新着情報

「地域コミュニティをつなぐ、情報発信の場を創る」 〜イオン株式会社 〜

―― プロジェクトの概要

全国で事業を展開し、約2万店舗を運営しているイオンは、新型コロナウイルスが社会生活へ影響を及ぼし始めた2020年4月に、こども食堂への募金活動を行いました。その後、むすびえと連携を重ねる中で、スポット的な支援ではなく、継続的な支援の必要性を感じ、2020年12月に「イオン こども食堂応援団」を発足。全国に店舗がある強みを生かし、こども食堂の活動の「場」としてイオン店舗のスペースを提供したり、店頭でのフードドライブ活動を通じて食品を提供したりするなど、地域コミュニティをつなぐ一役を担っています。また、募金活動や公益財団法人イオンワンパーセントクラブからの資金提供も継続して行っています。

当プロジェクトの主管部署である、環境・社会貢献部部長の鈴木さんにお話を伺いました。

―― 支援しようと思ったきっかけを教えてください。

実は支援を始めるまで、子どもたちの置かれている状況や、支援団体が活動にご苦労されている現実をよくわかっていませんでした。正しい知識を得るきっかけは、コロナ禍だったのです。まずできることから始めようと、2020年の4月に募金活動を行いました。しかし、こども食堂のさまざまな困りごとを理解するにつれ、スポット的な支援だけではなく、継続的な支援が必要と考えるようになりました。全国に店舗を構え、地域と深いつながりを持つイオンだからこそできることがあるはずと、同年12月に「イオン こども食堂応援団」を発足。イオンの店舗を会場にイベントを開催したり、家で余っている食品を持ち寄るフードドライブの呼びかけをしたりするなど、こども食堂のニーズを聞きながら、さまざまな取り組みを行っています。

―― 支援に対しての想いや、実際支援している中で感じていること、具体的なエピソードなどを教えてください。

地域のこども食堂やむすびえさんと接点を持つ中で、こども食堂自体は子どもの「食」だけでなく、「地域づくりの場」として重要な役割を担っていることを認識するようになりました。困っている方をダイレクトに支援するには個人を特定する必要がありますが、そこにはハードルがあります。こども食堂は、地域に暮らすさまざまな立場の皆さんがともに手を携えながら、子どもたちがより良い生活を送ることができるよう活動されています。個人を特定せずに支援する方法として、こども食堂が果たす役割は大きいと気付いたのです。

また、店舗での募金額や、フードドライブにおける食品の集まり具合からも、お客さまの関心の高さを実感しています。また、近隣のこども食堂に協力してもらい、周辺にどのようなこども食堂があるのかを知ってもらうPR活動を行っている店舗もありますが、お客さまから「こども食堂とはどういう取り組みなのか」といった質問をいただくこともあるようです。自分から遠いところの課題ではなく、自分事として受け止め、身の回りの困っている人を応援したいという想いがあるのだと感じます。双方をつなげるために、情報発信し続けていくことも、不特定多数のお客さまが集まる店舗という「場」を持つ私たちができる役割なのだと感じるようになりました。
店舗と近隣のこども食堂がつながり、それをむすびえさんやイオン本社がサポートしていく。その体制を整えることで、地域の人がよりかかわりやすくなり、やがて「こども食堂を支援し、参加すること」がコミュニティ活動の一環として定着するのではないかと考えています。

―― 今後こども食堂やむすびえとどのようにかかわっていこうと考えていらっしゃいますか。

今年から、従業員が一個人としてこども食堂に配膳の手伝いなどのボランティアに参加する活動を開始する計画です。ボランティアにかかわることで自らの人生が豊かになることを体感してほしいという想いもあります。また、従業員による「人的支援」としてこども食堂にかかわるボランティア活動を継続させていく体制が整えば、「場の提供」「物品支援」「金銭寄付」と並ぶイオンによる支援の柱の一つになるのではと考えています。これまでもイオンは事業活動に関係性の高い、事業特性が活かせる分野の地域貢献活動を行ってきました。今回も、地域で困っていることと私たちのできることがうまく結びついたプログラムですが、従業員のボランティア参画とも連携させるのは新たな試みです。
本来、私たちの店舗は買い物をするだけでなく、お客さまが環境活動について知ったり、地域とつながったりするなど、新しいことに出会う体験の場としての役割もあると考えています。お客さまがそういった体験に気軽に参加できる機会を設けることで、地域の問題に関心を持ってもらい、ともに地域づくりをしていく仲間となっていけたら嬉しいです。
また、イオンがグループ全体で支援の枠組みを提供していくことができれば、さらなる取り組みの発展も期待できると考えます。今後もむすびえさんと連携し、こども食堂に共通するニーズや課題を共有し各地域にあった支援を行いながら、本質的な課題の解決にも取り組んでいきたいと考えています。そしてその先にある、より良い地域のあり方について、むすびえさんとともに考えていけたらと思っています。

―― むすびえメンバーより

誰かが見守ってくれているのを感じられる地域づくりや、持続可能な社会を作るための活動について、全国にいるイオングループの皆さんと考えたり、啓発活動をしたりする機会をいただけていることに感謝しています。これまでの10年を振り返りながら、これからの10年、社会や私たちの暮らしをどのようにしていくのかという問いを社会に投げかける活動を引き続き一緒にさせていただけたら嬉しいです。

新着情報一覧へ
トップへ戻る