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【お知らせ】むすびえ・休眠預金通常枠「居場所の包括連携によるモデル地域づくり(全国)」採択結果について

むすびえ・休眠預金通常枠「居場所の包括連携によるモデル地域づくり(全国)」の採択結果につきまして、以下の通り発表いたします。

本事業の公募に対し、10都府県から13団体のご応募をいただきました。

コロナ渦の厳しい環境が続き、様々な取り組みでお忙しくされている中、申請書の作成は大変なご負担だったと思います。日々のご活動の中で、長く地域全体の痛みを肌身に感じながら、地域社会の未来へのあたたかく、力強い眼差しとご活動のご様子に、選考委員・事務局ともども、大変感銘を受けました。

ご応募いただきました皆様に、心から敬意を表します。ご申請いただき、ありがとうございました。

選考会 清原委員長からのメッセージ


地域での「多世代交流拠点」としての「こども食堂」の実践を期待して                  

このたびの休眠預金を活用したむすびえの助成は、こども食堂およびこども食堂をハブとした地域づくりを行う団体が対象です。

そして、「誰一人取り残さない」ことを目指す国連の「SDGs(持続可能な開発目標)」の目標年次の 2030年頃に、事業対象地域において、包括的に居場所が連携し、子どもや子育て世帯、高齢者の孤立など複雑な社会課題の予防や早期発見、対応ができる地域コミュニティの創造を目指しています。

そのために、分野やテーマに限定されることなく、こどもとおとなの居場所の包括連携によって、地域(コミュニティ)づくりを行う事業を、3年間にわたって財政的のみならず、その運営について伴走しつつ継続的に支援しようとするものです。 

そこで、選考委員長としては、一方で応募団体が本事業の趣旨と必要事項を実現できる計画と体制等を確保できているかについて重視するとともに、他方でむすびえの本プロジェクトメンバーや外部アドバイザーによる個別相談等の「非資金的支援」のパートナーとして十分な体制等が質的に確保されているかについても重視する方向で選考に臨みました。

こうして、応募団体が提出された書類のみならず面接での記録を拝読して、応募団体の申請内容に表れている地域連携となる事業者・団体・行政等との関係性、3年間にわたる計画の内容と、3年後以降の持続可能性確保の取組みなどを相対的に重視して採択団体を決定させていただきました。

さて、私は一人の市民として、1970年代の学生時代に在住の三鷹市の基本計画を策定する際の市民参加組織への参画を皮切りに、国や自治体の政策形成過程への参加の経験を重ねました。学生時代は、地域社会の地域文庫のボランティアの経験もしました。

また、2003年から2019年まで三鷹市長を務めていた際も、重視してきたのは住民の皆様の人生の現場の重要な一つは「地域社会」であるという視点です。

そこで、自治体行政は特に地域社会において、多様な人々、企業や関係団体と連携し、協働していくことが重要と認識して、たとえば「コミュニティ・スクールを基盤とした小中一貫教育」の開設、町会・自治会等の活動の活性化を支援する「がんばる地域応援プロジェクト」の創設、7つのコミュニティ住区における市民や関係団体を構成員とする地域福祉のネットワークである「地域ケア・ネットワーク」の創設などに取り組みました。

現在は、少子長寿化はさらに進展しているにもかかわらず、長引くコロナ禍にあって非対面が求められていることから、現在、孤立する高齢者・障がい者、子育て世帯の存在が大きな課題となっていますので、地域社会(コミュニティ)の居場所づくりの重要性は益々高まっていると思います。

どうぞ、残念ながら採択されなかった皆様におかれましても、今回の申請を契機に検討された各団体の地域の居場所づくりに向けた未来図の実現に向けて、ご努力を継続していただくことをお願いいたします。

そして、採択団体におかれましては、それぞれの地域の実情に応じたきめ細かい地域の居場所づくりの取組みを、着実に進めていただきますようにお願いいたします。その際、むすびえの本事業のパートナーの皆様との密接な情報共有と課題解決にむけた協働の歩みを心から期待しています。

ご応募された各団体のご努力に敬意を表し、心から感謝申し上げます。

清原慶子 杏林大学客員教授、ルーテル学院大学学事顧問・客員教授、前・東京都三鷹市長、前・全国市長会少子化施策担当副会長 

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選考委員からのメッセージ

戸田市副市長の内田です。
今回は、「居場所の連携によって、子どもも障がい者も高齢者も、誰ひとり取り残さない仕組を作ろう」というテーマでした。
全国から意欲的なプロジェクトを多数ご提案いただき、ありがとうございました。
私はいま副市長として、戸田市の高齢者のコロナワクチン接種に取り組んでいますが、貧困や孤立、障がいや疾病、情報格差など、様々な障壁によって取り残され、命を守るための「ワクチン」に辿り着けない高齢者が相当数いることが分かってきました。
ここであらためて重要だと感じたのが、普段からの人と人とのつながりです。
孤立している家庭や弱い立場に置かれている人々を地域全体で見守り、温かく包み込む仕組づくりが普段からできているかどうかによって、有事の際に命を守れるかどうかにも直結します。
そう考えたとき、今回のテーマはコロナ禍の今、日本が最優先で取り組まなければならないものであることを再確認できます。
採択団体の皆さんは、ぜひ地域のあらゆるリソースを掘り起こし、つなぎあわせて、子どもも大人も障がい者も、誰ひとり取り残さない社会づくりにチャレンジしていただきたいと思います。
また、今回採択に至らなかった団体、そして同じテーマに取り組む全国のすべての皆さんにも、ぜひ地域の実情に合わせてこのテーマに取り組んでいただき、発信をしていただきたいと思います。

内田貴之 戸田市副市長、前 埼玉県福祉部企画幹

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この度は休眠預金を活用した助成金の審査を終え、むすびえがこれから3年間、一緒に走っていく実行団体を採択いたしました。ご応募いただいた皆様、ありがとうございました。そして採択された団体の皆様、おめでとうございます。
審査員としても、むすびえとしても、貴重な資源である休眠預金を社会の財として役立てていくという初の試みに気が引き締まる思いでした。
休眠預金は10年間使われていない預金口座のお金=休眠預金700億円を社会のために活用する仕組みです。
慎重な選考が必要で、審査にあたって、むすびえの事務局チームは現地に足を運び、応募団体との対話を大切にしました。また、その対話の一部に審査員も遠隔で同席するようなこともありました。実行団体それぞれの真摯な声、課題を聞きました。そのプロセスを踏むのは、ただ資金を提供して終わりではなく、3年間という期間、資金配分団体むすびえがパートナーとして、実行団体に関わっていくからです。意味ある大きな資金なので、それだけ丁寧に運営していかなければなりません。
そして採択された団体様はこども食堂を運営するのではなく、地域の要として、こども食堂を運営する人、したい人たちを支援します。また行政や企業との繋がりをもち、子どもだけでなく、高齢者を含め地域全体の「安全な居場所」の「仕組み」を作る重要な役割を担います。実績や実力、マンパワー、そして「思い」が必要です。
コロナで孤立し、行政の助けにアクセスできない人が増えています。コロナが終わっても持続可能な「支え合える」地域を作るために欠かせない団体が、全国に増えていくこと。その第一歩が今回の事業ではないでしょうか。審査だけでなく、今後3年間、私もむすびえと一緒に、その試みを応援していきたいと思っています。

白河桃子 相模女子大学大学院特任教授 ジャーナリスト 

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むすびえ 理事長からのメッセージ

むすびえ・休眠預金通常枠「居場所の包括連携によるモデル地域づくり(全国)」の実行団体にご応募いただいたみなさま、ありがとうございました。

採択に至らなかったみなさま、大変な申請作業を行なっていただいたのに、ご期待に添えず、すみませんでした。選考プロセスの中で、みなさんの活動から多くを学ばせていただきました。ありがとうございました。
採択されたみなさま、これから長いおつきあいになります。どうぞよろしくお願いします。

今回の事業の射程は、それを設定した私たちむすびえとしても、大変チャレンジングなものだと感じています。
こども食堂はまだ新しい活動で、地域の中にはたくさんの「先輩格」がいます。その人たちに認めてもらいながら民間の連携を進め、行政との官民連携も進める。それによって、誰もがこぼれにくい地域を創り出していくというのは、「言うは易し・・」の言葉通りの困難な事業です。
こども食堂のような多世代交流拠点がどこにでもあるという状態は、すべての人に伴走支援がついているような状態です。「このような状態ができたら本当にいいよね」という想いの共有がベースになって初めて、「現実」が進んでいくのだろうと思います。しかし現状では、その想いは必ずしも地域全体に広く共有されているわけではない。そこから構築していかなければなりません。
私たちができるわけでも、やり方を知っているわけでもありません。だから、ともに学び合い、育ち合いながら、一緒に山を登っていただければと思います。そのための3年間です。たくさんの困難があると思いますが、私たち自身が支え合って、一つひとつ乗り越えていければと願っています。

湯浅誠 認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ 理事長、社会活動家、東京大学 特任教授

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事務局より

この度は、ご申請くださいましたこと、誠にありがとうございました。
短期間でのご準備にご負担をおかけしたことと思います。

今回の選考については、全ての事業を応援申し上げたい気持ちがありつつ、予算上の制約や事業の特性もあり、選考基準に基づき、取り組みを選考委員会で検討を重ね、優先順位をつけさせていただきました。

個別の審査結果についてはお答えできないのですが、今回の選考委員会で各委員から出たコメントを踏まえますと、総合的にみて次のような申請書がより高い評価を得た傾向がありましたこと、ご報告申し上げます。

・ガバナンス・コンプライアンス等組織基盤や実施体制が十分だと感じられる。
・募集事業内容の活動に一致している事業計画になっている。
・事業計画が実施する為の現状が把握されていることが申請書から読み取れる。
・連携を促進し、内部・外部問わず、ステークホルダーとの対話が重要視されている。
・これまでの継続的な活動からの学びや経験を活かして、新しいチャレンジに事業担当者のみならず関係者が、覚悟を持って取り組もうとしていると感じられる。

今後の参考になれば幸いです。

採択団体一覧
・新座子育てネットワーク
・坂井市社会福祉協議会
・堺市社会福祉協議会
・タウンスペースWAKWAK

▼PDF資料
https://musubie.org/wp/wp-content/uploads/2022/08/c6279039072783b789e83978cece5f81.pdf

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