認定NPO法人
全国こども食堂支援センター・むすびえ

こども食堂を取り巻く「今」と私たちの歩みをぎゅっとまとめた
2024年度の活動報告書をお届けいたします
気候変動や少子高齢化といった社会課題が、ますます現実のものとして私たちの暮らしに迫る中、2024年度は持続可能な社会の実現に向けた取り組みに一層の関心が集まりました。
そのような中、「自分たちの地域を自分たちの手で支え、未来へつなげていこう」という想いが、全国各地で広がりを見せています。こども食堂を運営する皆さんの想い、そして地域でその活動を支えるネットワーク団体のつながりが、地域に根付き、確かな広がりを見せています。むすびえは、こうした動きの先に「誰もが自分の居場所を感じられる、やさしい社会」があると信じ、活動を続けています。
日頃よりあたたかいご支援を賜っている皆さま、本報告書の制作にご協力くださったすべての方々に、心より御礼申し上げます。これからも、ともに歩みを進めていただけましたら幸いです。
● 2024年度の活動報告書はこちらからダウンロードできます
● これまでの年次報告書はこちらのページからご覧ください
むすびえ前理事長 湯浅誠より ごあいさつ
喜ぶべきか、悲しむべきか、それが問題だ
2024 年、こども食堂は全国で1万カ所に達し、中学校数※1 を超えました。自宅から中学校まで1km ある人は、半径1km のうちのどこかにこども食堂がある、あっておかしくない世の中になりました。 この現状を喜ぶべきか、悲しむべきかに関して、世の中には両方の意見があります。
こども食堂を「貧困対策」と位置づける人にとっては、こども食堂の増加は貧困の子がたくさんいる証だとなりますから、それは悲しむべきことになります。またその立場からは、貧困がなくなれ ばこども食堂も不要になるので、こども食堂のゴールはゼロになること、つまりこども食堂のいらない世の中になることだ、となります。他方、こども食堂を地域交流拠点と位置づけた場合には、こども食堂の増加は人々のつながりの増加を意味しますから、喜ばしいこととなります。人間は社会的な動物であり、「誰か」を感じながら生きていきたい。この場合、こども食堂のゴールは星の数ほどあること、という真逆の結論になります。
むすびえは後者の意見です。理由は、事実として多くのこども食堂が参加に条件を設けず、広く地域の人たちを受け入れて運営されているからです。事実・実態を踏まえた発信をお願いしています。
しかしそれは貧困対策と無関係ということを意味しません。貧困や虐待その他の課題を抱えていたとしても「相談に行く」というのは勇気がいるものです。そもそも自覚がない場合も多い。誰でも行ける場所だから抵抗感(スティグマ)なく行けて、そこで出会い関わったから気づけたというエピソードが、こども食堂には溢れています。万能な取組みはありませんが、こども食堂は貧困対策としても有効です。
「みんなの中に課題のある誰かを包みこむ」というこども食堂が、これからも地域と社会に普及していくことを願っています。
なお、2025 年6 月総会をもって、むすびえ理事長を退任しました。これまで本当にありがとうございました。これからも、こども食堂およびそこに集う人たちをどうぞよろしくお願いします。
※1 文部科学省「令和6年度学校基本調査(確定値)」における公立の中学校数および公立の義務教育学校数の合算
※2 湯浅誠は2025年6月16日に理事長を退任し、現在むすびえでは「公共政策アドバイザー」として活動しています
2025 年6月吉日
認定NPO 法人全国こども食堂支援センター・むすびえ前理事長
社会活動家、東京大学特任教授

むすびえメンバーからのメッセージ
いつもたくさんのご支援・応援をありがとうございます。
多くの方々のあたたかいご支援・ご協力をいただき、
2024年度も、こども食堂へのさまざまな支援活動ができました。
むすびえの多様なプロジェクトに関わるメンバーから、感謝を込めたメッセージです。

三島 理恵
理事長/広報ファンドレイジングディレクター/人事ディレクター
むすびえが全国の仲間と共に歩んだ一年に、つながりと希望を覚えるとともに、心より感謝を申し上げます。

渋谷 雅人
地域ネットワーク団体支援ディレクター/組織開発ディレクター
『こども食堂』という営みに、多くの皆さまが想いを寄せてくださっていることに、心より感謝申し上げます。
今後も、多様な声に寄り添うことを大切にしながら、対話を深め、共感を育み、協働の輪がさらに広がっていくよう、歩みを進めてまいります。

遠藤 典子
理事/企業・団体との協働事業ディレクター
たくさんの個人の皆さま、企業・団体の皆さまから応援いただきました。深く感謝申し上げます。誰もが応援できるこども食堂、応援の輪を広げていきたいです。

北川 淳也
調査研究ディレクター
皆さまからのご支援により、こども食堂の実態や価値の「見える化」に取り組むことができ、共感と支援の輪が広がっています。本当にありがとうございます。

加賀 大資
公共政策ディレクター
日頃よりご支援いただき、ありがとうございます。多様なステークホルダーの皆さまと連携・協働し、誰も取りこぼさない社会実現に向けて邁進します。

森谷 哲
助成金ディレクター/リスクマネジメントディレクター
いつも応援ありがとうございます。皆さまからのご厚意は、今年も全国のこども食堂の現場へと確かに届けられ、子どもたちと地域の笑顔と安心につながっています。

鴨崎 貴泰
インパクトマネジメントディレクター
皆さまからのご支援により、社会的インパクトを重視した創造的な活動を行うことができました。今後もインパクトの最大化に努めます。本当にありがとうございます。

金 洋浩
理事/財務ディレクター
活動を重ねる度に皆さんのご支援のあたたかさを実感する毎日です。それを糧に今日もがんばります!

宮本 亜佳音
経営企画チームリーダー
皆さまからのご支援により、仕組みや制度づくりが進みました。今後も基盤強化に努めます。本当にありがとうございます。

松崎 泉
広報ファンドレイジング ディレクター補佐
多くの方からご寄付やご支援をお寄せいただき、感謝と同時に一緒に活動に取り組んでくださる仲間がたくさんいることにスタッフ一同とても勇気づけられています!

米野 美和子
経理チームリーダー
皆さまからいただいたご寄付は、正当・公正に使わせていただき、その使い途を明確にご報告することを使命として日々活動しております。ありがとうございます。

浅見 栞
総務メンバー
皆さまのお気持ちをより社会に繋げられるよう、組織基盤の一層の安定化に努めます。いつも心強い仲間でいてくださり、本当にありがとうございます。