事例紹介

【長崎県佐世保市】させぼ子ども食堂ネットワーク設立式が開催されました。

11月9日、長崎県佐世保市にて「させぼ子ども食堂ネットワーク」の設立式に参加して参りました。

コロナ禍で学校休校になり、東京商工会議所、東京青年会議所、ロータリークラブなど、地域の他団体との連携し、フードパントリーやお弁当配布などの活動を行った。また、コロナ禍でも居場所の開催を続けていたという中で、こういう時だからこそネットワーク設立の必要性を感じたという代表の数山さんの挨拶からスタート。

各子ども食堂運営者さん、そして参加した企業、行政の方々のご挨拶と続きました。

各こども食堂が活動を紹介する時間は大切な学びの時間でした

<子ども食堂運営者さん>
・もくもく食堂
現在は参加者を半分に限定し、こども食堂を再開している。まだまだ困窮している家庭は多く、支援の輪を絶やさない事が現在の目標。

・佐世保みんな食堂
毎月場所を変え、44箇所の公民館を周り、開催を続けている。3年経過し、学習支援や食育支援なども行っている。

・木風ふれあい食堂
立ち上げから4年経過。多世代交流を目的とし、隔月で開催。「木風ぼうけんの森」というプレイパークの運営も行っている。

・ワクワクくらぶ
設立から3年目。夏休み冬休み春休みなど不定期に開催。子どもたちの居場所を作り、地域貢献にも繋げたいという目標を掲げ、民生委員さんとの連携し、いろいろなこどもに来て欲しいという思いで実施している。

・宝ハウス
個人で開催。毎週水曜日に実施、今年2年間目で100回目を迎えた。個人からの支援が多い。

・みんなおいでよ
道の駅の前の公民館で開催。3年前に数山さんの講演を聞いて開催を決意。3月からはこども食堂は休止、現在はお弁当の配布を開催している。

・えんち
民生委員として活動、荒れている中学校の給食を視察に行った際に食事に困っている子どもたちに遭遇。行政を待っていたら始まらないと感じて個人で開始。
コロナ禍で学習支援を開始、夏休みは7時半までは無料でモーニングを提供し、学習支援を毎日開催。バイキングスタイルからお弁当に変更。
途中で食べないように箸を付けない工夫をしている。お弁当は高齢者も受け取りに来る。

・にじいろ食堂
毎月第1土曜日のランチに開催。もくもく食堂のお手伝いから開始。高齢者サロンも平行開催。現状は活動休止中。

・ぐーぐーキッズカフェ
元証券会社勤務。セカンドハーベスト・ジャパン代表の話を聞き、立ち上げを決意。神保町の未来食堂で修行。2018年10月に飲食店を立ち上げ、こども食堂も開始。
自治会長も勤め、子ども会との連携も実施。高齢者との多世代交流にも繋がっている。

<企業・行政の方々>
・生活協同組合さま
1)陳列期限が過ぎた商品、注文ミスした商品のこども食堂への支援。
2)生産者から提供していただいたお米などを支援。
3)購入型のフードドライブの開催。

・フードバンク協和(協和商工)さま
現在、7/10団体と連携中。全10団体との連携を目標としている。

・佐世保市 環境部さま
食品ロスを減らす取り組みを行っている。冷凍庫と冷蔵庫を設置。ヤマト運輸さんとの取組を検討中。

・佐世保市 子ども未来部子ども政策課さま
配属された4年前は「子ども食堂」の認知度は高くなかった。毎週の様に数山さんから連絡がある。行政としては支援が足りていない。

・教育委員会 社会教育課さま
子ども食堂から学習支援に繋がっている、多世代交流に繋がっている事業として、子ども食堂に期待している。

・佐世保市 保健福祉部生活福祉課さま
子ども食堂の情報を共有している。要保護世帯への学習支援で大学生のボランティアを募集しており、子ども食堂にも繋げたい。

・佐世保市 社会福祉協議会さま
誰もが安心して生活できるまちづくりを目指し、子ども食堂への支援を行っている。赤い羽根募金、歳末助け合い募金の財源を一部子ども食堂へ助成をしている。昨年度は9団体に33万円。また、ボランティアセンターを通じて、食材支援も行っている。また広報誌を通して支援を行っている。

その他、市議会議員さん、地域包括支援センター、町会議員さん、子育て支援NPOの方、子ども食堂を開催したいという方など、たくさんの方々が参加しておりました。

その後、むすびえ理事長の湯浅誠から「地域ネットワークの意義」について、登壇させて頂きました。

むすびえが行う箇所数調査の長崎県の小学校区ごとの現状

●子ども食堂の現状
・子ども食堂は2019年6月現在で3718個所まで増加。
・子ども食堂の認知度は84%。ポケモン82%。
・県単位のネットワークは全国で35個所。

●ネットワークの意義
・運営者が孤立しないこと。
・企業や行政など、対外的な窓口となり、次の寄付へ繋がる。

最後は北九州市役所の子ども食堂担当係長の長迫和宏さんが登壇。湯浅とのセッションが行われました。

漫才・・・ではなく、こども食堂を取り巻く環境や事例を笑いを交えて紹介

北九州市では、学校の教師が子ども食堂に参加し、普段は学校に来られない子が先生と交流する場を作ったり、行政主導の子ども食堂の意義は企業さんの理解が得やすいなど、事例を紹介。
湯浅からは「お金ではない。信頼や繋がりなど、民間には出来ない強みが行政にはある」という話も。

その後も、公共施設の利用について、子ども家庭局から市民スポーツ局へ打診した事例、行政職員が野菜や食材を運んでいる事例、行政が支援するコーディネーターの事例、全てのチラシに市も連名する事例、社協さんが作った基金の事例など、Fコープさんとの子ども食堂に特化した連携協定の事例、全国でも前のめりな支援を行っている北九州市の事例を長迫さんと湯浅の掛け合いで面白おかしく話が進みました。

北九州市でこども食堂コーディネーターとして活躍する下田さんも事例を紹介

「こども食堂防災マニュアル」の事例も紹介させて頂き、いよいよ会は終盤に。

後半には、ネットワークを継続していくコツという話題になり、「纏めるのではなく、認め合う」というキーワードが出ました。

質疑応答の時間では、小学校での子ども食堂開催の事例についての質問があり、北九州市では120人生徒に対して140人が参加したという事例を紹介。20人は卒業した中学生だったというオチでした。その後も質問が相次ぎ、長廻さん、湯浅が答えていくという有意義な時間が30分ほど続きました。

最後は、黎明期から佐世保で子ども食堂の運営とネットワークの立ち上げに尽力され、今は福岡に引越しをされた櫻井さんのご挨拶にて締め括りました。

リーダーの数山さんと苦楽を共にした櫻井さんの素敵なメッセージは感動モノでした

とても温かい雰囲気で素敵なスタートの会となりました。

今後も佐世保市の活動が楽しみです。

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