2023年9月から11月にかけて第2回目のこども食堂全国実態調査を実施し、第1回調査を上回る1,483件のこども食堂から回答を得ました。
ご協力いただいた皆さまに、改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。
本調査では、こども食堂の多様な活動形態が明らかになるとともに、こどもの意見を取り入れた活動運営についても、現在の取組み状況などをうかがっています。
こども食堂への理解が広がり、その取組みがさらに進む一助となることを願っています。
【調査結果サマリ】
■ こども食堂の「会食形式開催」は8割以上。会食形式を中心に広がる、多様な活動形態
回答されたこども食堂のうち、会食形式(参加者が一堂に会して食事をする)の活動を行っているのは 81.3%と多数を占めた。
同時に、お弁当の持ち帰りやフードパントリー(食材配布)を行っているこども食堂も多く、「会食と同日・同会場でのお弁当持ち帰りを、いつも行っている」という団体は33.8%、フードパントリーについては、いつも行っているという団体は32.2%だった。
また、会食とは別の機会に単独開催でお弁当の持ち帰りを行っている団体は33.4%、同じくフードパントリーは40.9%、食材等を自宅に届ける宅配は37.3%だった。
■ こども食堂の活動目的は「食事提供」を中心に多様である。「こどもの居場所づくり」が約8割、「多世代交流」「地域づくり、まちづくり」が約5割
活動目的に着目すると、こどもの食事提供(89.3%)、こどもの居場所づくり(77.7%)は多くの団体が共通して意識していた。また、多世代交流(52.4%)、地域づくり・まちづくり(50.2%)など、地域のコミュニティづくりを目的とする団体も多かった。一方で、ひとり親家庭の支援(57.4%)、生活困窮家庭の支援(48.8%)、親の子育て支援(44.8%)など、対象を明確にした上での支援を目的とする団体も多いことが分かった。
■ 未就学児から高齢者まで、多様な参加者。多くのこども食堂には「参加条件はない」
もっとも活動頻度の高い活動形態について、年代別の参加人数をたずねたところ、「未就学児」が1人以上参加(参加人数が1~5人、6~10人、11~20人、21~50人、51~100人、101人以上の合算)している団体は80.8%、「小学生」では94.1%に上った。一方、その他の年代でも、「中学生~高校生(または17歳以下)」が70.3%、「18~64歳(大学生・専門学校生等を除く)」が70.8%、「高齢者(概ね65歳以上)」が53.1%の団体で、1人以上参加していると回答した。
もっとも頻度が多い活動の参加条件については、「参加条件はない」が66.9%で最も多くなっている。参加条件を設けている場合、その内容は「年齢による制限がある(小学生以下に限定するなど)」が18.4%、「属性による制限がある(不登校の子のみ、ひとり親家庭の子のみなど)」が6.6%、「所得による制限がある(貧困家庭の子のみ、生活保護家庭の子のみなど)」が5.6%であった。
※注
令和2年度に行われた、厚生労働科学特別研究事業の調査結果では、参加条件なしの割合は78.4%となっていたが、「年齢による制限」を「参加条件」に含めていなかった。
今回のむすびえ調査においても、年齢による制限18.4%を含めると85.3%となり、「所得や属性を参加条件にしていない」という意味ではむすびえ調査と厚労科研調査の結果に大きな相違はない。
【調査報告書】 第2回全国こども食堂実態調査報告書
【調査概要】
◼ 回答対象
現在活動中のこども食堂を運営する代表者
(または代表者に準じてこども食堂の運営状況を把握している方)
◼ 回答方法
WEBの回答フォームおよび紙の調査票
◼調査回答期間
2023年9月19日(火)~2023年11月8日(水)
◼ 回答数
47 都道府県 1,483件
▼寄託データ利用申請について
むすびえは、教育・学術目的での分析にデータを広くご活用いただくため、個々のこども食堂を特定できる情報をすべて削除した上で、東京大学社会科学研究所のSSJデータアーカイブ(Social Science Japan Data Archive; SSJDA)に、調査結果の個票データを寄託する予定です。準備が整い次第むすびえのホームページ上でお知らせいたします。
【本件に関するお問合せ先】
認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
Email : research@musubie.org