現在、47都道府県すべてにこども食堂があり、また各地でこども食堂運営者らの情報交換や意見交換、さらにはスキルアップや広報啓発のための「地域ネットワーク団体」が生まれています。
今年度、全国のこども食堂数はついに1万箇所を突破し、47都道府県すべてで都道府県域の地域ネットワーク団体が正式に誕生。また、市区町村域・圏域(エリア域)の地域ネットワーク団体もどんどん新しく立ち上がっています。
そんな各地の地域ネットワーク団体は、根ざす地域や関わる人も、活動歴や理想としているあり方もそれぞれですが、「一つひとつのこども食堂を支えたい」という想いを共有する仲間でもあります。むすびえは、毎年全国の地域ネットワーク団体の方々が集まり横のつながりをつくるための「全国交流会」を開催しています。
2025年2月8日(土)、全国41都道府県から地域ネットワーク団体(都道府県域・市区町村域・圏域共に含む)、関連する自治体職員や企業団体の方々、むすびえメンバー合わせて200名以上が集まり、「全国交流会2025」を実施しました。
今回の会場は、虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの「IBM Innovation Studio」。日本IBMさんより会場提供をいただきました。
【全国で、そして海外でも広がるこども食堂】
オープニング&アイスブレイクでは、この日全国各地から集まった参加者を紹介。160名以上の地域ネットワーク団体の皆さんのうち、約3割が初めて全国交流会に参加する団体でした。また、都道府県域のネットワーク団体が約半数ではあるものの、残り半分は市区町村域・圏域(エリア域)の団体で、こども食堂の広がりやそれに伴うネットワーク団体の増加が感じられました。
また、今年は初めて海外のこども食堂関係者とも交流。韓国の「緑の傘 釜山総合社会福祉館」のチョ・ユニョン 代表、「コンヌン青少年文化情報センター」のイ・スンフン センター長より、韓国でもこども食堂の活動が根付き始めている様子についてお話しいただきました。「一緒にこども食堂を盛り上げよう!」と、Zoom越しにお互いにエールを送り合いました。
【小グループ型・回遊型での交流タイム】
その後は、小グループでの交流を行う「交流タイム①」、テーマごとのブースや交流スペースを自由に回遊しながら交流する「交流タイム②」を実施しました。
「交流タイム①」では、自分たちの「原点」「未来」、そして「現在」をテーマに交流。最後に「今日はこんな一日を過ごしたい!」という想いを名札のフリースペースに書き入れました。
(交流テーマ)
【原点】地域ネットワーク団体を始めたきっかけ、想いはなんですか?
【未来】地域ネットワーク団体として、今後やりたいことや希望、不安やモヤモヤ、みんなと共有したい悩みや疑問はありますか?
【現在】今日がどんな一日になったら最高ですか?
「みんなの地域の取り組みを知って、いいところをマネしたい!」
「他の自治体でどんな取り組みがあるかをたくさん知りたい!」
などなど、それぞれの「最高の一日」を名札に書いて、「交流タイム②」へ。
交流タイム②では、「都道府県域ネットの部屋」「市区町村域ネットの部屋」「圏域(エリア域)ネットの部屋」「初めて参加者まんなか部屋」の4つの部屋と、「学校連携」「広報」「IT」など、むすびえ主催のテーマ別ブースを設置し、それぞれの参加者が自由に移動しながら交流できる時間をつくりました。
【一日を振り返ってのクロージング&懇親会】
あっという間の一日も終わり、クロージングでは参加者の感想共有を行いました。
参加者からは、以下のような感想をいただきました。(※アンケートより一部抜粋)
- 参加したことによって、自分の活動により自己肯定感を持つことができました。こんなに仲間がいるという安心感も。友人と呼べる人が増えた気がします。
- 皆さんの活動・取り組みをお聞きすることができ、とても勉強・参考になりましたので、今後の活動に活かしていきたいと思いました。
- 全国の地域ネットワーク団体の方々とお会いすることができました。初めての参加でしたが、温かく迎え入れてくださいました。次回も参加したいと感じました。
- 海外にもこども食堂があることを初めて知りました。こども食堂が世界に広がる可能性を持っていることに、新しいパワーを得た思いです。
- 全国でネットワークとして頑張っていらっしゃる仲間がこれだけたくさん存在すること、みんながみんなの為に地域も環境も超えて志を共有できること。この交流会があるから一年頑張れるよね。と会う人会う人が声に出していました。感動と感謝に満ちた1日でした。
その後の第二部・懇親会では、冒頭に日本IBM代表取締役社長の山口明夫さんよりご挨拶をいただきました。むすびえとともにこども食堂を訪問した思い出を振り返りながら、「誰一人取り残さない社会、みんなが幸せを感じられる世界を、一緒に目指していきたい」というあたたかなメッセージをいただき、一緒に軽食を囲みさらに交流を深めました。
むすびえではこれからも全国交流会をはじめ、様々な形で地域ネットワーク団体の皆さんの交流の場や、むすびえとの協働の機会をつくりながら、全国に広がるこども食堂を支援していきます。
今回ご参加くださった皆さん、ご協力くださった日本IBMの皆さん、どうもありがとうございました。