11/9、「まちのひろばフェス2019 地域でつながるこども食堂」が開催されました。
当日は、かわさきこども食堂ネットワーク、こども食堂運営者、社会福祉協議会の方々などが参加。
川崎市のコミュニティ施策の紹介、講演、市内のこども食堂の紹介や「こども食堂のあれこれ」
と題した出前ゼミが行われました。
フェスのスタートでは、川崎市市民文化局の方より川崎市のコミュニティ施策についてお話がありました。
2019年3月に策定された「これからのコミュニティ施策の基本的考え方」。
その中には、「まちのひろば」という言葉が明記されています。
さて、「まちのひろば」とは、どういう場所でしょうか。
川崎市の各区で開催されたワークショップにおいて市民から出てきたキーワード。
「小さな単位の居場所」、「小さなエリアに多様なスペース」、「好きなことがやれる場がある」など。
ここから生まれたのが、誰もが気軽に集える出会いの場として、官民問わず、
多様な地域資源を活用して創出される場「まちのひろば」です。
この場が創出されることにより、
・家庭、学校・職場以外の地域の居場所づくり(サードプレイス)
・地域課題解決等に向けた取組の促進
・市民のつながりの向上
を目指されています。
ここで重要なポイントが「市民創発」であるということ。
市民が欲しいと思っていた場を市民自ら創発する取り組みを進められています。
ん?すでに「まちのひろば」と呼ばれる場が川崎市内でも市民創発で展開されているのではないか?
そうです。それが、『こども食堂』。
この後、川崎市が目指す場づくりをまさに体現している『こども食堂』について話は進んでいきます。
当団体理事長の湯浅誠の「川崎のまちとこども食堂の未来」と題した講演が始まりました。
こども食堂では、いろんな声が聞こえる。
「子育てをしていて、休みたいと言うと…こどもを愛していないの?と言われる。
ただ少し休みたいだけなのに…」
「自分のためだけにだったらご飯は作らない。」
子育てを頑張っているママが頼る場所。
人のためになら頑張れる人が一人暮らしになっても生きがいを見つけられる場所。
それが「まちのひろば」であり「こども食堂」である。
多世代の方がそれぞれ多様な「もうちょっとこうなったらいいのに」を抱えている。
その状況を真ん中で受け止めてくれるのが『こども食堂』の存在であると湯浅は話す。
多世代が集い、それぞれの課題を少しずつ解消してくれる場所=こども食堂が
至るところにあることで救われる人がいる。
「まさに、川崎市が目指していることですね!」の湯浅の一言から、
こども食堂の取り組みと川崎市のコミュニティ施策が目指す方向性の統一感を感じ、
会場内は一体となりました。
後半は、まちのひろば=こども食堂を市民主体でより広げていくために、
「こども食堂のあれこれ」と題し、湯浅の出前ゼミが始まりました。
子どもの未来サポートオフィス代表であり、神奈川こども食堂・地域食堂ネットワーク、
横浜こども食堂ネットワークなどの世話人も務める米田佐知子さんの進行により進められました。
会場からの質問票に沿って、湯浅と米田さんが答えていきます。
質問:「こども食堂」が誰もが行きやすい開かれた場所にするにはどうすればいいか?
湯浅回答:自分が行かないことが支援だと思っている人がいる。それは違う。まずは訪れてみてください。そしたら、こども食堂がどういう場所かわかる。そしてその体験を周りの人に伝えてください。
質問:一緒に活動してくれる継続的なボランティアさんが増えて欲しいのですが、、、
湯浅回答:「誰かがやるなら手伝いたい!」と言う人は多いです。まずは「エイヤっ!」でやってみる。
きっと人が集まってきます。
質問:こども食堂を開催したいけど、場所が、、、
湯浅回答:町の町会や自治会の方に相談してみるのはいかがでしょうか。
町会や自治会には会館がありますよね。一緒に運営も手伝ってくれるかもしれません。
今から始める人、参加してみたい人、始めようか迷っている人…
様々な視点でこども食堂のことを考えている方々から質問が挙がりました。
ゼミを終えて、皆さんで記念撮影をして、そのまま交流会!
交流会では、日頃、どんな想いで運営しているのか、なぜこども食堂を始めることになったのか?
など、止まらない会話が繰り広げられました。
まずは、行ってみる。そしたら、新しい気づきが生まれ、皆様の生活に何か変化が現れるかも?
変化の形は人それぞれ。その時感じた気持ちを大切に、
こども食堂を楽しんでいただけたら嬉しいなと思います。
川崎市の方々、お疲れ様でした!
笑顔に溢れる「まちのひろば」がまち中にたくさん広がりますように。
むすびえ 葛西優香