本年5月5日、コロナ禍に入って4回目のこどもの日を迎えます。
4月1日に「こどもまんなか社会の実現」を掲げるこども家庭庁が正式発足し、5月8日にはコロナの感染症法上の区分が5類に変更されるという節目の中でのこどもの日です。
この間、こどもたちはガマンを強いられてきました。「こどもが、まん中」と言われるが、現状は「こども、がまん中」だという指摘もあるくらいです。
今年の5月から夏休みへと至る時期を、つながりをV字回復させる時期とし、そのまんなかに、人によっては人生の1/4や1/3に当たる3年という長きにわたって各種のガマンを強いられてきたこどもたちを置きたい――
私たち「むすびえ」は、こうした思いを持って、全国のこども食堂を支援するセンターとして、人と人とのつながりをつくるこども食堂を盛り立てたいという思いを込めて「こども食堂応援大作戦!」と題した活動を展開します。ご注目いただければ幸いです。
— スローガン —
「つながりを、もっと」
数年にわたって向き合ってきたコロナ禍で、
時に楽しく、時に歯を食いしばってでも活動を続け、
つながり続けてきたこども食堂。
これからもそんなあたたかい地域の居場所を育むことが
誰も取りこぼさない社会づくりへの
大きな力の源となるために
むすびえは、
こども食堂から生まれるつながりを「もっと」
に向けた取り組みを考えたいと思っています。
2023年、むすびえはこども食堂に向けて以下の「もっと」を広めたい、深めたいとの思いを込めて、さまざまな活動を推進します。
① こども食堂と地域とのつながりを、もっと
② こども食堂同士のつながりを、もっと
③ こども食堂と応援してくれるひとたちとのつながりを、もっと
詳細は以下をご覧ください。
①こども食堂と地域とのつながりを、もっと
こども食堂は全国に7,363箇所に達しており、今年中に中学校の箇所数を超える可能性があります。かつてのこどもたちにとっての駄菓子屋や空き地のように、これからはこども食堂も、身近な地域の居場所になっていくことでしょう。そうした来るべき日本社会に向けて、2023年の春夏を、感染症対策に引き続き十分留意しつつも、こども食堂とこどもや地域のつながりを強め、深める時期にしていきます。
こども食堂の開設支援や継続支援、こどもたちが楽しめるイベント、こども食堂が参加するこどもや地域の人たちにもたらす変化の検証等を行い、こども食堂がある状態、あってよかったと思ってもらえる状態を創り出します。
<具体的な取り組み>
●立ち上げ支援、継続支援、会食再開支援を応援
・ファミリーマート むすぶ、つながる、こども食堂応援プロジェクト
むすびえは、2021年より株式会社ファミリーマートとともに「ファミリーマート むすぶ、つながる、こども食堂応援プロジェクト」を立ち上げ、支援活動を行っています。今年も春夏秋冬の助成プログラム等を通じてこども食堂の支援を継続します。
▼ファミリーマートとのこれまでの取り組みについて(直近の成果報告より)
https://musubie.org/news/6430/
・こども食堂基金2023春-こども食堂立ち上げ支援プロジェクト-
\こども食堂のみなさまへ/
会食再開や食材購入、こども達との食を中心としたイベントをされるこども食堂を応援します。
https://musubie.org/news/6588/
\地域ネットワーク団体のみなさまへ/
地域の実情にあわせた有機的なネットワーク活動を行うための支援や、地域を超えて連携を行う活動への支援をおこないます。
https://musubie.org/news/6585/
●遊びや文化体験の機会を創出
・食べる・遊ぶ・心育むこども食堂
こども食堂を通じた文化体験活動を応援します。地域の読み聞かせやけん玉の達人による遊びや、アーティストの派遣、絵手紙教室の実施等の文化・芸術等の体験活動の機会提供を通じて、楽しみながら「つながりづくり(コミュニケーション)」を後押しします。文化・芸術等の体験活動の実施を通じて、参加者の変化にも注目し、心を育む活動を推進します。
▼詳細は今後発表予定となります
②こども食堂同士のつながりを、もっと
会食形式の復活やイベントの再開を待ち望むこども食堂は多いです。他方で、コロナ禍の中で開設し、会食形式を経験したことのないこども食堂も多数あります。コロナ禍になってから継続してきた弁当や食材の配布から、会食形式への移行に戸惑う参加者もいます。5類変更→会食復活と単線的にストレートに進めるほど現場は単純ではありません。そうした中、頼りになるのは答えのない悩みを一緒に悩んでくれる仲間たちの存在です。つながりのV字回復を果たしていくためにも、運営者や関係者のつながりを育みます。
全国をまわっての公開ワークショップの開催、全国交流会の3年ぶりのリアル開催、相互に学び合う全国アドバイザー派遣制度の創設など、運営者・関係者らの重層的な交流を生み出します。
<具体的な取り組み>
●全国各地の運営者同士のつながりを促進
・全国公開ワークショップの開催
むすびえは2022年より全国47都道府県で、こども食堂運営者の「やっててよかった」エピソードを共有する「全国公開ワークショップ」を、各地のこども食堂ネットワークと共に順次実施しています。
エピソードを通して、「運営する場所は違えど、参加者の居場所を作りたいという想いはみんな同じ」ということを体感するワークショップです。2022年度には、6つの地域(青森県・岩手県・埼玉県・徳島県・島根県・愛知県)でこのワークショップを実施。2023年度にも香川県・北海道・宮崎県などでの開催が決定しています。
▼詳しくはこちら
URL: https://ks10th.musubie.org/zenkoku
・全国交流会の実施
コロナの感染症法上の区分が5類に変更されるという節目に3年ぶりに対面で実施する「全国交流会」では、全国各地でこども食堂のネットワークを守り育てている約200名の皆様にお集まりいただき、各地でのワークショップをよりよい形で実現できるよう、むすびえの各地域担当者とのパートナーシップを深めます。各地で実施するワークショップと全国交流会、各地担当者との連携を通じて、こども食堂運営者のつながりを深め、ポストコロナの新しいこども食堂の展開への後押しとします。
◎開催予定日:2023年6月3日(土) ※都内にてリアル開催
▼前回の全国交流会の様子はこちら
URL: https://musubie.org/news/6365/
●中間支援団体の学び合いを促進
・アドバイザー派遣制度の創設
こども食堂間のコーディネートを行い、その普及を後押しする各地のこども食堂ネットワーク団体が持っている知見や経験を共有しあうためのアドバイザー派遣制度を創設します。
この制度により、こども食堂ネットワーク団体同士の連携の活性化や交流を促進するとともに、アドバイザーが自治体との連携や拠点の設置、お寺でのパントリー実施など、それぞれの地域の取り組みを他の地域に紹介することによって、日本全国のこども食堂が好事例を共有できる仕組みを整えます。
▼詳細は今後発表予定となります
③こども食堂と応援してくれるひとたちとのつながりを、もっと
こども食堂は、民間の自発的な取組みで、多くの人たちがご自身のできることを持ち寄ることで成り立っています。現場を切り盛りする運営者のみなさんと、それを資金や物資等々で応援してくれるみなさんとの協力の産物です。居場所が多いほどこどもの自己肯定感は高くなること、そのこどもたちが私たちの未来であることを考えれば、居場所は私たちの未来を切り開く場所で、星の数ほどあることが望ましいことになります。こども食堂を盛り立てることは、応援してくれるみなさんとのつながりを広げることができて初めて可能になります。地域でボランティアに出向く、こども食堂のために場所を提供する、各都道府県にあるこども食堂を全体として応援する、寄付つき商品を開発する等々、こども食堂をめぐる物資やお金の流れを創り出し、各種資源が循環する地域づくりを促します。
<具体的な取り組み>
●こども食堂と出会う、知り合う機会
・「イオンこども食堂応援団」による啓発イベント
むすびえは、2020年よりイオン株式会社とともに「イオンこども食堂応援団」を立ち上げ、支援活動を行っています。今年も、地域の皆様にこども食堂について知ってもらい、つながっていただく機会として、全国各地で、フードドライブ活動やこども食堂の啓発イベントを開催します。
▼これまでの取り組みについて(イオン株式会社 プレスリリースより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003703.000007505.html
・「ポケモン こども食堂応援隊!」
むすびえは、一般財団法人ポケモン・ウィズ・ユー財団が実施しているこども食堂支援活動「ポケモン こども食堂応援隊!」をサポートしています。
「ポケモン こども食堂応援隊!」は各地を訪れる「こども食堂応援隊 日本全国訪問チュウ!」や、こども食堂各々のニーズに応じ、こどもたちにお配りいただけるグッズ、食堂でお使いいただける遊び道具や文具、スタッフ用の備品、来場促進のためのツールの提供等を行い、こども食堂に集まるこどもたちを中心に、笑顔の輪が広がることを目指します。
▼詳しくはこちら
URL: https://www.pokemon-foundation.or.jp/activity/kodomo_shokudo/
●こども食堂の活動への共感、支援の輪を広げます
・こども食堂に向けた「寄付付き自動販売機」の普及
むすびえでは現在、「特定非営利活動法人寄付型自動販売機普及協会」や各飲料メーカー、そして自販機を導入してくださる支援企業などのみなさまのご協力のもと、全国各地に「寄付付き自動販売機」の設置を拡大しています。
今後も設置を拡大していくと共に、当法人のみならず地域のこども食堂やネットワーク団体への支援の循環にも活用できるように推進していきます。
▼詳しくはこちら
URL: https://musubie.org/news/6571/
・こども食堂に対する認知調査の実施
「こども食堂」という名称の認知が広がる一方で、地域や一般の方にこども食堂の価値が正しく伝わっておらず活動の難しさがあるという現状があります。まずは、こども食堂の認知状況を把握するための全国調査を実施し、現状を明らかにします。次に、調査結果をふまえてこども食堂の正しい理解や共感の輪を広げていく発信へつなげていきます。
▼2020年に実施された認知調査について
URL: https://musubie.org/news/2659/
●こども食堂が生み出す価値の見える化を目指します
・「こども⾷堂が⽣み出す価値」の研究分析レポート
こども食堂は全国的な広がりの中で、子どもの貧困対策の一環として捉えられがちですが、地域の子どもからお年寄りまでの全世代が参加できるこども食堂も多くあり、包括的・複合的な価値を地域・社会に提供しています。むすびえは、潜在力のあるこども食堂が持つ多面的な社会的価値、成果を示すための調査をこども食堂等と一緒に進めてきました。このレポートは2023年の夏頃に、その内容を公開します。
▼詳細は今後発表予定となります
▼今後のスケジュール
▪4月末
アドバイザー派遣制度開始
▪5月
「こども食堂基金2023春」募集開始/
「こども食堂応援隊 日本全国訪問チュウ!」埼玉県、長崎県訪問
▪6月
「こども食堂が生み出す価値」研究分析レポートの発表
▪6月3日
全国交流会@東京・品川
▪6月27日
全国公開ワークショップ@香川(7月2日北海道、23日宮崎での開催予定)
▪7月~
全国規模のこども食堂認知拡大・啓発プロジェクト/
「こども食堂応援隊 日本全国訪問チュウ!」伊豆大島訪問
▪2023年下期
こども食堂交流助成プロジェクト開始
▪2024年2月
全国交流会
★上記については一部取材対応が可能ですので、ご関心のある報道関係者さまは下記問い合わせ先からご連絡いただければと思います。
※スケジュールについては一部変更する可能性があります
▼詳細な情報について
各取り組みについては5月以降、特設サイトやプレスリリース、SNSを通して順次情報公開を予定しています。
▼本件に関するお問合せについて
認定NPO法人 全国こども食堂支援センター・むすびえ 広報担当
pr@musubie.org (山下・江副)