認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ(以下、むすびえ。東京都・理事長 湯浅誠)は、こども食堂10周年を契機に、これまでのこども食堂の歩み・道のりを振り返るとともに、こども食堂の支援を通じてだれも取りこぼさない社会の実現に向け、多くの方々をこども食堂への参加につなげていく新たな取り組みを5月5日のこどもの日から開始します。
こども食堂10周年の取り組みは、「#みんなで食べるとおいしいね」を合言葉に、こども食堂を知っていただくための取組み、こども食堂を広めるための取組み、こども食堂とみんなを結びつけるための取組みの3つを柱に進めてまいります。
【こども食堂10周年の取り組み】
1.こども食堂を知ってもらうために
こども食堂10周年特設サイトのオープン
こども食堂のこれまでの歩み、運営者のみなさんのメッセージ、支援いただいている企業のインタビューなどを掲載しています。全国のこども食堂の紹介動画を5月5日に公開します。
サイトURL:https://ks10th.musubie.org/
「こども食堂全国マップ」の公開
「行ってみたいが、どこにあるのかわからない」との声に応え、自治体ホームページ等の公開情報を元に、全国のこども食堂の名称・住所を全国マップにし、どの小学校区にあるかを明らかにしました(約3,100箇所)。「こどもの居場所」は子どもたちにわかるよう伝えられる必要があり、自治体には情報の把握と更新、オープンデータ化を通じた住民サービスの向上を求めます。
サイトURL:https://musubie.org/news/4968/
2.こども食堂を広めるために
「こども食堂が大事にしていること/これからも大事にしていきたいこと」を運営者の方々などとまとめました
むすびえは、こども食堂運営者、こども食堂地域ネットワーク団体の有志の方々と「こども食堂が大事にしていること/これからも大事にしていきたいこと」を5つにまとめました。多くのこども食堂が大事にしていることが、これからこども食堂を始めようとする多様な担い手の方たちに伝わることを願っています。
サイトURL:https://musubie.org/news/5031/
「居場所の力をわかちあう 〜こども食堂全国ツアー〜」の実施
「こども食堂でだけは煮物を食べる」「親が驚くほど勉強に集中する」――こども食堂は小さくても温かいエピソードに溢れています。「食べるだけの場所じゃない」と運営者のみなさんは口をそろえます。では何が起こっているのか。全47都道府県で、こども食堂のみなさんとともに、居場所の力を実感し、共有し、伝播していくためのイベントツアーを開催します。
おもちゃライブラリーの実施
各地のこども食堂で、おもちゃを定期的に貸し出す「おもちゃライブラリー」の募集を今後実施する予定です。先行して実施したこども食堂では、「子どもたちはたくさんのおもちゃに目移りしながら次々に楽しんでいた。スタッフも一緒に遊べて楽しかった。」という声が寄せられました。コロナ禍の3度目のこどもの日。子どもが子どもらしく過ごせるよう、社会全体で知恵を絞っていきます。
3.こども食堂とみんなを結びつけるために
こども食堂応援団の発足
こども食堂の運営は多くの企業・団体のご支援とご協力で成り立っており、その方たちも未来をともにつくる仲間だ、と私たちは考えています。こども食堂を支えてくれる大切な仲間である企業・団体のみなさんに応援団に参加いただき、10周年を未来につなげる取組みをご一緒します。
サイトURL:https://musubie.org/news/5032/
こども食堂10周年ロゴマークの作成
10周年をともに祝ってくれる人たちの共通アイコンとして、こども食堂10周年ロゴマークを作成しました。「私たちの社会が、やさしい社会になるように。あたたかいつながりが実感できる社会が続くように。」といった想いを込めたロゴです。チラシに貼付する、SNSでシェアする、プロジェクトページに掲載するなど、こども食堂運営者や応援いただくみなさんに広く使っていただければと願っています。
サイトURL:https://musubie.org/news/4901/
【理事長からのメッセージ】
コロナ禍で3度目の「こどもの日」がやってきます。
マスクで表情が見えない、黙食で会話がない、温もりを感じられる触れ合いがない、驚きに満ちた体験がない、という状態のまま、小学校1年生が3年生になりました。この数年が子どもたちの将来にどのような変化をもたらすのか、心配する声が多くあります。
そのような中、こども食堂は今年、誕生10周年を迎えます。
2012年に東京・大田区で初めて「こども食堂」の暖簾が掛かって以来、子どものため、地域のため、と多くの人がその取組みに参加した結果、2021年時点で6000箇所にまで増えました。行政サービスである児童館の数を越え、利用者は年間推計で延べ1,050万人にのぼります。
こども食堂が子どもたちと地域に提供してきたもの、それは多彩な笑顔であり、たくさんのおしゃべりであり、人の温もりであり、親とは違うタイプの大人たち(ロールモデル)でした。そしてコロナ禍でも、弁当配布や食材配布の際の声かけによって「なんとかつながり続けようとする気持ち」でした。
私たちは、東日本大震災とコロナ禍・戦争に挟まれたこの10年間に日本社会に広がり続けた「こども食堂」という社会現象、そこに込められた一人ひとりの「想い」と「気持ち」を社会全体で共有するために、10周年の取り組みを開始します。
こども食堂10周年の取り組みは、「#みんなで食べるとおいしいね」を合言葉にしました。こども食堂は、その多くが、対象を限定しない、すべての人々に開かれた公園のような場所です。年齢も所得も関係なく、「いいよ、いいよ。みんなおいでよ。みんなで食べるとおいしいよね」という精神で設立・運営されてきました。そうしたこども食堂のありのままの姿が10周年を機に広く共有されることも、私たちは願っています。
【認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ】
代表者 : 理事長 湯浅 誠(社会活動家・東京大学特任教授)
所在地 : 東京都新宿区西新宿1丁目20番3号 西新宿髙木ビル7階
設立 : 2018年12月(2021年5月認定NPO法人取得、10月グッドガバナンス認証取得)
むすびえは、ビジョンである「全国に広がるこども食堂を通じて誰も取りこぼさない社会をつくる」ために、こども食堂が全国のどこにでもあり、みんなが安心して行ける場所となるよう環境を整え、こども食堂を通じて、多くの人たちが未来をつくる社会活動に参加できるように活動しています。具体的には、こども食堂の実態を明らかにし普及・啓発する調査研究、各地域のこども食堂ネットワークを支援する地域ネットワーク支援事業、企業・団体とこども食堂支援を行う企業・団体との連携事業を行っています。
コロナ禍では「新型コロナウィルス対策緊急プロジェクト」を立ち上げ、食材等の寄付を呼びかけ、その後、こども食堂の資金支援をするために「むすびえ・こども食堂基金」を創設し、2020 年4月から12 月までの半年で674 団体に対して総額1億2千万円を助成しました。他にも、のべ約9千カ所に物資を届け、金額に換算すると約2億7千万円の支援を仲介。また、感染症に詳しい小児科医の協力を得て「こども食堂・フードパントリー開設簡易ハンドブック」の発行、動画「地域みんなで子どもを育てるためにこれならできる with コロナ時代のこども食堂」の制作、個別相談会の開催などを実施しながらこども食堂の活動をサポートしています。
【こども食堂について】
地域食堂、みんなの家などという名称にかかわらず、子どもが一人でも安心して来られる無料または低額の食堂。「子どもの貧困対策」と「地域交流拠点」の2つの大きな軸があり、制度の裏付けはありませんが、箇所数は6,014(2021.12発表。むすびえ、地域ネットワーク団体調べ)あることが明らかになってます。(参考:全国の小学校は約2万校、中学校は約1万校、児童館は4,000カ所。)