事例紹介

【福岡県北九州市】「第3回 九州・沖縄のこども食堂がつながる研修会in北九州」に参加しました!

2/22〜23にかけて、「第3回 九州・沖縄のこども食堂がつながる研修会in北九州」が開催されました。
当日は、地域ネットワーク団体の方、こども食堂運営者の方、フードバンクや自治体の方々、大学生、など約160名が参加。
各ネットワーク団体と学生からの事例発表の後、むすびえ理事長湯浅より講演が行われました。

2月22日の研修会は、コロナウイルス対策の影響で、計画よりも短縮してのプログラム。休憩のたびに換気を行い、発表者以外は全員マスクを着用、マイクや机などは、消毒液で都度、拭き取り、入室時は、必ず手を消毒するなど徹底された体制で行われました。

事例発表では、各地のネットワーク団体の取り組みが発表され、それぞれの県で来年度、どのように取り組んでいこうか、新しい視点で活動内容を考えられる内容の濃い時間となりました。

長崎:親子いこいの広場 もくもく 数山有里さんの発表
福岡:NPO法人チャイルドセンター 大谷清美さんの発表

北九州市立大学の学生からの発表もあり、
学生が関わることの意義が伝えられました。
・こどもが大人には話せないことがある、そこをつなげる・聞くことができるのが学生
・地域の住民ではない「適切な距離感」を保つことができるのが学生
地域における学生の立ち位置をよく理解して、「自分たちにできることは何か?」ということを考えながら取り組まれている様子に感銘を受けました。

学生がやりがいを感じるポイントは?
・子供との壁がなくなったと感じた時、「変化」を感じた時、「共有できている」空間などに対して喜びを実感できた時。

具体的には、「嫌いな食べ物に全然手をつけられない子がいた、その横でよく食べている子がいた。その食べている子を褒めていると、次の瞬間、手をつけられないでいた子も嫌いなものを食べられるようになった!」というエピソードがあったそうです。
空間を共にし、一緒に食べているからこそ生まれた子供の変化。
その変化を感じられる、その瞬間に携わることができることで学生は喜びを感じるようです。

北九州市立大学学生の発表

理事長湯浅の基調講演
「現在、全国にこども食堂は、少なくとも3,718箇所ある。
たった、8年でここまで形になった市民活動はここまでにない!

こども食堂を実施していることに対して、『あら、偉いわね〜』と今は言われる。
もっともっと当たり前になれば、『あなたもやっているのね!ご苦労様』となる。
個人もやる、企業もやる、学校も朝ごはん子ども食堂を実施するとこども食堂が地域にあることが当たり前になる。
そこを目指したい!「夢物語」ではないと思っています。

『うちの地域には、一緒にやってくれる人がいない。』という方がたくさんいる。
そのような状況で、1400箇所も増えますか?
『本当にそうか?手伝ってくれる人はいないのか?』と3回、自分に聞いてみてください。いるから。必ずいるから。

理解してくれる人が増えたら、地域の未来を作る活動なんだ!といろんな人が思う。
誰も特別だとは、思わない。
強いつながりづくりをご一緒したい!と思っています。よろしくお願いしますね!」
と、力強くメッセージを添えて講演を終えました。

会場から「継続すること」の難しさに関する質問も。

続いて、2月23日には、地域ネットワーク団体の代表者が集まり、勉強会が行われました。
会の中では、各地が抱える課題について共有され、前向きな議論が行われました。

行政が事務局を務め、ネットワーク団体を運営している北九州市 子ども家庭局 子育て支援部 子育て支援課 子ども食堂担当係長 長迫和宏さんの進行で、「自治体に求めることは何か?」という各県への問いと共に話が進みました。

・学校との連携の調整
→教育委員会の壁が厚い。その一歩を踏み出すためには、行政の力が必要となる。
・場所の貸し出しの調整
→公的施設の貸し出しの調整や地域内に借りられる場所があれば、情報共有と共に、紹介をしてほしい。
・こども支援系の課だけではなく、高齢者支援の課との横のつながりの形成
→ご高齢者の方も活躍するこども食堂。多世代に渡り効果があることについて、自治体内でも理解促進を図っていただきたい。
・保健所との連携体制の構築
→対応が様々な現状を踏まえ、統一的な見解を示してほしい。
などが挙がりました。

勉強会の様子

継続するには、「地域との連携」が必須となることを強く感じながら、活動を続けておられるネットワーク団体の皆様。
こども食堂の意義を理解しながら、運営者お一人お一人が立ち上げる時に抱いた想いを大切にして、活動を続けられています。
各自治体との連携も深めながら進める取り組みについて具体的な意見交換が活発に行われました。
各地に戻り、前向きな連携が展開することを願っております。

「継続すること」で見えてくるものがある。
協力者も増えてくる、関わる人が多くなることで課題が出てくることもある。
その時に大切になるのが、何を目的に自分たちは立ち上がったのか?ということ。
「子どものため、地域のために、、、」、みんなで向かう方向をもう一度、確認して、オンラインだけでなく、顔を合わせて、立ち返る時間も必要なのだなと感じました。

最後には、集合写真を撮影。九州・沖縄の皆さんが「ONE TEAM」と掲げられ、共に助け合いながら前に進む様子は非常に力強いと感じました。

今後も各地での連携の様子をレポートしていきます!
九州・沖縄の皆様、
素晴らしいチームワークを保ち、これからも力を合わせて、さらなるご活躍を願っております。

むすびえ 葛西 優香

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