事例紹介

【東京都八王子市】「子ども食堂見本市」に参加しました

2/11、「子ども食堂見本市〜見て、聞いて、楽しんで、知る子ども食堂〜」が開催されました。
当日は、こども食堂運営者の方、フードバンク、自治体の方々など約115名が参加。
八王子市内の各こども食堂がブース出展をされ、日頃の活動共有と運営者同士の交流が図られ、最後にむすびえ理事長 湯浅誠の講演が行われました。

昨年の9月から4箇所、食堂が立ち上がった八王子市。
中でも鮮やかなピンク色ののぼり旗が会場内で目立っていた、「さくらこども食堂」の皆様。
ママ同士で助け合いを生み出すために、立ち上がったとのこと。
開催場所のお庭に大きな桜の木があるので、「さくらこども食堂」と名付けられました。
参加する方々にとっても、思い出の『桜の木』=故郷のシンボルとなりそうですね。

「さくらこども食堂」の皆様

一方で3年目を迎えた、「ほっこり食堂」の皆様。

「ほっこり食堂」の皆様

児童委員をされていたご経験を活かし、立ち上げられました。
引きこもってしまっていた男児と食べ物のお話をして、その子の人生に変化が起きた。
その「食」の力に勇気をもらい、食堂の開催を決意されたとのこと。
食堂の名前の通り、「ほっこり」する笑顔で迎えてくださいました。

それぞれの活動や課題を共有した上で、湯浅より、「子ども食堂、地域食堂のこれからの役割」と題し、お話をさせていただきました。
「小さい頃、障害者の兄貴のためにボランティアさんが家に来ていた。なので、大学生になってボランティアをすることは私にとっては当たり前の行動だった。でも友人などからしたら、ボランティアって自己満足なんじゃないの?軽い気持ちでやったらダメなんだよね?と全く行動に移さなかった。それが不思議で仕方なかった。」と自身の経験を語りました。

講演の様子

小さい頃の経験が大人になってからの行動につながる。
この様々な「経験」の機会を生み出すこともこども食堂の役割の一つ。
多世代の人が集う場所=こども食堂だからこそ、多世代の人と日常から会話ができます。
その会話の経験により、人との距離の取り方を学ぶこともできます。

こども食堂に通うことで経験の幅が広がり、人生の選択肢を広げてくれるかもしれない。
「参加する人、運営する人、支援する人、それぞれが新鮮な経験を得られる場所がこども食堂なんだ」と、会場一体が納得感で包まれました。

講演の後には、会場からの質問タイム。
「子育てと仕事をしながら、こども食堂の運営に携わっている。毎日午前4時に起きてこどもが起きてくるまでが情報を収集できる唯一の時間。その短時間でそれぞれのこども食堂で抱えている課題などが共有でき、解決策が見つけられるようなシステムはないのか?」という運営者の方の質問に対し、
「必要ですね!やりましょう!」と答えた湯浅。
確かにお互いに抱えている課題を共有でき、解決策も見つけられるページがオンライン上にあると忙しい運営者の方も情報が得られやすい。
早速、方法を考えたいと思います。

「私たちは、『誰でも食堂』と名付けて開催しています。湯浅さんがおっしゃった通り、多世代が集まる場所になっています。自分たちがやっていることは社会の役に立てているんだ、と思えました。また明日からも頑張ります!」
と、意気込みを語った方もいらっしゃいました。

質問タイム 意気込みを語ってくださる方もいました

2019年度の箇所数調査から4箇所増えた八王子市のこども食堂。
同時に悲しいお知らせもありました。
市内で2箇所、こども食堂を開催している男性が亡くなられ、こども食堂はお休みとなったのです。
「辛い。一人の力に頼っているのは良くない、継続できるように取り組みを進めていかなければ」と、八王子食堂ネットワーク事務局のフードバンク八王子 川久保美紀子さんは語りました。

「まだまだ小学校区に一つのこども食堂に達していないですね!頑張りましょう!」という湯浅の一言を「宿題」と捉え、八王子食堂ネットワークの方々はまた新しい一歩を踏み出し始められました。

むすびえ 葛西 優香

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