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地域に根付くこども食堂の力と絆 〜株式会社ファミリーマート〜

画像:ファミリーマート夢の掛け橋募金

── 2つの助成プログラムでこども食堂を支える

「ファミリーの未来を担う子どもたちを応援したい」ファミリーマートの社会貢献活動の一環として2019年に始まった「ファミマこども食堂」。しかし、2020年の新型コロナウイルスの影響で一時中断することに。同じように活動継続が難しくなったこども食堂を支援するため、むすびえとの協働事業「ファミリーマート むすぶ、つながる、こども食堂応援プロジェクト」を立ち上げました。このプロジェクトでは、店頭募金「ファミリーマート 夢の掛け橋募金」の一部を活用して、コロナ禍でも既存のこども食堂が活動を再開・継続できるよう支援しています。季節ごとの助成プログラムは、これまでに10回実施し、1000件を超えるこども食堂の運営をサポートしてきました。 さらに、2023年にはむすびえとの新しい事業連携として「こども食堂スタート応援助成プログラム」が始動。このプログラムは、既存のこども食堂の再開・継続支援に加え、新たにこども食堂を始めようとする団体を応援するもので、費用助成だけでなく、活動の立ち上げを学ぶ場の提供も行っています。

── 広がるこども食堂の可能性

前回に続いて、ファミリーマートのこども食堂にむけた取り組みをお届けしていきます(全2回)。2回目となる今回は、 実際に助成プログラムを受けた団体がどのような活動を展開しているのか、3つのこども食堂から運営者の声や子どもたちの反応、地域社会とのつながりについてお話を伺いました。

誰かの「居場所」であり続けるために

【こども食堂継続応援プログラム 採択団体】
バトンカフェ 認定特定非営利活動法人おおいた成年後見権利擁護支援センター(大分県)

バトンカフェの様子

手助けを必要としているすべての人が、身近な地域で必要な支援が受けられ、安心して自分らしい生活を送れるように、その権利を守る活動を行っているNPO法人バトン。月に2回ほど地域の人たちに向けて、こども食堂「バトンカフェ」を開催しています。
毎回集うのは0歳~90歳以上と幅広い年代の人たち。参加してくれる子どもたちや家族は、会を重ねるごとに、顔見知りになり、笑顔で挨拶したり、食後に一緒に遊んだりして絆を深めています。朝早くから来て準備をしてくれるボランティアスタッフも、子どもたちの笑顔や「おいしかったよ、ありがとう!」のひとことで温かい気持ちになっています。バトンカフェは、遊びに来る人も働く人も皆が明るく元気になれる場所であり、誰もが心穏やかでいられる「居場所」なのだと実感しています。今後は、ひとり親世帯の孤独・孤立問題解消のきっかけにもなれば、という期待も持っています。
毎回楽しみに来てくださる方々も徐々に増え、今ではそれぞれの生きがいを見出す「なくてはならない場所」になってきたバトンカフェ。これからも途絶えることなく継続させていきたい、という想いを強くしています。

地域の多様性が生み出す力

【こども食堂継続応援プログラム 採択団体】
まりまり子ども食堂 一般社団法人2MORO(熊本県)

まりまり食堂の様子

0歳から100歳まで利用できる訪問看護ステーションと、重い障害や医療的ケアが必要な子どものための、児童発達支援&放課後等デイサービスを運営している一般社団法人2MORO。子どもの学習支援や第三の居場所、ひとり親サポートなどとあわせて、自分らしく生きるサポートの一環として毎月こども食堂を開催しています。
まりまり子ども食堂は、大規模な町営団地や県営団地が立ち並ぶ地域にあるため、ひとり親とその子どもたちだけではなく、高齢者も多くいらっしゃいます。皆さん、子育て世代のお母さん方にねぎらいの言葉をかけてくれたり、子どもをかわいがってくれたりと、温かなつながりを作ってくれます。親御さんたちも、この場所を知ってから「実家みたいで安心する」と言ってくれるのが印象的です。地域の人と人との関わりが希薄になる中で、多世代間の交流に日々ほっとする瞬間があるのを感じています。 また、精神・知的障害のあるひとり親の方へのサポートの一環として、こども食堂の開催日でなくても、ご要望があった場合には急遽お弁当を用意し、お持ち帰りいただけるようにしています。社会には、さまざまな環境や背景を背負った人がいますが、心配してくれる人や、声をかけてくれる人がいるだけで人は強くなれるのだと思います。私たちがそういう場を提供し続けていきたいと思っています。

地域の願いが叶った日

【こども食堂スタート応援プログラム 採択団体】
黒髪地域食堂 「いちょうの木 つどい」(熊本市中央区)

黒髪地域食堂の様子

黒髪地域食堂「いちょうの木 つどい」は、社協職員のほか、公務員、管理栄養士、個人事業主など、さまざまな専門分野を持つ有志が集まり、構想を積み重ねてきました。2024年4月、1年以上の準備期間を経て、地域コミュニティセンターのホールで初めてのこども食堂を開催しました。
「誰も来なかったらどうしよう」という不安をよそに、当日は年中から小学校6年生までの子どもたちが20名以上集まってくれました。用意したカレーライスを「おいしい」と楽しそうに食べ、何度もおかわりしてくれる子や、ガス炊飯器で炊いたご飯の香りと味が珍しいのか、ご飯だけをおかわりする子も。また、年代の違う子どもたちが交流する様子も見られ、会場は和やかな雰囲気に包まれていました。参加してくれた方からは、「子どもたちのためにこども食堂を開設してもらって感謝している。他校区にはあったが、地域的に利用出来ず残念に思っていた」という声も。地域の中でこども食堂がこんなにも必要とされていたのだ、とあらためて感じる機会になりました。開催後のスタッフミーティングでは、今後も安全に配慮しつつ、子どもを楽しませるイベントを取り入れていきたい、など活発な意見が出され、次回の開催に向けて士気が高まりました。

こども食堂は、地域社会に温かい絆を築く力となり、多くの子どもたちとその家族にとっても欠かせない場所を提供してくれています。ファミリーマートをはじめ、多くの企業やサポーターとの協業によって、この取り組みがさらに広がり、未来の子どもたちの笑顔が増えるよう、今後も活動していきたいと考えています。

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