「こども食堂の現状&困りごとアンケート」最新調査結果報告
【こども食堂調査結果】2月時点の「一同に会してのこども食堂」の開催は11.9%。感染対策が難しく「予定が立たない」と回答した団体は50.7%
NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ(以下、むすびえ。東京都・理事長 湯浅誠)では、新型コロナウイルスの感染が拡大するなかで、全国のこども食堂の現状と困りごとを聞くアンケート調査を行なっています。
今回、コロナ禍における過去3回(第1回:2020年4月13日~17日実施、第2回:2020年6月19日~25日実施、第3回:2020年9月20日~28日実施)に続き第4回の調査結果がまとまりましたので、ご報告いたします。
本アンケートは、むすびえ「ありがとう」キャンペーンの一環で実施した「子どもたちに、あたたかいつながりを。「こども食堂」の支援を通じて、子どもの育ちを支えたい。」クラウドファンディングを通じたご支援により実施いたしました。ご支援いただきました皆様、ありがとうございました。
こども食堂の現状&困りごとアンケート調査結果のダウンロードはこちらから。
※一部記載内容に誤りがあり修正いたしました。(3月12日)
【修正箇所】
P.7 第1部:❸こども食堂開催状況
誤)「参考:第2回アンケート結果 6月現在、708件 ※複数回答あり」
正)「参考:第2回アンケート結果 6月現在、460件 ※複数回答あり」
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【調査概要】
回答期限:2021年2月1日(月)~10日(水)
回答対象:各地の「こども食堂の地域ネットワーク」および「こども食堂ネットワーク」とつながるこども食堂
(むすびえの「地域ネットワークメーリングリスト」と「こども食堂ネットワークのメーリングリスト」から回答を呼びかけ)
回答数:33都道府県 343件
実施:NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ、こども食堂ネットワーク
【調査内容】
第1部:こども食堂の現状&困りごとアンケート vol.4
・こども食堂開始年
・こども食堂の運営母体
・2021年2月時点のこども食堂の開催状況、開催していない理由
・一堂に会してのこども食堂の再開時期
・活動に関する困りごと
第2部:防災に関するアンケート調査
・防災への関心
・防災士の有無、人数
第3部:あなたにとってこども食堂とは?(テキストマイニング)
第4部:活動に関する困りごと(自由記述)
【アンケートからわかること(一部抜粋)】
・こども食堂を開催していると回答した人が11.9%と9月に実施したアンケート結果と比べ9.3%減少している一方で、複数活動を実施している団体が、35.9%と9月に実施したアンケート結果と比べ24%増加している。
・こども食堂の非開催理由の回答として感染防止の対応が難しいことを理由にする人が74.2%。
一番の理由としても感染防止対策が難しいという理由が55.4%と過半数を超え最も多い結果となった。
・現在開催、1,2カ月後に開催を予定している人たちを合わせると、39.7%と4割り近くになる一方で、50.7%と約半数が再開予定が立っていない状況
・2度目の緊急事態宣言もあってか、まだ予定は立っていないと回答する割合が6月、9月に実施した直近2回の過去アンケート結果の中で最も多い結果となった。
・6月、9月に実施したアンケートに続き、感染拡大の不安・感染防止対策の困りごとを感じているところが 56.0%と過半数以上。次いで必要な人(貧困家庭など)に支援を届けること51.9%と過半数以上が困りごととして挙げている。
・今回のアンケートで最も困っていることを聴取した結果、必要な人(貧困家庭など)に支援を届けること23.0%、運営資金の不足21.6%、感染拡大の不安・感染防止の対応20.4%の順で多い結果となった。
・こども食堂の運営にあたり「防災」への関心に対し約8割の78.1%が関心有と回答。中でも強い関心があるという回答も37.3%と4割近い。
・一方で防災士の人数は0人が87.2%とほとんどの団体では防災士が不在の状態である。
・「こども食堂とは?」という質問をテキストマイニングした結果、「居場所」「つながり」「温かい」というキーワードのスコアが高くなりました。こども食堂は子どもの貧困対策と地域交流拠点の二本柱で運営されているところがほとんどですが、地域のあたたかいつながりのある居場所としての思いがつまったところでもあることがわかります。
【むすびえ理事長湯浅誠より、アンケートの結果を受けて。】
再び、緊急事態宣言下での調査となりました。今回は、発令地域が限定されていた上、発令地域においても学校等は開かれていました。コロナ禍1年間の症例の蓄積の中で、子どもは「うつりにくい、うつしにくい、重症化しにくい」ことがわかってきたからです。
しかし、今回のアンケート結果は、その違いがこども食堂には表れていないことを明らかにしました。一堂に会する居場所を開けているのは11.9%と昨年4月とほぼ変わらず、再開時期の「予定が立たない」と答えたこども食堂は、昨年9月よりも増え、過半数を超えました。最大の理由は、相変わらず「感染防止の対応が難しい」でした。
ワクチン接種が始まりましたが、重症化防止効果は認められているものの、感染予防効果についてははっきりせず、マスク着用や三密回避の奨励等の感染防止対応は、今後も当分は必要であり続けると予想します。感染防止の対応が難しく、再開予定が立たないという現状を変えられないと、こども食堂の全国的な休止状態が長期化するおそれがあります。それは、子どもたちから居場所が奪われ続ける状態の長期化を意味します。
コロナは怖い。同時に、子どもたちから居場所が奪われ続ける状態が続くことも、とても怖い。「命」のため、「育ち」のために、私たちはなんとか感染防止と居場所開催の両立を模索したいと考えています。
「子どもたちの居場所を守ろう!」を合言葉に、多くの人たちで知恵を出し合い、この困難な状況を乗り越えていければと願っています。
■企業等からの食材等の提供の呼びかけについて。
https://musubie.org/news/2073/
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■感染症対策コンテンツ(動画、マークなど) のご案内
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■個人・法人からのご寄付はこちらから受付ています。
https://congrant.com/project/musubie/1476
ぜひ、継続したこども食堂を支える活動を、ご支援ください。
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【こども食堂について】
地域食堂、みんなの家などという名称にかかわらず、子どもが一人でも安心して来られる無料または低額の食堂。「子どもの貧困対策」と「地域交流拠点」の2つの大きな軸があり、制度の裏付けはないが、箇所数は4,960(2020.12発表。むすびえ、地域ネットワーク団体調べ)あることが明らかになっている。(参考:全国の小学校は約2万校、中学校は約1万校、児童館は4,000か所。)こども食堂の認知は8割を超えている一方で、実際に行ったことある子どもは1割に満たないこともわかっている。
コロナ禍では「居場所」としての開催はできなくても、日頃からのつながりをいかし、食材や弁当等を配布するフードパントリー等の活動を行ない、子どもたちの健やかな成長をやさしく見守る地域活動として、全国にその様子は報道された。
【NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえについて(理事長・湯浅誠)】
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当団体は、ビジョンである「全国に広がるこども食堂を通じて誰も取りこぼさない社会をつくる」ために、こども食堂が全国のどこにでもあり、みんなが安心して行ける場所となるよう環境を整え、こども食堂を通じて、多くの人たちが未来をつくる社会活動に参加できるように活動している。具体的には、こども食堂の実態を明らかにし普及・啓発する調査研究、各地域のこども食堂ネットワークを支援する地域ネットワーク支援事業、企業・団体とのこども食堂支援を行う企業・団体との連携事業を行なっている。
コロナ禍では2020年3月5日に「新型コロナウィルス対策緊急プロジェクト」を立ち上げ、食材等の寄付を呼びかけ、その後、こども食堂の資金支援をするために「むすびえ・こども食堂基金」を創設し、2020年4月から12月までの半年で674団体に対して総額1億2千円を助成しました。他にも、感染症に詳しい小児科医の協力を得て「こども食堂・フードパントリー開設簡易ハンドブック」の発行、動画「地域みんなで子どもを育てるためにこれならできる withコロナ時代のこども食堂」の制作、個別相談会の開催などを実施しながらこども食堂の活動をサポートしています。
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【添付資料】
全国のこども食堂の現状と困りごとを聞くアンケート調査(第1回)
https://musubie.org/wp/wp-content/uploads/2020/04/musubie_Q_sheet_0423.pdf
全国のこども食堂の現状と困りごとを聞くアンケート調査(第2回)
https://musubie.org/wp/wp-content/uploads/2020/07/musubie_Q2_sheet_0713.pdf
全国のこども食堂の現状と困りごとを聞くアンケート調査(第3回)
https://musubie.org/wp/wp-content/uploads/2020/10/musubie_Q3_sheet_1020_02.pdf
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【本件に関するお問い合わせ先】
全国こども食堂支援センター・むすびえ
shibuya@musubie.org
担当:渋谷