認定NPO法人
全国こども食堂支援センター・むすびえ

2025年7月4日、株式会社高速による、広島県、大阪府、神奈川県、茨城県の地域ネットワーク団体への寄付贈呈式・交流会を実施しました。
食品トレー等の軽包装資材の専門商社である株式会社高速(本社:宮城県)は、こども食堂への食品容器等の贈呈や寄付といった支援に継続的に取り組んでいます。
本年度も、むすびえに加え、営業拠点のある4地域の地域ネットワーク団体へそれぞれご支援くださいました。
株式会社高速について
株式会社高速は1966年の創業以来、食品トレー等の軽包装資材の専門商社として事業を展開してきました。
BtoB企業であるため、消費者に名前を知られることが少ないけれども、地域のスーパー等を通して消費者の生活を支えている。そんな「縁の下の力持ち」的存在です。
また、東北に本社をおく企業として、東日本大震災以降、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。
ご寄付の経緯
東日本大震災の際、株式会社高速の営業所も被災しましたが、食品パッケージの専門商社であるため地域での包装資材の配布や機械の貸し出しを行いました。当時の経験をきっかけに、自社の復興が完了後、社会貢献活動を行うことを決意し、子ども支援を始めました。コロナ禍においては集まって食事をすることが難しかったため、こども食堂がお弁当配布に切り替える中、地域貢献活動の一つとして、宮城県内こども食堂へのお弁当容器を、社員自ら直接届けてまわりました。現在も宮城県内にあるほぼ全てのこども食堂に対して寄付を行っています。
当初は本社所在地である宮城県での活動に注力していましたが、「宮城県内だけでなく、県外のこども食堂も支援したい」と、2023年度より営業拠点のあるエリアのこども食堂ネットワークにも支援の輪をひろげています。
地域ネットワーク団体とは
こども食堂の地域ネットワーク団体は、各地域の運営者が情報交換や意見交換を通じて相互に連携するのを推進し、スキルアップや広報啓発を行っている団体です。全国各地でこども食堂の新規開設と持続的な運営を推進する上で、地域内の食堂間の連携を促進し、食料等の寄付・寄贈を調整する極めて重要な役割を果たしています。
今回の贈呈式では、目録を贈呈した後、各地域ネットワーク団体から団体の概要や活動内容、今回の寄付の活用方法についてご紹介いただきました。
◆広島県

NPO法人広島こども食堂支援センターは、運営者間の「顔の見える関係」構築を重視し、普及啓発、個別相談など「理念の共有」、フードバンク、助成金の配布、ボランティア仲介といった「運営支援」、研修会、食品衛生などの「人材育成」、調査研究、ホームページ、SNSなどの「情報収集・発信」などの支援活動を実施されています。活動財源は100%民間の寄付金と賛助会費で成り立っているのも特徴で、今回のようなまとまったご寄付があった場合は、県内のこども食堂への分配を行っているとのことで、頂いた寄付への当然ではないことへの感謝と今後の継続への意欲を示されていました。
◆大阪府

大阪のこども食堂ネットワークは、地域で繋がりを育み、対話の場を提供し、実践的な知見を共創することを目的に2023年発足、大阪大学大学院経済学研究科の研究室が事務局を担っています。
現在、ネットワークの活動資金は大学の研究費が主な財源ですが、これは期限付きの財源でもあるため、継続的な活動のための資金確保が喫緊の課題となっており、株式会社高速の皆さまのようなご支援があることで活動を継続することができていると強調されていました。今後は、ネットワークが存在しない「空白地域」へのアプローチ強化や、課題解決に向けた提案力の向上にも力を入れられるそうです。
◆神奈川県

NPO法人神奈川こども食堂・地域食堂ネットワークは2019年に任意団体として発足、2025年5月に特定非営利活動法人格を取得されました。
こども食堂の数を増やすこと自体を目的とするのではなく、活動の充実を通じて地域での繋がりを育み、子どもたちが地域で見守られ、安心して暮らせる社会の実現を目指されています。企業からの食品や物品の寄付受け入れ・分配にも注力しており、昨年は約4トン(2000万円相当)の物資をこども食堂へ届けられたそうです。物資のご支援が増えることは嬉しいことである一方、県内のこども食堂1か所1か所へ最後まで届けるためには、倉庫保管料や流通コストもかかってきて苦労しているので、株式会社高速の皆さまからのこうしたご支援は本当にありがたいと、今後も物流の課題解決に継続して取り組んでいきたいと意欲を語っていらっしゃいました。
◆茨城県

茨城県内には現在、257箇所のこども食堂が存在し、茨城NPOサポートセンターコモンズが支援活動の中核を担い、「子ども食堂サポートセンター・いばらき」として、こども食堂に関する情報発信や調査、年間160件に及ぶ多様な個別相談対応、こども食堂開設セミナー、運営者間の交流会、食材マッチングといった多岐にわたる中間支援を実施しています。また、独自事業として「いばらき子ども食堂応援募金」は6年間で累計1200万円を超えるなど、民間からのあたたかかい支援を主な財源としています。今回ご寄付いただいた資金も活用させていただき、開設支援、活動継続・発展、パントリー、学習体験、地域ネットワーク支援など、現在6種類の助成メニューを設け、効果的な支援を目指していきたいとのことでした。

その後、高速、4つの地域ネットワーク団体、むすびえとで交流会を実施しました。ご支援への感謝を伝えるだけでなく、それぞれの事業についてより理解を深めることができた贈呈式・交流式となりました。
むすびえは、全国にあるこども食堂の地域ネットワークを通じて、企業・団体からの寄付やプログラムなどを個々のこども食堂につないでいます。
「こども食堂や地域ネットワーク団体を支援したい」という想いを持たれている企業・団体の皆さまは、ぜひ以下のページもご覧ください。
企業・団体との 協働事業 – むすびえ (musubie.org)