナンなど、さまざまな国から来日し、大学院で学ぶJICA留学生9名と、彼ら・彼女らを受け入れたこども食堂の運営者やボランティアが登壇しました。

JICA留学生たちは、これまで数か月にわたり神戸市内のこども食堂に参加し、子どもたちや地域の方々と交流を深めてきました。

今回のステージでは、こども食堂での体験を留学生自身が語るとともに、彼ら・彼女らを迎え入れたこども食堂の運営者やボランティアの皆さんにも、文化の違いを超えて育まれた絆や、地域の居場所を共につくる喜び・気づきについて、それぞれの視点から語っていただきました。

*JICA留学生とは、JICAの人材育成プログラムで来日し、日本の大学院(修士課程または博士課程)を通じて、母国の開発に貢献するための高度な知識や技術の習得を行っている、開発途上国の行政官、研究者、民間企業出身者などです。

言葉や文化を超えて心がつながる、あたたかい体験

 

「こども食堂にいると、家に帰らないといけないことを忘れてしまう」

「初めて日本の子どもたちに囲まれて食事をした時はドキドキしましたが、子どもたちが出身国に興味を持って英語で一生懸命話しかけてくれて、とても嬉しかったです。何度も通ううちに『ここが自分の居場所だ』と感じました」

「言葉の壁が心配でしたが、一緒におにぎりを作るだけでも心が通じることがあるとわかりました」

はじめは期待と不安が入り混じり、少し緊張していた留学生とこども食堂スタッフでしたが、訪問を重ねることで徐々に変化が生まれていきました。

「母国にもこども食堂があったらどう思うか」という留学生への質問には、

「隣国からやってくる外国人住民が多く暮らすコートジボワールでは、お互いを知り合い、交流を深める場所になり得ると思います」

「ブラジルでは、社会に貢献できる場所として、とても有意義な場になると思います」

など、それぞれの地域の事情を交えて話してくれました。

また、こども食堂の運営者やボランティアの皆さんから、外国人住民の方々を受け入れたことによる発見や、受け入れる際の工夫についてお聞きしたところ、

「共通の話題や趣味を見つけたことで、一気に仲良くなれた。違いではなく、共通点を見つけることが大切だと思いました」

「食文化の違いに不安を感じるのではなく、その背景にある文化や習慣を知ることで、むしろ自分たちの学びにもなりました」

「留学生がいるからと特別なことをするのではなく、一緒におにぎりやお味噌汁を作るなど、いつもと同じ活動を一緒にすることで、自然とジェスチャーなどを通じてやり取りが始まった。特別なことをする必要はないんだと感じた」

など、実際に留学生を受け入れたからこその実体験を通じたエピソードをお話くださいました。日々の地域活動の中に、多文化共生の芽があると感じられる内容でした。

ステージでの登壇者の言葉とともに、こども食堂での活動や交流を紹介する映像や留学生の民族衣装に目を惹かれたお客様が足を止めて、熱心に耳を傾けてくださいました。

世界のごちそうMAPも!

会場内では、JICA海外協力隊が世界中から集めた「世界のごちそうMAP」も展示され、来場者が世界各国の食文化に触れる機会となりました。ステージ発表とあわせて、世界と“食”を通じてつながる体験を来場者の方と共有することができました。


今回の発表と、そこに至るまでの取り組みを通して、「こども食堂」は、多様な文化や価値観が出会い新たなつながりが生まれる、いろんな人たちにとっての“居場所”となり得ることを改めて感じることができました。

ご参加いただいた皆さま、そしてこの取り組みに関わってくださったすべての皆さまに、心より感謝申し上げます。今後も今回の取り組みを通して見えてきたこども食堂の魅力や可能性について発信を続けていく予定です。ご関心のある方は、ぜひご覧いただけましたら幸いです。

今回の取り組みについて、JICAの広報誌であるJICA MAGAZINEにも掲載されております。ぜひご一読ください。

JICA MAGAZINE 6月号 『関西のこども食堂が世界と地域をつなぐ交流の場に


【イベント概要】

世界とごちそうでつながろう ーJICA留学生と考えるこども食堂と多文化共生ー

日時|2025年6月7日(土)13:30〜16:30
会場|大阪・関西万博会場(西ゲート側)フューチャーライフヴィレッジ FLEステージ
主催|認定NPO法人 全国こども食堂支援センター・むすびえ、JICA関西
共催|いのち会議
協力|大阪大学社会ソリューションイニシアティブ(SSI)


むすびえは、2025年4月13日から10月13日まで開催される2025年日本国際博覧会のステージに出展しています。

【今後の予定】

*いずれも事前予約は不要
2025年6月28日(土)13:30-16:30「居場所から“Ibasho”へ ~多様な世界との繋がり~」
2025年8月10日(日)13:30-16:30「こども食堂から考える社会の再興と未来」

▼2025年日本国際博覧会 開催概要はこちら
https://www.expo2025.or.jp/overview

▼むすびえのステージ出展についての詳細はこちら
https://musubie.org/news/11355/