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地域との連携を模索する社会貢献の軌跡 〜株式会社ファミリーマート〜

画像:ファミマこども食堂の様子

―― プロジェクトの概要

全国に16,000店舗の拠点をもつファミリーマートとむすびえとの間にご縁が生まれたのは、2019年に始まった「ファミマこども食堂」がきっかけでした。子どもたちが一緒に過ごす居場所づくりを通じて、地域交流の活性化を目指すこの取り組みは、全国で約360回開催・約4,100人が参加という広がりを見せたものの、翌2020年に新型コロナウイルスが蔓延し、中断せざるをえない状況に。同じように運営や継続が難しいこども食堂を目の当たりにして、ファミリーマートとむすびえで何か一緒に支援できることはないか、との想いから協業が始まりました。ファミリーマートでは、以前から来店客と社会貢献活動に取り組む団体をつなぐ店頭募金「ファミリーマート 夢の掛け橋募金」を実施していました。この支援先にむすびえを加えていただいたことで、ファミリーマートとむすびえの協働事業「ファミリーマート むすぶ、つながるこども食堂応援プロジェクト」が立ち上がり、さまざまな支援プログラムをお届けすることができるようになりました。

今回はファミリーマートのこども食堂にむけた取り組みを全2回に分けてお届けしていきます。1回目は、ファミリーマートが取り組む社会貢献プログラム全体の概要と、その中のひとつである「春夏秋冬助成プログラム」について、マーケティング本部サステナビリティ推進部CSR・ダイバシティ推進グループの大橋結実子さんと栗原沙良さんにお話を伺いました。

大橋さん
栗原さん

―― 社会貢献活動の全体像と、地域社会に向けた支援をすることへの想いについてお聞かせください。 

CMなどにも使用している「あなたと、コンビに、ファミリーマート」。このコーポレートメッセージには、いろいろな方とコンビになっていくという想いが含まれています。
サステナビリティ活動では、地域社会を「ファミリー(家族)」と考え、地域の皆さまに寄り添い、持続可能な未来づくりに貢献するために、新たなことに「チャレンジ」していくことをテーマに活動しています。
ファミリーマートは全国に拠点があります。
私たちは、その気軽さや機能性を活かして物を販売するだけでなく、生活者を巻き込んで地域の活性化につながる活動を行う、ハブのような存在になりたいと考えています。中でも社会貢献活動の領域では、地域社会全体をひとつの大きな家族と捉え、未来を担う子どもたちを応援したという想いが強くあり、「ファミマこども食堂」の実施、「ファミマフードドライブ」を通じた食支援、店頭募金を活用した既存のこども食堂への助成という三つの柱でこども食堂を支援しています。

ファミリーマートはコンビニ業界のなかでもイートインスペースのある店舗が比較的多く、このスペースを活用して社会課題解決につながる取り組みが何かできないかという想いから始まったのが、「ファミマこども食堂」の取り組みです。2019年の開始当時は、企業が独自でこども食堂を開設している例は他にほとんど見当たりませんでした。そこで、始め方や進め方について助言をいただくために協力をお願いしたのがむすびえさんでした。「ファミマこども食堂」は、地域の子どもたちや保護者が共に楽しく食事をしたり、
コミュニケーションを図ったりすることで、地域交流の活性化を応援する取り組みです。食事だけではなく、レジ打ち体験などのお仕事体験もしていただきながら、楽しくコミュニケーションを図ってもらえるオープン型のこども食堂になっています。開始から1年で合計360回・のべ4,100人ほどの方に参加していただきました。

ところが2020年に新型コロナウイルスが大流行し、活動ができなくなってしまいました。子どもたちへの支援をこのままやめてしまうのかという岐路に立たされましたが、2021年に新しい活路を見出します。それが「ファミマフードドライブ」と、既存のこども食堂への助成金による支援でした。

店内に設置したフードドライブのボックス

「ファミマフードドライブ」は、ご家庭で食べきれない食品などを店舗に設置してある回収箱に入れていただくことで、食支援の必要な方々にお届けする地域の食支援とフードロス削減の取り組みです。しかし、全国にある店舗と回収いただくパートナー団体をひとつひとつ結びつけていくのは途方もない作業でした。ここでもむすびえさんに地域のネットワーク団体を紹介していただき、多くのこども食堂とつながることができました。現在では全国で3,000店を超えるファミリーマートで食支援の取り組みを進めています。

「ファミマフードドライブ」の展開から数カ月後にスタートしたのが「ファミリーマートむすぶ、つながる、こども食堂応援プロジェクト」(春夏秋冬助成プログラム)です。コロナによって活動そのものを休止したり、一堂に会する食堂の開催を自粛したりしていた既存のこども食堂に、その取り組みを再開、継続するための支援として、店頭募金「ファミリーマート 夢の掛け橋募金」の一部を活用する取り組みです。季節ごとに募集を行った助成プログラムでは、「助成金があったことでこども食堂の運営を続けられた、活動にも弾みが付いた」などの感謝の声をいただいています。

さらに、コロナの影響が落ち着いてきた2023年、新たな試みをスタートしました。既存のこども食堂の再開を支援するだけでなく、新たにこども食堂を始めようと考えている団体などを応援するための助成企画「こども食堂スタート応援助成プログラム」です。費用の助成だけでなく、活動の立ち上げを学ぶ場の提供なども行っています。

―― さまざまなプロジェクトを展開されてきましたが、中でもコロナ禍にむすびえと協働で開始されたふたつのプロジェクトについて、支援をしてみての想いや、実際支援している中で感じていることなどを教えてください。

「春夏秋冬助成プログラム」は、これまでに全9回実施し、のべ2,952団体をご支援することができました。助成先のこども食堂の報告会には毎回参加し、運営者から直接助成金の使い道をお伺いしたり、こども食堂でのエピソードをお聞きしたりしていますが、そのたびに各地で子どもたちが笑顔で参加している様子に、温かい気持ちにさせていただいています。また、報告会で「ファミマフードドライブ」のパートナー団体の方が事例を共有してくださったことがきっかけで、「私たちも協力します」と手を挙げてくださるこども食堂の方も出てくるなど、取り組み同士がつながっていくご縁も生まれています。

2022年5月には浅草こども食堂応援まつりで、初めて出張形式の「ファミマフードドライブ」を実施しました。ファミリーマートの取り組みを紹介し、体感していただく機会として参加したのですが、予想以上の反響があったことに驚いています。ブースの前で足を止め「家の近くでやっていたら持って行きます」と声をかけてくださる方や、当日わざわざ量販店で食品を購入して寄付してくださる方もいらっしゃいました。また、集まった食品は台東区のNPOさんにお渡しすることができ、寄付していただく方と実際に使ってくださる方双方と直接顔を合わせることができたのも、「ファミマフードドライブ」の取り組みをより実感できる機会になりました。お店以外の場所でも、目に見える形で人や地域に寄り添う地域密着型の取り組みを実施できたのは大きな成果でした。

―― むすびえとの協働事業を通じてのご感想や、今後むすびえに期待することなどお聞かせください。

実際にこども食堂を運営されている方々とつながることができたのは、むすびえさんとのご縁のおかげだと思っています。地域に根差した活動を進めている方々のお話は、毎回大きな気づきと発見があり、支援が役に立っていることも実感できる貴重な機会になっています。
むすびえさんとファミリーマートは、企業としての存在形態こそ違いますが、共通の想いは「地域社会を元気にしていく」ということ。サステナビリティに対する企業への期待が高まる中で、ファミリーマートとしても、もっとさまざまなチャレンジを重ねていきたいと考えています。ぜひ今後も地域の活性化や課題の解決に向けて取り組むパートナーとして、むすびえさんと一緒に歩んでいけたらと思っています。

店頭に置かれたファミリーマート夢の掛け橋募金

次回は、コロナ禍を経て動き出した新たな助成プログラム「こども食堂スタート応援助成プログラム」についてご紹介するとともに、「春夏秋冬助成プログラム」も含めて、助成先こども食堂での具体的なエピソードをお伝えします。

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