こんにちは。
むすびえ・防災プロジェクトです。
2024年度はさまざまな活動をさせていただき、
全国のたくさんの方々と防災について、地域について考えてきました。
活動を皆さんと一緒に振り返りたいと思います。
今回は【こども食堂防災アドバイザー研修とこども食堂防災オンライン座談会】です!
【防災アドバイザー研修とは】
「こども食堂」の活動を通して、地域のつながりづくりを意識した防災の取り組みを行う人材を育成する制度です。「こども食堂」の良さをを発揮しながら、地域の方々が「防災」を自分ごととして捉えられるように、率先して活動する人を地域に増やしていきたいという思いからこの研修は生まれました。
研修の中では、こども食堂と防災の共通点や、自分自身ついて、さまざまなWSを通して、より理解を深めていきます。例えば、「リソースの棚卸し」というWSでは、「得意なこと」「つながり」「物質や環境」という3項目について書き出し、「こども食堂を運営してきた」自分、その他の側面の自分に向き合い、自分そのものの価値を見つめ直します。
このように、アドバイザー研修では、自ら手を動かしながら、自分について、こども食堂と防災について、参加者と一緒に深めていきます。また、この研修をきっかけに近隣の食堂さんとの交流をし、つながりを強めることもできます。
ー7月7日 こども食堂防災アドバイザー研修 in 名古屋ー
24年度最初のこども食堂防災アドバイザー研修は愛知県名古屋市で行われました。当日は15人のこども食堂運営者さんが集まりました。
名古屋市を県庁所在地とする愛知県は、南海トラフ巨大地震の被災想定地域ということもあり、防災に対する意識が非常に高い地域です。これまで岡崎市、豊橋市、名古屋市の3箇所で、こども食堂防災研修を実施しています。今回のこども食堂防災アドバイザー研修では、市単位ではなく県単位で開催し、横のつながりの強化とよりディープに防災活動を進めるねらいがありました。


【参加した方の声(アンケート一部抜粋)】
・人と人のつながりが助け合いにつながり、自分1人ではできないことが”できる”に変わる。今回、初めての方と一緒にポスターづくりをする中で個々の得意、意見をまとめて楽しく作成することができました。
・家に帰って、もう一度マニュアルを見て、腹におとしこんで、いざという時にできるようにしたい。
・どのような内容で進められるのか、とても楽しみでした。地域も遠い、初めて会った人々とチームをつくりあげる過程はとても勉強になりました。避難所運営に役立ちました。
・楽しむところから一つずつ気づきをもらって自分の拠点へ戻り、子どもたちを巻き込みながら、皆でまずは自分を守り、その後にまわりと励まし合い、協力しながら活動できる知恵をつけていきたいです。
【イベント詳細】
開催日時:2024年7月7日(日)13:15~ 16:15
開催場所:名古屋市中村区名駅1-1-3 JRゲートタワー16階
テーマ:「防災」を地域で活動する担い手づくり
講師:森谷哲/久保井千勢
主催:認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
協力:あいちこども食堂ネットワーク/愛知こども食堂応援プロジェクト
ー11月27日 こども食堂防災アドバイザー研修 in 高松ー
11月27日に、香川県高松市でこども食堂防災アドバイザー研修を行いました。
香川、高知、愛媛、徳島の四国全域から参加者が集まり、当日は26人のこども食堂運営者さんが集まりました。
四国は昭和21年に発生した昭和南海地震で甚大な被害にあう他、現在発生リスクが高まりつつある南海トラフ巨大地震の被害想定地域です。日頃からの防災の取り組みも活発であり、防災意識が非常に高い地域です。すでに、四国4県でこども食堂防災研修を実施しており、今回は県単位ではなく、四国全域の広域連携をねらいに、こども食堂防災アドバイザー研修を開催しました。


【参加した方の声(アンケート一部抜粋)】
・こども食堂防災アドバイザー研修を受講して、こども食堂が、防災で必要な要素を兼ね備えた場になっていることを改めて感じました。ネットワーク事務局として、今回ワークショップで考えた”こども食堂防災イベント”を三豊市のこどもの居場所ネットワーク所属団体の方と協力して、実際に開催したいなと考えました。そうすることで、研修を受けていない居場所にも共有でき、地域の方にも知ってもらえる機会になるのではと思いました。日々、単独で活動されていますが、有事の時には、お互いの強みを知っておくことで頼ったり、補い合えることもあるのでは、と思いました。
・初めて会った人と話し合いを進めていくことで、お互いの中の得意なところ、苦手なところを知り、自発的にそれぞれができることをできるだけやることで、まとまっていくという形ができました。いつもやっていることだけど、今回のエレベーターピッチを繰り返したり、自分のことを見つめ直したりする、とても良い機会となりました。
・こども食堂の利点は、顔の見える多世代交流の場であることから、こども食堂発進の防災訓練などやってみたい。
【イベント詳細】
開催日時:2024年11月27日(日)13:15~ 16:15
開催場所:高松市浜ノ町67番1号
テーマ:「こども食堂」と「防災」を地域で活動する担い手のつながりづくり
講師:森谷哲/久保井千勢/松島陽子
主催:認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
協力:たかまつ子ども食堂ネットワーク/えひめ地域こども食堂ネットワーク
【こども食堂防災オンライン座談会の趣旨】
防災に触れ、少しでも防災を自分ごとにしてほしいという思いで始まった座談会です。こども食堂関係者をはじめ、企業の方や行政の方など幅広い方々と、防災という共通ワードで進めていく会です。ゆるやかに防災の取り組みや疑問を投げかけ合う会にしたいという思いがあり、「座談会」という名前を付けました。
会の前半は、豪華ゲストスピーカーをお招きし、防災のヒントを得ます。後半は、参加者同士の交流の場を設けており、防災の取り組みについての紹介や前半のゲストスピーカーの講演内容で盛り上がるなど、自由に防災を語り合う時間を設けています。
ー9月4日開催 こども食堂防災オンライン座談会ー
2024年9月に開催された座談会で、7回目を迎えます。当日は70人ほどの参加者があつまりました。
ゲストスピーカーは、今回は”被災地”と”未災地”、”過去の災害”と”未来の災害”をつなぐコミュニケーターとして活動されてきた、株式会社Mutubi 代表取締役、加藤愛梨さんをお招きしました。講演内容は、『誰が命をつないだか?能登半島地震の事例から学ぶ共助の必要性、そして限界』というテーマのもと、能登半島地震での活動や地域の「つながり」の必要性についてお話しいただきました。

【参加者の感想】
講演内容から、こども食堂同士の交流についてなどさまざまな感想が寄せられました。
- 災害への備えを考えるとき、地域を超えたつながりが大事ということなど。ボランティア活動に関してもたくさんアドバイスをいただきました。
- 公とは違う民のボランティアだからこそできることがあると知れた。
- こども食堂として普段から実施していること(大量調理や衛生管理)が発災時に既に役立つこと。またいざというときに被災者に安心感を与える存在にもなれると気付かされました。
- 被災地でこども食堂ができること、現地で開催・体験で得られること、高齢者の自分たちでどこまでできるか、住民の方とのコミュニケーションの取り方の重要性等の課題が明らかになった。
【イベント詳細】
開催日時:2024年9月4日(水)19:00~21:00
ゲスト講師:加藤愛梨氏
内容:『誰が命をつないだか?能登半島地震の事例から学ぶ共助の必要性、そして限界』
主催:認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
ー3月開催 こども食堂防災オンライン座談会ー
2025年3月に開催された座談会で、8回目を迎えました。当日は50人ほどの参加者が集まり、よりディープに防災への取り組みの紹介や多くの人を巻き込むには?などの疑問が飛び交いました。
ゲストスピーカーは、防災座談会開始史上初の3名をお招きしました。
1人目は、防災イラストを手がけるイラストレーターのいぢちひろゆきさん。一度は目にしたことがあるいぢちさんの防災イラスト。防災イラストを作成した経緯やイラストにかける想いなど伺いました。1000個の防災イラストがあると紹介されたとき、オンライン上でも参加者のどよめきを感じました。
2人目は、つるが子ども食堂ネットワークの中村幸恵さん。福井県敦賀市での防災の取り組みや行政との連携について、こども食堂と防災の力についてなどお話しいただきました。地域にあるさまざまなリソースと連携していくことの大切さなど、こども食堂×防災の活動のヒントがたくさん散りばめられていました。
3人目は、たかまつ子ども食堂ネットワーク田中美栄子さん。愛媛県宇和島市のこども食堂×防災の取り組みをバスツアーとして開催した活動の報告をしていただきました。被災をした宇和島市がどのような復興を遂げたのか、そして今、どのような活動をしているのかということが写真と共に紹介されました。県を飛び出し、つながって防災の取り組みを進めていくことの大切さを感じる事例でした。

【参加者の声】
講演の内容や参加者同士の交流が、今後の活動の刺激になっていることが感想に寄せられました。
- 被災後に一段落すると出てくる、潜在的な(日常生活でも)課題に取り組みたいと考えてます。
- もっと知りたいことがたくさんあったし、時間が足りないと感じたくらい充実し、他のことも知らないことがどんどん出てくるなあと感じた。
- こども食堂開催だけでいっぱいいっぱいの私たちですが、みなさんの取り組みに刺激を受けました。また少し前に進みたいと思いました。
- 防災についてこども食堂開催時に、こどもたちと勉強するところから始めたいと思います。
【イベント詳細】
開催日時:2025年3月12日(水)19:00-21:00
ゲスト講師:いぢちひろゆき氏(イラストレーター)/中村幸恵氏(つるが子ども食堂ネットワーク)/田中美栄子氏(たかまつ子ども食堂ネットワーク)
主催:認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
【「こども食堂防災拠点化プロジェクト」とは?】
そこに集う人々の安全確保はもちろん、通常時だけでなく、有事の際にも地域の安心、安全な場として存在できるように、こども食堂の防災力を高めることを目的としています。
また、こども食堂の主体的な防災活動につながるよう、それぞれのこども食堂に「私たちに出来る防災」「地域みんなの防災」について考え・備える機会として防災研修や、さまざまな防災活動の支援提供をしています。
この活動を通して、地域における交流拠点(こども食堂)の認知向上と、つながりを再確認する機会の創出にも寄与しています。
こども食堂での防災研修、訓練をお考えの際は、是非ご相談ください。
bousai@musubie.org(担当:和泉、佐甲)