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【開催レポート】広げよう!こどもの居場所学習会Vol.2 こども食堂×防災 @東村山市

~こどもを守る。みんなを守る。こども食堂は災害時に地域の安全をつくります~

主催:社会福祉法人東村山市社会福祉協議会の想い 

現在、東村山市には15件のこども食堂があります。今年は「こども食堂マップ」が出来上がり、コロナ禍で休止していたこども食堂が再開しはじめ、活動がコロナ禍前へと戻りつつあります。これは、私たち社協職員も、とてもうれしい状況です。さらに、新しく立ち上げたいというお話も増えている中、こども食堂や子どもの居場所を広め、この活動や場所が地域のネットワークの1つになって欲しいという想いがあります。

そのために、私たち職員が出来ることを考え「地域」と「こども食堂」をキーワードに、多くの方に参加いただき、つながりを広め、そしてつながりを深める連続学習会を企画しました。

第二回は、私たちの地域で「いつも」と「もしも」をつなぐ「こども食堂」について「防災」をキーワードに交流しながら再確認したいと思いました。


むすびえ発行の“こども食堂防災マニュアル”を活用した防災研修の様子をご報告いたします。

第一回につづき、こども食堂ってどんな所?地域での役割、全国での箇所数などを、むすびえの森谷より簡単にお話しし、本日のテーマである、地域に必要な「防災」と「こども食堂」についての共通点をみなさんと一緒に再確認しましょうと呼びかけました。

< 講座・訓練パート >

知っておきたい こども食堂と防災の関係

講座は当プロジェクト発行の「こども食堂防災マニュアル」に沿って進みます。「知る、備える、行動する」3つの大切なチェックポイントを開催地の地域特性を交えながらお伝えします。

東村山市の地域特性はどうでしょうか。マップを見てみましょう。
と講師が話し始めると、参加者の方々はグッと聞き入ります。

講師は続けて、「70%の降水確率だとみなさんは傘を持って出かけますか?」と問いかけます。
現在3年以内に70%の確率で大きな地震が発生すると言われています。
「70%」あなたなら備えますか?

そして、防災の心得としてこの3か条をお伝えしました。

  1. 無理をしない
  2. 日常から備える
  3. みんなが意識する

防災分野では、防災に明るい人が「防災担当」に割り当てられ、一人であれもこれも気を配り、準備し、訓練の必要性を訴えるケースがまだまだ多いのですが、コミュニティに100%の防災活動をする人が1人いることよりも、30%の防災活動をする人が3人いる方が、50%、70%と防災力が向上していくことを考えると、はるかに大きな力が発揮できるので、「何もできないからできる人に任せよう」ではなく、「できる事は何だろう?」という気持ちで関わって欲しいというメッセージをお伝えし、「無理をせず、日常から、みんなが意識する」ことが大切とお伝えしました。

そして、講座は災害時に活動したこども食堂の事例も紹介に加え、今回の参加者はこども食堂運営者だけでなく、地域の方々が多くいらっしゃいましたので、日頃の活動にこそ「防災」の視点がたくさんあり、「受けとめる心」「支援を求める力」「機転を利かせた行動」などが「防災そのもの」であるとお伝えし、講師が実際に行っている「防災」のためのコミュニティ活動をお伝えしました。

実施内容)

  • 定期的にお茶飲み会を開催している
  • お茶飲み会は、いつ来ていつ帰ってもOK
  • お茶飲み会の場で、簡単な相談ごとや普段の仕事、得意なことなどを自由に話してもらう

効果)

  • 顔見知りになることで緊急時に話しかけやすい
  • 得意なことを知っていると、助け合いの場でお願いしやすい
  • みんながみんなを思いやる支援の輪が広がる

このように、日頃の関係性や活動が緊急時の安心に寄与しています。

講座の様子

訓練のパートでは、座学で説明した内容を実際の行動で体験していただきました。
訓練も、実際の発災時も、防災に関心のある誰か一人で対処できることではなく、そこにいる人々が力を合わせる作業です。

いつものこども食堂で発災!!
さて、その時何をしたらよいでしょうか。

「短い言葉で伝える」ことはできたでしょうか?
事前に知っておく「住所」や「備品」の場所はどこでしたか?
大人も子どもも全員避難誘導できましたか?

訓練の様子

この研修のテーマは、無理をしない「防災」で継続する活動と「もしも」の時をみんなで想像して、話し合うことです。

力を合わせる作業というと、現場でその時何が必要なのか「とっさの判断」や「自分に出来ることをする」というスキルの部分に注目が集まりますが、「事前に話し合いをすること」「それぞれの考えを伝えあうこと」これも力を合わせる作業で「心の備え」になります。

参加者全員で「もしも」を想定した訓練の後に振り返りを行いました。

  • 消火器の場所、現在地の住所確認など、事前にやれることと、誰がするかを話し合うことの大切さを再認識しました。
  • 今の訓練で大きな声が出せても、発災時どのくらい声が届くんだろう。違う方法も考えたい。
  • 「怖くないよ。一緒に逃げよう。」と言う子どもへの声掛けは、不安が少し和らいだ気がした。もっと色々な声掛けを考えたい。
  • たくさん気づきや課題が見えてきました。

そしてこども食堂の活動も、防災の取り組みも「継続」がポイント。無理をせず、できることから、できる人が行動するという、こども食堂との共通点も納得いただけたら幸いです。

「心の備え」の第一歩になる研修でした。

振り返りの様子

参加者からの声(アンケートより抜粋)

  • 訓練体験もできて気づく事もあり、学びになりました。
  • 地域の方と話ができる機会になった。
  • 地域の居場所づくりの大切さに気付きました。
  • 「自分がしなければ」という気持ちが強かったが「100%が1人より30%が3人」というところが響きました。みんなでやる。得意なことをやる、無理をしない。そしてつながることの大切さ。
  • 防災の心得はわかりやすく、ためになった。

主催団体の感想 

基本的な防災について触れてくださり大変分かりやすい導入でした。この地域が被災した時、こども食堂にどのような役割があるか、座学に加え、ワークショップ(食堂における避難訓練)を行ったことで、一方的に教わるのではなく、体験し、参加者相互で共有できたことが良かったと思いました。

そして、こども食堂の運営者の学びにとどまらず、こども食堂を知ってもらえる良い機会となった学習会でした。今回参加したことで実際に運営者と顔を合わせ、こども食堂について知ることができた方も多くいらっしゃったと感じています。

また、私たち社協職員も、こども食堂に限らず、ボランティアに求められる災害時の対応、活動を考える機会になりました。避難訓練等が当たり前のように出来る団体ばかりではないため、意識しておくことやこういった機会に社協職員も一緒に考えておく必要があると感じました(緊急連絡先の作成の必要性等)。そして、発災後は地域力の一端としてこども食堂や地域団体(繋がり)が活躍できる機会があると伝え一緒に備えていくことも必要があると感じました。

こども食堂×防災×地域 in 東村山市

むすびえでは、こども食堂へ地域ネットワーク団体を通じた支援の一つとして、防災についての取組「こども食堂防災拠点化プロジェクト」を行っており、こども食堂防災研修を通して、全国各地のこども食堂関係者の方たちと「防災」の学びと交流を企画しました。東京都東村山市は本企画の第7回目です。

>>>Vol.3へつづく

■イベント概要 ==
開催日時:2023年12月20日(水)14:00~16:00
開催場所:東村山市市民ステーション サンパルネ コンベンションホール
講師:久保井 千勢  (むすびえこども食堂防災拠点化プロジェクト/防災士)
内容:「こども食堂×防災
    ~こどもを守る。みんなを守る。こども食堂は災害時に地域の安全をつくります~」
共催:社会福祉法人東村山社会福祉協議会
   認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ

■「こども食堂防災拠点化プロジェクト」とは? ==
そこに集う人々の安全確保はもちろん、通常時だけでなく、有事の際にも地域の安心、安全な場として存在できるように、こども食堂の防災力を高めることを目的としています。
また、こども食堂の主体的な防災活動につながるよう、それぞれのこども食堂に「私たちに出来る防災」「地域みんなの防災」について考え・備える機会として、防災研修やさまざまな防災活動の支援提供をしています。
この活動を通して、地域における交流拠点(こども食堂)の認知向上と、つながりを再確認する機会の創出にも寄与しています。
こども食堂での防災研修、訓練をお考えの際は、是非ご相談ください。

本件に関するお問合せは、下記メールアドレスまでお願いします。
bousai@musubie.org(担当:森谷、久保井、和泉)


今回は公益財団法人東京都福祉保健財団の「子供が輝く東京・応援事業」のご支援のもとに実施させて頂きました。
ご支援に対し深く感謝申し上げます。

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