新着情報

こども食堂オープンデータ「アイデアソン&ハッカソン」 開催レポート(その2)

2023年9月2日(土)・9月3日(日)に、埼玉県が全国で先駆けてオープンデータとして公開した「こども食堂データ」を活用し、社会課題の解決に向けたアイデアを出し合い、アプリなどを作ることを目的とした「アイデアソン&ハッカソン」が開催されました。本レポートでは、2日目の様子を紹介していきます(1日目のレポート(その1)はこちら)。2日目には、特にこども食堂に関連する課題や、運営で困っていること、子どもたちにとって楽しい取り組みなどに焦点を当て、参加者同士でアイデアを出し合い、オープンデータを活用してプロトタイプ(試作品)を作成しました。

こんなアイディアをカタチにしました!

・食材をあげたい人ともらいたい人を簡単にマッチングするアプリ
 講評:普段使っているLINEでできるのが良い、こども食堂を応援する人が増えそう
・こども食堂をこどもたち自身が食レポ動画で発信/コンテスト開催!
 講評:子どもの目線を大事にしているところが良い、すぐにでもやりたい
・こども食堂の運営者自身が簡単に情報を入力/編集できる&分かりやすいWebマップ
 講評:曜日や開催時間で絞り込みができるのが新鮮、リアルタイム更新できるのが素晴らしい

1日目の「アイデアソン」の日に続き、2日目は「ハッカソン」の日です。前日に選んだアイデアを具体化するために、プログラム、デザイン、こども食堂の運営経験など、それぞれのスキルを活かしてプロトタイプを作成しました。

前半は和気あいあいとした雰囲気ですが、午後になると締切時間を気にしながら大詰め!

その後、作成したプロトタイプを参加者全員で発表し、フィードバックや質問、感想を共有しました。

イベントを通じて、様々なバックグラウンドを持つ参加者が集まり、こども食堂に関連する多くのアイデアが出されました。また、アイデアを具体化する過程で、参加者同士の交流が深まり、新たなネットワークが形成されたと感じます。

・プロトタイプ発表

⚫ほしいけん、あげるけんプロジェクト
~食材をあげたい人ともらいたい人を簡単にマッチングするツールのプロジェクト~


食材を必要としているこども食堂と、農家さんなどで余った野菜などの食材がうまくマッチングせずに食品ロスにもつながっている。そんな問題を解決するためのプロジェクト!LINEbotを活用し欲しい人もあげたい人も簡単に情報交換することができます。オープンデータを活用することで、あげたい人が簡単にこども食堂につながることができます。

このプロジェクトについては、以下のようなコメントがありました。
・「郵送代のかからないくらいの小さな範囲で、小規模でできると良い」
・「このような取り組みはこれまで人力で行われていたためそれが自動化出来ればもっと効率的に時間を使うことができる」

⚫こども食堂レポーターコンテスト
~こども食堂を知ってもらうために、子どもたち自身がこども食堂を食レポ動画で発信/コンテストするプロジェクト~


こども食堂に関する、あらゆる問題は、こども食堂がどういった場所なのかを知ってもらうことで解決できる!
その情報発信は、子どもたち自身が行うというアイデアです。
動画のアップロードが簡単に行えるプロトタイプを作成し、そこにオープンデータを活用されています。
また、動画のアップロードをする際には、自分の家から近いこども食堂を見つけることもできる仕組みです。

このプロジェクトについては、以下のようなコメントがありました。
・「テロップの入れ方や編集の仕方も、こども食堂で教える場を作れると良さそう」
・「サイトの安全面も含めて設計されているところがすばらしい」

⚫使いやすいWEBマップ
~こども食堂オープンデータを使い、こども食堂自身が容易に入力/編集できるWebマッププロジェクト~

日々、頻繁に更新されるこども食堂情報。更新情報を紙の地図に反映するには時間がかかってしまう。そこで、こども食堂運営者が直接更新情報を提供することで、それが地図に反映されるWEBマップ!これにより、紙だと時間のかかる情報の更新がスムーズに、即座に行うことができるようになります。また、紙ではできない、曜日、開催時間(朝・昼・夜)、地域などに絞り込んで情報を閲覧することも可能になります。

このプロジェクトについては、以下のようなコメントがありました。
・「会食なのか弁当配布なのかでも絞れると良さそう」
・「学習支援やプレイパークなど、こども食堂にも様々な機能が追加されている。これらが将来的にWEBマップで観れるようになれば可能性は、さらに広がる。」

・講評

埼玉県少子政策課の下田さんより

・余った食材とこども食堂をつなげる、官民連携のマッチングシステムはあるが、うまく稼働していない状況がある。「ほしいけん、あげるけんプロジェクト」を聞いて、LINEならみんなが使っているためすぐに出来ると感じた。
・「こども食堂レポーターコンテスト」は、発表者も審査員もすべて子どもである点が素晴らしい。
・埼玉県のホームページにもこども食堂一覧はあるが、「使いやすいWEBマップ」は、曜日や開催時間で絞り込みができるのが新鮮だった。

埼玉県こども食堂ネットワーク代表の東海林さんより

・マッチングシステムや地図のリアルタイム更新は、まさに中間支援団体として必要性を感じる。「使いやすいWEBマップ」を使い早急に更新ができるようになると良い。
・動画配信を使いこども食堂を知ってもらうことに取り組んでいるところだった。子どもたちにつくってもらうというアイディアが素晴らしい。

むすびえ長井より

・「ほしいけん、あげるけんプロジェクト」を実施するために、市町村単位でのオープンデータ化を果たしたい。
・「こども食堂レポーターコンテスト」のフォーマットに、こども食堂だけではなく、小学校、中学校など他のオープンデータも重ねて活用されている点が素敵だと思った。
・自治体などで、こども食堂一覧を公開しているところはそれを更新するのが大変。オープンデータを更新すればマップも更新されるとなれば自治体の手間が減るのでオープンデータ化する大きな理由になる。

最後に、ご協力いただいた皆さんにもコメントをいただきました。

シビックテックさいたま代表・太田さん

・これまでこども食堂のオープンデータがあるということは知っていたが、それを使ってこんなサービスができるのだと、埼玉県でカタチに出来たことがうれしい。

サイボウズ株式会社・渡辺さん

・サイボウズにはキントーンだけではなく、公共冷蔵庫、匿名配送など様々なことができる。これからもこども食堂さんにご活用いただきたい。

LINE API Expert・平野さん

・短時間でこれだけの成果物が出来上がるのが素晴らしい。ぜひ大阪でも実施したい。

株式会社武蔵野銀行・郷さん

・地方創生のためにつくったこの場所がこのように活用されてとても嬉しい。これからも新幹線の待ち時間などにお越しください。

・ご参加いただいた方からのご感想

・オープンデータや子ども食堂について知ることができたのが良かったです。また皆様のアイデアやスキルが素晴らしく、2日だけで初動のプロダクトが出来上がったことがすごいと思いました。
・たった二日間でこのような素晴らしいアプリが開発できる事がとても素晴らしいと思いました!
また、全国からこのイベントに参加されている方がいて、普段会えない方にお会いすることができ、大変嬉しく思います。
・ハッカソンとしても楽しかったし、他のチームのアイディアも勉強になりました。

・まとめ

改めまして、イベントにご参加いただいた皆様に感謝の気持ちをお伝えします。皆様のおかげで、こども食堂情報のオープンデータ化が促進されると、参加を希望する子どもや地域の方たちが必要な情報にアクセスしやすくなることが改めて実感できました。それだけではなく、こども食堂を応援したい企業、団体、個人等による利活用が、どう実現していく可能性があるのか、見えてきました。こども食堂は、民間発の自主的・自発的な取組みです。だからこそ、オープンデータ化を進めることで、さらに未知の可能性が広がっていくことが期待されます。

むすびえでは、こども食堂のオープンデータ化に取り組む自治体の皆さまを応援しております。
手順マニュアルなども公開しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

新着情報一覧へ
トップへ戻る